直島から犬島へ | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

直島から犬島へ

 今日は、香川県の船で鎌田議長、名和副議長、両県議会事務局職員も一緒に直島、犬島を訪ねました。
 ベネッセ桟橋で、笠原良二(株)ベネッセホールディングス コーポレートコミュニケーション本部直島事業室長にお出迎えいただき、直島アートサイト全体の概要をお聞きしながら、地中美術館へ向かいました。
 昨年の直島町観光客は34万人です。
 10年前が5万人ですから6倍以上です。
 人口3400人の島で、アクセスが船しかない(宇野港からフェリーで20分、高松港からはフェリーで1時間)ことを思えば大変な観光客です。
 特に、地中美術館がオープンした2004年以降は急増しています。
 その地中美術館を昨年は12万人が訪れているのです。
 下岡尊文(財)直島福武美術館財団事務局次長、プロジェクト推進室アートコーディネーターの案内で鑑賞しました。
 館内は3人の美術家の作品を展示しています。
 フランスの印象派の大家、クロード・モネの「睡蓮」シリーズ。
 そして、設計者の安藤忠雄さんがコラボレートしながら創り上げたという、空間全体を作品として表現したランドアートの巨匠、共にアメリカのジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品です。
 安藤忠雄さんならではの、ごまかしが一切きかない打ち放しコンクリートを基調とした独創的な地中美術館はそれ自体が芸術品といってもよい位です。
 実は、「みんながいいと言うからいい」というのではなく、少し醒めた目で見ようと館内に入りました。
 幻想的な青色空間の部屋に入ると、頭が変になりそうでいたたまれない気持ちにもなりました。
 美術館を出た時、感動とは別の次元の充実感を持つことができました。
 この美術館は100人見れば100人とも違う感想を持つと思います。
 それでよいし、それを狙っているのかもしれません。
 美術館自体と作品の創造に触れることにより、見る人の心に創造心を芽生えさせる、そんな感慨も持ちました。
 一見ならぬ“必見の美術館”であることは保証します。
 次に、犬島アートプロジェクト「精錬所」を訪れました。
 ここは岡山市で、人口はわずか50人余りだそうです。
 100年前、銅の精錬所が開設され、わずか10年で銅価格が暴落したため廃止されたままになっていました。
 これをよみがえらせたのが犬島アートプロジェクトです。
 「在るものを生かし、無いものを創る」というコンセプトで創造された空間は、一寸ついて行けないところもあります。
 逆に言えば、これほどさように独創的だということです。
 ここは、未完成の“一見の美術館”だと申し上げておきます。