ハングリー精神 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

ハングリー精神

 ハングリー精神=現在おかれている苦しい境遇から何としても抜け出そうとして(かつて味わった苦しい境遇を常に思い出し)、死に物狂いでがんばらなければならないのだという気持ちをいだき続けること。
 例によって、「新明解国語辞典」の解釈です。最近は、残念ながら余り使われなくなりつつある言葉です。
 私が顧問をしている会社グループの社員旅行は、このところ、「なんばグランド花月(NGK)」で吉本興業のお笑いを観るのが定番です。
 毎回出し物が違うので、いつ行っても楽しめるのです。
 吉本興業は、芸人にハングリー精神を植え付けて、徹底的に鍛えるのでも有名です。
 宿泊した京都からNGKへ向う途中、バスに女の子が乗ってきました。
 “吉本グッズ”を販売するためです。
 「女性漫才『チュチュ』のくもんリサです。吉本の芸能学校の23期生で同期には『友近』さんがいます。」と自己紹介していました。
 芳井町出身の「千鳥」の「ノブさん」が、かけ出しの頃、1回の出演料2,000円で、親の仕送りを受けずアルバイトして頑張っていたという話をすると、
 「私は今1,500円です。最低は500円で源泉徴収されると475円の手取りです。
 師匠の『太平シロー』さんのお店でアルバイトして1日4,000円もらい生活しています。」
 と明るく答えていました。
 40万円の授業料を払って、1年間勉強しても、世に出て残れるのはほんのわずかな極めて厳しい世界です。
 ほとんど全員が買っていました。
 「私の生活がかかっていますから」と笑いをふりまきながら、一生懸命“吉本グッズ”を販売する彼女に共感したのでしょう。
 そこには、何とも言えない“さわやかな空気”が流れていました。