百家争鳴 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

百家争鳴

 後期高齢者医療制度をめぐっては、“百家争鳴(ひゃっかそうめい)”の観があります。
 “百家争鳴”とは、学者、論客がめいめいの立場から自由に自分の意見を発表し、論争することです。(新明解国語辞典)
 もっと言えば、ボクシングの練習に使うサウンドバックを殴るがごとく強烈な批判を浴びています。
 野党4党は廃止法案を参議院に提出する考えです。
 自民党、公明党の与党高齢者医療制度プロジェクトチームが制度運用の改善策を検討し始めたこと自体がこの制度に“欠陥”があることの証です。
 素朴な質問として、何故こんなことになってしまったのでしょうか?
 一口に言うならば、“制度設計上の問題”と“PR不足”です。
 75歳以上の後期高齢者は1270万人と総人口の9.9%を占めています。
 平成18年度の推計では、国民医療費は約34兆円で、高齢者医療費は約11兆円と3分の1となっています。
 対策が必要なのは分かります。
 この法律が成立したのは小泉内閣時代平成18年6月と2年前でした。
 この間、制度の趣旨や具体的な仕組みについて分かりやすい説明やPRがなされていれば、問題点も明らかになり、制度自体の見直しや改善も施行前に行われていたはずです。
 県の担当者に聞いて驚きました。
 国の方針がなかなか決まらず、厚生労働省が作成したタブロイド版4ページの説明書を新聞折込で入れたのがこの3月です。
 読んでみました。酷評するようですが、“お役所仕事”の典型です。
 その後、実施主体の岡山県広域連合作成のパンフレット(こちらの方はまだ分かりやすい)を配布しています。
 この程度では、到底“説明責任”を果たしたとは言えません。
 議員になって、中央官庁や審議会が作成する文書やパンフレットには不満を持ってきました。すべてとは申しませんが、読む人、見る人の立場を考えずに作られたとしか思えない代物が多いのです。
 ですから、県議会の一般質問でも折にふれて、分かりやすい計画やパンフレットを作って欲しいと提言してきました。
 “政治に対する信頼”を回復するにはこうした基本からの地道な努力が重要だと考えるからです。
(以下明日へ続きます)