甲論乙論 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

甲論乙論

 “Gり貧”打線 好機にも1点どまり
 巨人の敗戦を伝える、今朝の山陽新聞の見出しです。
 巨人ファンにとっては、うまい見出しだなどと感心している場合ではありません。
 5勝10敗1分、打率ならともかく、勝率3割3分3厘、首位阪神との差、7.5ゲーム。
 かつては、プロ野球ファンの4割近くが巨人ファンだといわれていました。今でも3割近くいる巨人ファンには、何とも精神衛生上よくない日々だろうと察します。
 まして、巨人が負けたら晩酌のお酒もまずいという熱狂的なファンの心情は想像するに余りあるものがあります。
 「巨人が強くないプロ野球は面白くない。」
 「いやいや、他のチームが巨人と対等に争ってこそプロ野球は盛り上がるのだ。」
 こういうのが、甲論乙論なのですね。
 評論家のようなことを言って恐縮です。
 どちらも正解だと思います。
 川上監督の指揮のもと、日本シリーズ9連覇を成し遂げた時代の巨人は、“巨人・大鵬・たまご焼き”と宣伝され、圧倒的な強さを誇っていました。高度経済成長のシンボルでもありました。
 オールド巨人ファンにとって、長嶋選手が入団した昭和33年から引退した昭和49年頃までが、“最もすばらしかった時代”ではないでしょうか。
 ひたすら豊かになりたいと日本全体が同じベクトルで右肩上がりをめざしている時には、強い存在がないとおさまりがよくないのかもしれません。
 打倒巨人を旗印に、古葉、野村、星野、落合、岡田監督が巨人と戦ってきたその後の時代も、これはこれでプロ野球人気を盛り上げてきました。
 ところで、2007年3月にNHK放送文化研究所が「日本人の好きなもの」という世論調査を実施しました。
 見るスポーツで好きなものは、トップがプロ野球です。以下、高校野球、フィギュアスケート、マラソン、駅伝、サッカー、バレーボール、相撲、ゴルフ・・・・・・・と続きます。
 そして、プロ野球チームの人気度は、1位巨人27%、2位阪神17%、3位ソフトバンク12%、4位中日7%です。
 地方別にみると、かなり特色が出てきます。
 北海道・東北・・・・・・・・・巨人31%、日本ハム22%、楽天17%、阪神9%
 東海・北陸・・・・・・・・・・・中日25%、巨人25%、阪神12%、ソフトバンク5%
 中国・四国・九州・・・・・・ソフトバンク31%、巨人22%、阪神16%、広島12%
 関東・甲信越・・・・・・・・・巨人33%、阪神10%、ソフトバンク8%、西武7%
 近畿・・・・・・・・・・・・・・・阪神49%、巨人16%、ソフトバンク6%、オリックス4%
 まだまだプロ野球人気も捨てたものではありません。
 近畿地方の阪神の圧倒的な人気、日本ハムや楽天のように本拠地を移したチームのその地方での人気等特徴が出ています。
 甲論乙論あってこそプロ野球人気も続きます。
 それにしても、人気ナンバーワンの巨人にもうちょっと頑張って貰わないと・・・・・。