政治家は昔も今も同じか? | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

政治家は昔も今も同じか?

 「政治家の生き方」(古川隆久著 文春新書)という本に、興味深いというか面白いことが書かれていました。
 明治の著名な文筆家内田魯庵の社会批評小説集「社会百面相」の中に、1901(明治34)年に書かれた「代議士」という、老代議士と書生らの会話に託して政治家批判を繰り広げている作品があります。
 その中に、「政党者流ぐらい下らぬ者はない。多数だと多数を頼んで好き勝手な悪事をする。少数だと意気地なく腰が抜けてしまう。今の政党は主義というより利益を見て集まるんですから政治上には烏合の衆です。」などとあります。
 ただし、魯庵はちゃんと、「もっとも一般に公徳の欠けておる国じゃからひとり代議士を罰するわけには行かぬ。」というように情状酌量はしていますが。
 1998年(平成10)年に、アメリカ、イギリス、日本で行われた世論調査によれば、「不正をする政治家は多い」と答えた比率は、アメリカ、イギリスでは3割程度ですが、日本では7割5分に達したといいます。
 とまあ、書かれているのです。
 政治家は、日本では今も昔も変わらないと受けとめるだけでは寂しいものがあります。
 自戒を込めて申し上げれば、政治家は自分が思っている程、世間では評価されていないことを常に意識し、反省することが根本だと思います。
 自己評価は他者評価(周りからの評価)より甘いのは世の常ですが、政治家は特にその傾向が強いのです。
 19年間この世界で活動してきての実感です。