閑谷学校「あいうえお論語」(その1) | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

閑谷学校「あいうえお論語」(その1)

 閑谷学校「あいうえお論語」は、財団法人特別史跡旧閑谷学校顕彰保存会が編集し発行したものです。
 平成19年10月に第一刷を発行し、すでに2万部を突破したというのですから、“隠れたベストセラー”です。
 森崎岩之助理事長(元岡山県教育長)の巻頭の言葉です。
 「現在目にする閑谷学校の姿は、池田光政の遺志を大事にした次の藩主池田綱政と、初めから学校の建設を指揮してきた家臣の津田長忠(ながただ)によって、1701年(元禄14年)に完成されたものです。
 300年以上の歴史をたたえた庶民教育の殿堂が、昔のままの形で残され、しかも現在も国宝の講堂からは日々論語朗誦の声が響いているというのは、ここ閑谷学校だけなのです。
 この「あいうえお論語」は、論語およそ500章の中から、その意味するところをよく理解してほしい、そしてその章句に込められているものを実際の生活の中で生かしてほしい、と思うようなものばかりを選び出しました。
 なんどもなんども大きな声に出して読んで下さい。
 歯切れのよい漢文口調が快いでしょう。
 「読書百遍自(おの)ずから通ず」です。
 ぜひ全部を覚えてしまってほしいですね。」
 そして、「今なぜ、論語なのか。」という問に対して、監修者の森熊男岡山大学教育学部教授は、「おりしも、日本は、中国の春秋時代のごとく、世の行き詰まりと混乱を呈している。自らの人生体験に照らし合わせて、『論語』を味読するとき、共感と多くの示唆がえられよう。」と説かれています。
 平明・簡易な格好の論語入門書です。
 折にふれて、その全容を紹介していきます。