「所信表明演説」とは何を語るものか? | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

「所信表明演説」とは何を語るものか?

 昨年10月27日に、「1万2千9百5文字の真実」との題で、鳩山首相の所信表明演説を取り上げました。
 「教育」の文字が4回しか使われておらず、しかも教育振興には触れていないので、「百万言費やそうとも、今の日本の現状を考えた時、教育についてこの程度の問題意識しか持たない所信表明演説とは一体何でしょうか。」と批判しました。
 菅首相の所信表明演説は、更に酷(ひど)いものです。
 「教育」は2回のみの使用で、勿論教育について語ることはなしです。
 「私は、新内閣の政策課題として、『戦後行政の大掃除の本格実施』 『経済・財政・社会保障の一体的立て直し』および『責任感に立脚した外交・安全保障政策』の3つを掲げさせていただきます。」
 それもよいでしょう。
 「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」の一体的実現に力を入れるのも結構です。
 〈「一人一人を包摂する社会」の実現〉の項では、ホームレス問題を中心に千字近くも費やしているのに、教育については全く触れないのは何故なのか。
教育を抜きにして現在の社会をそして政治を語ることはできないのは誰が考えても自明のことです。
 一体全体、所信表明演説とは何を語るものでしょうか?
 怒りを通り越して深い失望を覚えます。
 毎日新聞と産経新聞は、この点について鋭く衝(つ)いています。
 「地域主権改革、子育て支援、公教育の充実に関する薄味さが特に気になる。」
 (毎日新聞)
 「国家百年の計といわれる教育問題に関し、ほとんど言及がない点も気になるところだ。やはり演説で教育にあまり触れなかった鳩山内閣は、道徳教育の縮小など、民主党の有力支持団体である日教組の政策要求にそのまま押し流されただけに懸念される。」(産経新聞)