自衛隊は「便利屋」や「暴力装置」か? | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

自衛隊は「便利屋」や「暴力装置」か?

 17日に、昭和50年頃、在日フランス人ポール・ボネさんの見た
「不思議の国ニッポン」の自衛隊編を紹介しました。
 「背筋が寒くなる状況」と書いた現在について、核心をつくような
今日の「産経抄」の全文を紹介します。
 産経抄
 イラク復興支援のため陸上自衛隊が派遣されていた7年あまり前のことである。
部隊を派遣していた札幌の第11師団が、駐屯地のある札幌市などの首長に、
テレビ電話で派遣隊員を激励してくれるよう頼んだ。ところが札幌市長だけが
断るということがあった。
 自衛隊の派遣に反対で「テレビ電話に出て誤解されてはいけない」という理由だった。
だがこれには自衛隊員だけでなく、札幌市民からもブーイングが起きた。
何しろ札幌の観光の目玉である雪まつりは、雪像作りをはじめほとんどが自衛隊に
「オンブにダッコ」だったからだ。
 この市長の冷たさは国民、特に革新陣営が創設以来、自衛隊に送る視線の象徴の
ようなものだ。
災害をはじめ困ったことがあると、当然のように出動を要請する。ところが本来の
自衛隊の任務に対してはまるで理解しようとせず、日陰者扱いしてきたのだ。
 今回、政府による福島第1原発周辺への派遣にもそんな「ムシの良さ」が感じられる。
自治体庁舎に限り放射性物質の除染に当たらせるという。むろん除染は
急がねばならないが、民間でも可能という声もあり、なぜ自衛隊なのか
ハッキリしないからだ。
 それだけに内部から「政治家はわれわれを道具としか見ていない」「便利屋ではない」
という不満も聞かれるという。自衛隊を「暴力装置」と言ってのけた人がいまだに政権の
中枢にいる。そのことへの不信感が根強いからという気もする。
 今日の「勤労感謝の日」に、民主党政権が最も感謝していいのは、大震災で獅子奮迅の
働きをした自衛隊員たちに対してだ。そしてそれ以上に大切なのは、国を守るという
本来の任務の尊さを、正しく評価することである。