おせち(御節)料理 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

おせち(御節)料理

 おせち料理というと正月料理のことですが、元々は正月だけでなく五節句の料理も
おせち料理と称したようです。
 我が家では、12月30日、31日と2日がかりで妻と娘が手作りでおせちを作りました。
 元旦に家族全員揃って、一年の計を語りながらいただくのが習わしです。
 おせち料理や赤飯は、日本の風土に根ざし、その込められた「願い」とともに節目節目に
食べ継がれてきた伝統食です。
 しかし、飽食の時代や核家族化はその思いの継承の機会を奪い、「伝統」の二文字を
置き去りにしようとしています。
 日本の家族の年末年始のイベントを調査してきた広告代理店「アサツーデイ・ケイ」
によると、おせち料理は、「作る料理」から「買う料理」へ変容しているだけでなく
「正月用に体裁を整える料理」になりつつある現状が報告されています。
 そこには、感謝や祈り、子どもに伝えるべき生活に根ざした価値観などはなく、
心の部分が置いてけぼりにされる伝統食が透けて見えます。
 いまや「飽食の時代」から「亡食の時代」とさえ揶揄(やゆ)されているのも、
むべなるかなです。
 文化は生活に根ざして作られていきます。
 食は文化をはぐくみも壊しもすることを忘れてはなりません。
 平成17年に施行された食育基本法は、必要で最低限の食文化の
“盾”となりうるでしょうか?