かみなか農楽舎 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

かみなか農楽舎

 福井県は人口81万人弱(全国43位)で、敦賀市以南を嶺南(れいなん)、
越前市以北を嶺北(れいほく)と呼びます。
 嶺南はかつての若狭藩、嶺北は越前藩に相当します。
 農業生産法人 有限会社かみなか農楽舎は敦賀市に近い若狭町にあります。
 平成13年10月に町50%、地元住民30%、企業20%(計1915万円)を
出資して設立され、「都市からの若者の就農・定住を促進し、集落を活性化する」
ことを大きな目標にしています。
 その前提として、「本当に目指すのは地域活性化であり、そのためには
農地保全と後継者の育成が重要」との問題意識がありました。
 研修棟、倉庫棟、花卉ハウスの建設や農業用機械の購入等の事業費
4億7千5百万円は、国・県・町の補助でまかないました。
 研修生は、2年間共同生活(研修奨励金1年目月5万円、2年目7万円)の
中で、農業技術を習得するかたわら、地元の方との交流も深めます。
 驚くのは、卒業生28名全員が農業に従事し21名が町内に定住していることです。
 研修生同志の結婚も4組あります。
 農楽舎の代表者、卒業生、町の担当課長、職員の応答は、
気負いもなく自信に満ちたものでした。
 水田を中心にしたこの事業は、若狭町だけという特殊条件はなく、
その意味では、どこでも可能性のある成功モデルといえます。
 だからといって、真似して簡単に出来るとも思えません。
成功は、研修生、指導者、地域住民、行政職員など多くの関係者の
汗と知恵(熱意、信頼関係、創意工夫)の集大成だからです。