渋沢栄一と興譲館 | 小田春人オフィシャルブログ「先人に学ぶ 産業と教育の復活」

渋沢栄一と興譲館

 岡山県指定史跡、興譲館校門には1912年(明治35年)、渋沢栄一が揮亳した
「興譲館」の扁額が掲げられています。
 余り知られていませんが、東京王子駅近くの飛鳥山公園の一角に
「渋沢栄一資料館」があります。立派な建物です。
 その資料館には、興譲館校門と阪谷朗廬の写真が展示してあります。
 渋沢栄一と阪谷朗廬の出会いと深い交流が成せる業で、初めて見た時、
嬉しくもあり誇らしい気持ちになったものです。
 渋沢栄一は、「日本資本主義の父」と讃えられ、日本を形作った500の企業と
600の慈善事業の創設に関与しました。
 「論語と算盤(そろばん)」を書いたが如く、「経済道徳合一主義」と称した
その経済思想は、営利の追求も資本の蓄積も道義に合致するものでなければならない
というのがその核心です。
 論語を生き方の中心に置いた点でも、渋沢栄一と阪谷朗廬は相通じるものがあります。
 近年、渋沢栄一に関する著書が幾つも出版され、関心と注目が集まっているのも
現在の混迷状況が背景にあると言えます。
 手元にある最近の本を紹介すると。
 「渋沢栄一男の器量を磨く生き方」(渡部昇一著 致知出版社)
 「渋沢栄一『論語と算盤』が教える人生繁栄の道」(渡部昇一著 致知出版社)
 「論語と算盤」(角川ソフィア文庫)
 「現代語訳 論語と算盤」(守屋淳訳 ちくま新書)
 「渋沢栄一の『土魂商才』」(古川順弘著 中経文庫)
 「渋沢栄一 100の訓言」(渋澤健著 日経ビジネス文庫)
 「渋沢栄一『明日の不安』を消すにはどうすればいいいか?」
  (大下英治著 知的生き方文庫)
 91歳の長命で、晩年「自分の人生を顧みて婦人関係以外は天地に恥じるものはない」
と語っていたとされる渋沢栄一の人間味溢れる人生はどの本を読んでも伝わってきます。