自分は無職のおっさんだ。
今はバイトすらしていない。
自分は、やたらとインバウンドの外国人に話しかけられる。
ここに行きたいんだが道を教えてほしい、というケースが多い。
正直めんどくさいが、日本の印象が悪くなるといけないので、
つたない英語で教えてあげている。
ただ、やはりめんどくさい。
なので話しかけられないように最近はサングラスをするようにしている。
見た目は色黒、茶髪でガタイのいい、サングラスをかけたおっさんになる。
なかなか、やばいビジュアルだ。
おかげで外国人に話しかける事はほぼなくなった。
先日、居酒屋のカウンターで一人飲みをしていた。
カウンターで、ちびちび酒を飲みながらYoutubeを見るのが、マイブームなのだ。
その居酒屋は、老夫婦の二人でやってる小さい店だ。
年季の入った外観のせいか、なかなか入りづらい店構えだ。
初見では入りずらいが、常連さんで成り立っている店なのだ。
自分は常連というわけではないが、料理が美味しいのと、居心地がいいので
1か月に1度ベースで通っていた。
その日も自分はカウンターでちびちび飲んでいた。
早い時間なので、自分と常連らしいおじいちゃんの二人しかいないかった。
すると、店のドアが開く音がして、
店員のおばあちゃんが「いらっしゃい」と言ったまま固まっていた。
なんかおかしいな、と思ってドアを見ると、
そこには若い白人男性がニコニコしながら立っていた。
おばあちゃんは困惑している。英語できないからどうしよう、という感じ。
そもそもインバウンドの客が来るような店ではない。
日本人だって入る事を躊躇するような店なのに、外国人が来るなんて。
おばあちゃんは、困りながらも日本語で「ここどうぞ」と自分の横のカウンターを指さした。
おばあちゃん、なんで、俺の隣に座らせんのよ・・・。完全に俺に押し付けてるやん・・・
外国人はサンキューと言いながら、カウンターに座ってキョロキョロしている。
壁のメニューを見ているのだが、すべて日本語なので、わからない模様。
仕方ないので、外人に日本語出来るか?と英語で聞いたが、案の定できない。
おばあちゃんが、お通しを持ってきた。でも外人にはなぜこれが来るのかわからない。
仕方ないので英語で、これは席料みたいなものです、と英語で説明。
飲み物はビールが飲みたいというので、生ビールをオーダー。
もはやおばあちゃんは完全に俺まかせになっているし、
もはや外人も完全に俺を頼りにしてしまっている。
食べ物は、お勧めを希望したので、焼き鳥、肉じゃが、餃子を頼む事にした。
スペインから旅行で来たらしい。本当は友人と飲みにく予定だったが、
ドタキャンされてしまったとの事。
そして、外国人が帰るまでずーっと相手する事になってしまった。
ただ、ありがたい事に1時間ほどで帰ってくれたが、
仕事のあとみたいな疲労感が残った。
せっかく、居酒屋のカウンターで一人飲みを満喫するつもりだったのに、
インバウンドの客対応で、逆に疲れてしまった。
やはり、自分はインバウンド呪縛から逃れられないのかな・・・。
こうなったら本格的に英語でも勉強しようかな、と思ったのでした。