※以下はネタバレを含みます。それでも構わない方、すでに作品を読んだ方のみ見てもらえたらと思います。また、あくまで僕個人の解釈になります。


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「俺は沼のほとりを歩ゐている」



芥川龍之介『沼』


内容よりも構造面に注目


〇特殊な一人称

芥川龍之介の他作品にはこれまで見られなかった「おれ」という一人称

男だということの強調

もしくは、他の作品にはない主人公像を生み出す効果


〇人称の変化

「おれは」から「おれの死骸は」へ

主観的視点から客観的視点への変化

「おれ」は死んだから、「おれの死骸」が見えるようになった

幽体離脱的な様子を人称・視点の切り替えによって表現


〇反復

「俺は沼のほとりを歩ゐている。」

「昼か、夜か、それもおれにはわからない。」

「沼にはおれの丈よりも高い芦が、ひつそりと水面をとざしてゐる。」

「不思議な世界」

Invitation au Voyage の曲」

作品にリズムを生み出す効果

そして、最終的に「おれ」が死ぬという場面において、読者に一層驚きを与える

反復による単調な流れからの急展開


「おれ」はなぜ沼にいたのか?