昨年の11月19日、富山市で中学生の女子生徒が自ら命を絶ちました。
女子生徒は、不登校だったということで、これを受け、富山県内で不登校の子どもの居場所づくりなどを行う団体が集まり、意見を交わしました。
生きづらさを抱える子どもたちへの支援として大切なことは何か、それぞれが思いを語りました。
※高岡市の「コミュニティハウスひとのま」を運営 宮田隼さん「何が大事なのかって言ったら、学校に行く行かないじゃなくて、それよりも、安心して育っていくことなんだよということで、その選択肢の中にこういう団体もあって、学校もあってという話」
今月16日金曜の夜、富山市で開かれた不登校支援について話し合う意見交換会。
県内各地で活動する18の支援団体と1個人、あわせて26人が集まりました。
意見交換会は、富山市北部中学校の中学3年の女子生徒が人間関係のトラブルから不登校になり、11月、自ら命を絶ったことを受け、射水市のNPO法人「はぁとぴあ21」を運営する高和正純さんなどが中心となって呼びかけました。
不登校の支援団体は、県内に20以上あるとされていますが、こうした形で集まるのは初めてということです。
※富山市の「switch」を運営 小澤妙子さん「学校が変われば(いま不登校の子どもも)行けるようになるのかといったら、そうではないと私は思っている」
富山市の小澤妙子さんは、息子が不登校になったことをきっかけに、不登校の親子の居場所づくりなどを行う団体を立ち上げました。
※富山市の「switch」を運営 小澤妙子さん「いまうちの息子が言うようになったのは、『学校に行けていない俺はだめだ』って。私何のために活動しているのかなって正直思ったんですけど。やっぱり子どもって、学校しか…学校に行けていない自分というのを本当に否定しているんですよ。そういう世の中が、やっぱりとても苦しい。親として見ていても苦しくて」
『登校できない自分を否定する…』小澤さんの発言に同調する声が上がりました。
高岡市で「コミュニティハウスひとのま」を運営する宮田準さんも、10年以上にわたる経験から同じ思いを抱いていました。
※高岡市の「コミュニティハウスひとのま」を運営 宮田隼さん「未だに僕も(運営する)『ひとのま』で『不登校の子どもは遊んでるんじゃないか』『怠けているんじゃないか』と…(言われてしまう)。でもそれは、何のためにやっているのかというと、ここじゃないと死にそうになってるんだから。そこを、説明しなくてもわかるという(社会にしていく)ことが大事だと思っていて」
※砺波市の「みやの森カフェ」を運営する水野カオルさん「学校に、こうしてください、ああしてください、先生たち変わってよ、という以前に、社会をつくっている大人一人ひとりが価値観を見直したり、本当に多様性ってどんなことかというのを自分の中に落とし込んで、それが実行できる大人になっていかないと、本当に子どもに向き合えないんじゃないか」
学校以外の選択肢、そうした学び方・居場所の在り方について社会全体で理解を深める必要性を訴える声が目立ちました。
今回の集まりを呼びかけた高和さんは、今後も団体同士が活動や方針を共有する場を継続して設けたいとしていて、それが支援の充実につながると話します。
※射水市の「はぁとぴあ21」を運営する高和正純さん「お互いの持っている意見や情報を交換することが、全体の質の良い支援につながっていくかなと。子どもの命とか人権を守れる態勢というか、雰囲気をつくっていければと」
そして、今回集まった中から賛同する団体が連名で、12月26日、新田知事に要望書を提出することになりました。
多様な学びの重要性が盛り込まれた「教育機会確保法」の周知徹底や、安心できる居場所設置の推進などを求めていくことにしています。