「過剰適応」は、「過剰」と「適応」の組み合わせで成り立っている言葉です。
辞書で調べると、「適応」は、『ある状況に合うこと。また、環境に合うように、行動のし方や考え方を変えること』を言います。「過剰」は、『適当な分量や程度を越えていること。多すぎること。また、そのさま』を意味します。(※大辞林より引用)
つまり、「過剰適応」は、「ある状況や環境に合うように、行動の仕方や考え方を変えることが、適当な分量を超えていること」であり、「過剰な適応」や、「適応が過剰」な状況をさしています。
「過剰適応」傾向のある方は、外界や他者にあわせすぎて無理をする、そのやり方が、「習慣的」に、「反射」のように、身についていて、心の柔軟性が欠いた状態になっていることがあります。
自分らしさが失われても、なお適応しようと無理をして、他人に合わせすぎるため、外界でふるまっている自分と、心の内面に次第にズレが生じて苦しんだり、不満をためたり。自分はダメだと一方的に思い込むこともあります。
あるいは、精神的に緊張の強い状態がつづいても、無理していると気づかず、慢性的な疲労感や、抑うつ感など、心身の不調を伴ってくるような場合もあります。
場合によっては、人と会うこと自体を避けるようになり、職場や学校を変えることにつながることもあるでしょう。
♯「過剰適応」する理由・背景に考えられること
なぜ、自分の気持ちをほとんど脇においてまで、環境にあわせようとするのでしょう。
いろいろな理由・背景が考えられますが、気持ちの上では、できるだけ人との衝突を避けたい、なるべく場の空気を乱したくない、誰かが嫌な思いをしたり、誰かを傷つけるのではないか。そして、嫌われるのではないか、怒られるのではないか、といった恐れ、怯え、不安などを、慢性的に抱いているなどの理由が考えられます。それは、本人がその気持ちを、自覚している・いないに関わらずです。
背景には、年齢の幼い子どもの頃、家庭や家族に、病気、事故、転居、出産、離婚、再婚、死など、大きな変化となるような出来事があったり、両親の不仲や暴力、依存症など、家庭になんらかの機能不全の状態があるなどして、親・きょうだいを助けるため、常に人の気持ちをくむよう配慮したり、家族を守る環境側となって、他者を支える立場にあることを、意識せずに選択してきた場合、自分よりも他者を優先する適応方法が、身についたとも考えられます。
また、親の強い理想に応えることを優先させてきた方にも、「過剰適応」の傾向がみられる場合があります。
過剰適応②へつづく