【偽りの自己】と【真実の自己】 | 心理面接室O.C.WORK『過剰適応あるある。』ブログ

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自分を押し殺し、周囲に合わせすぎて、苦しいあなた。『過剰適応』していませんか? 
『過剰適応』にまつわる困り感をわかちあい、
ゆるやかな緩和を目指すために、こころに役立つ情報を紹介するブログです。

「過剰適応」傾向の方に役に立つ、心理学的な考え方や用語を紹介します。

 

【偽りの自己】false self

 

 ウィニコット(Winnicott, D.W.)によって用いられた概念で、「真実の(本当の)自己」を隠蔽し、保護する、防衛的な機能を持った構造を言います。

 

「過剰適応」も一つの防衛的な機能と言ってよいでしょう。

 

母親の不適切な養育や、外界からの何らかの侵襲によって、「抱える環境(holding environment)」が破綻した場合、幼児は環境に服従せざるを得なくなり、「偽りの自己」を発達させると考えられています。

 

その程度はさまざまで、誰もが持っているような社交的な態度に示される健康な場合から、「真実の自己」がすっかり隠蔽された極端な場合まである、とされます。

 

【真実の自己】(true self)

 

 ウィニコット(Winnicotto,D.W.)によって用いられた概念で、外界の刺激に反応して生じるのではなく、生まれたばかりの幼児にもすでに存在し、「自己の中核」となるべきもののことを言います。

 

それは、幼児の自発的な身振りに表現されますが、その表現に適切に応じることができる「ほどよい母親」によって幼児が万能感を満たされると、自我に強さが与えられ、環境への信頼が生まれ、「真実の自己」は生きたものとして発達する、と考えられています。

 

逆に、何らかの理由で、そうした適切な養育が得られず、「抱える環境(holding environment)」が破綻した場合、真実の自己を隠蔽、防衛するために「偽りの自己」が形成される、と考えられます。

 

「偽りの自己」が非実在感や空虚感を伴うのに対して、「真実の自己」は自発性を有していて創造的であり、実在感、現実感を持つことができる、とされます。

 

※引用文献:『カウンセリング辞典』(ミネルヴァ書房 氏原寛ら編)