スタバレ二次創作
ソラリオンクロニクル
~黒夢の魔王城~
👉️アビゲイルを、冒険に連れていく
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アビー「さすがユウ!そう言ってくれると思った!」
アレックス「おいおい、こんなヤツ連れていけるわけないだろ?」
ユウ「確かにアビーの服は、冒険には不向きだけど、工夫すれば、なんとかなる、かも…?」
周囲を見渡す。
セバスチャンが照明のために、光の玉を魔方で出してくれたので、部屋の中に何があるのかわかる。
暗い夜の石畳の城。赤い絨毯がひかれ、豪奢な燭台とシャンデリア、重厚なソファとテーブル、キャビネット、厚いカーテンで閉ざされた窓、絵画、暖炉と飾られた剣…
サムが注意深く調べながら、キャビネットをあける。
サム「これ、使えるんじゃないか?」
キャビネットの中から、旅人の服や靴、革の小さな鎧を取り出し広げて見せてくれた。
アビー「この剣、わたしにピッタリじゃない?」
暖炉に飾られていた剣を手に、にっこりと笑うお姫様。
アレックス「おまえ、戦闘とかできるのか?」
アビー「………………。」
セバスチャン「ステータスを見せてみろ。」
セバスチャンに言われ、アビーは空中に光る画面、ステータスをひらき、みんなで覗いてみる。
セバスチャン「これは………一般NPCとほぼ同じだ。戦闘力は低い。」
アレックス「連れていっても………」
足手まといじゃないか?という言葉を飲み込むアレックス。
アビー「………………。」
ユウを見つめるアビゲイル。
ユウ「…………またなにか、いいアイテムが手に入るかもしれないし、NPCを守りながら冒険するゲームだって、珍しくないじゃん。
本当に危なくなったら、安全な場所に隠れてもらったり、王宮に帰ってもらったりしようよ。」
アビゲイルの顔が、明るくなった。
サム「そうしようぜ!」
セブ「俺もそれでいいと思う。
……いきなりアビゲイルを救出できた。イベント的になにかあるかもしれない。」
アレックス「まぁ、お前達がそういうなら。」
アビー「ありがとう!ユウ!
私、がんばるわ!後悔させない!」
アビゲイルは瞳をキラキラと輝かせ、これからの冒険に意気込んでいた。
*
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身軽な装備に着替え、剣をたずさえたアビゲイルを仲間に加え、一行は冒険を続ける。
大階段の間に戻り、右側のもう一方の部屋へ。
サムは扉を調べ、鍵穴をのぞき、くちびるに人差し指をあて、静かにしゃべるように一同にうながす。
サム「中は食堂だな。オーク(豚鬼)どもが3匹。食事してる。奥に向かって縦長な部屋だ。」
ユウ「奇襲かける?」
一同は静かにうなずいた。
*
*
*
扉は勢いよく開かれた。
セバスチャン「ファイアーボール……!」
間髪いれずに魔法が放たれる。オークの巨体に燃え盛る火炎弾が勢いよくぶつかりはぜる。
アレックス「うおぉぉぉぉっ!」
雄叫びをあげながら戦斧を叩き込むアレックス。オークの首の付け根を豪快になぎ払う。
サム「ヘイヘーイ!!ザ・ペリカンズは最強だぜーー!!♪」
サムがエレキギターをかき鳴らす。バトルソングの魔法んl効果で、仲間の速度・攻撃力・防御力が向上する。
ユウ「ウィンドアロー!」
緑に光る複数の風の矢が、オークの頭部を貫く。
アビゲイル「やったぁ!奇襲大成功ね!」
獣の低い唸り声が地響きのように鳴り響く。
最後に残されたオークは、踏み込むと同時に、手斧を渾身の力でアレックスに振り下ろす!机の食器、食料は撒き散らされ、椅子は音たて倒れる。
戦斧の鉄の柄で受け止めるアレックス。左に流し、返す刃で切りかかるが、浅い。
後ろにさがり、斧の間合いを取ろうとするアレックス。痛みにひるみながらも、よだれを撒き散らしながら咆哮し、体当たりをするオーク。
アレックスはたまらず体勢を崩し後ろに倒れ、オークは無防備な青年に、無骨な手斧を振りあげる。
セバスチャン「アイスランス!」
氷の槍が、オークの首を貫きえぐり、オークはゆっくりと倒れた。
ユウ「アレックス!大丈夫!?」
アレックス「あぁ……大丈夫だ。尻餅をついただけだ。」
アレックスに駆け寄るユウ。
アビゲイル「……みんな、すごい………!」
アビゲイルは声を漏らした。
(いざという時のために、剣を握っていたけど、出る幕なかったな……。)
最後尾で、仲間の活躍を見守るアビゲイルを、物陰から、一匹の魔物が狙っていた。
*
*
*
アビゲイル「いたっ!」
後ろから体当たりをされ、よろめく。
驚き振り返ると、1メートルほどの、まるいスライムがいた。
やんのか!?と言わんばかりに、気性を荒げており、ポムポムと、はずんでいる。
アビゲイル「なにすんのよ、このーーーー!」
ポカポカと戦うアビゲイルとスライム。
支援しようにも、アビゲイルが、スライムと至近距離で戦い、直線上をふさいでいるので、魔法を打てずに、あわあわ慌てるセバスチャン。
アビゲイルの少ないHPに血相を変え、治癒魔法をかけ続けるユウ。
サム「おぉ、アビゲイル!がんばれよー♪」
ギターをジャカジャカ鳴らし、魔法の曲で支援を続ける陽気なサム。
縦に伸びた陣形で、アビゲイルから最も離れ、障害物が多いため、アレックスは見守る事しかできない。
スライムは、脳天への一撃に、きゅぅ…と意識を失い倒れる。アビゲイルが、ぜぇぜぇと肩で息をする中、ステータス画面が空中に開き、レベルアップの音が響いた。
サム「おぉ!オークとの戦闘にも参加したから、一気に数レベル上がったじゃん!やったな!」
セバスチャン「プレイヤースキルも教えていかないとダメだな。」
アビゲイル「やったぁ!レベルアップした!」
ぴょんぴょん跳び跳ねるアビー。MP回復薬を飲みながら、苦笑するユウ。
アレックス「よかったな。じゃあ、俺からお祝いってことで。」
アビゲイル「これなに?」
アレックス「オークが持ってた。ドロップ品だ。」
アビゲイル「ふぅーん?…………げぇ!?」
アレックスから受け取った黒い装備を広げると、黒い猫耳、しっぽ、ひげ、三角ビキニのセットだった。
セバスチャン「あぁ、それはキャットガール・セットだな。女性専用装備のアクセサリー。敵が低確率でドロップする。獣人並みに敏捷性、回避率、聴覚視力嗅覚などが大幅に上がるし、防御力も攻撃力も上がるぞ。色んなカラーがあるが黒はドロップ率が高い。類似アイテムで、バニーとか、犬とかもある。男性用にも、キャットボーイ、バニーボーイ、ドックボーイなどのセットがあって」
アビゲイル「うぅ、ステータス上がるのかぁ……どう?変じゃない………?」
黒い猫耳、猫鼻、ひげをつけ、アビゲイルが、ユウにたずねた。
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