3日間の様子 | 今日も感謝感激雨霰この際槍でも鉄砲でも降ってきやがれって降ったら困るがなるようにするしかないでしょね
芸術銀河舞台ワークショップの一環として行ってきた3日間の演劇ワークショップ。
企画募集の話があったときに、演劇の力をいろんな人に感じて欲しいと思い、今回参加してくれた知的障害者施設へこの機会にと声をかけた。
演劇ワークショップについて全く知らない施設職員の方は、最初戸惑われていたけど、私の熱意に負けて承諾してくれた。
日が近づくにつれて徐々に期待が高まって、とても楽しみにしてくれた。
私自身、のぞみ苑以外の知的障害を持つ方々と演劇ワークショップをするのは初めてで、どこまで出来るかなんて自信はひとつもないものの、演劇で今まで培ったものと演劇の力が起こした小さな奇跡の数々はきっと裏切らないという変な自信があった。
今回のワークショップだけじゃなく、いつも初めて参加する方々とやる時は緊張はするんだよね。
場所によって、参加者によって、またはその回ごとに雰囲気も進行具合も違うからね。
毎回が真剣勝負、勝ち負けじゃないけど。

はっ!!!前置き長い。
で、今回の3日間の様子はどうだったのかを少し紹介。
今回の参加者は、施設内で参加募集をして希望してくれた方15名と施設職員が交代で各回3名ずつということだった。3日間のべ48名。3日間通して参加してくれたのは11名。
ファシリテーターは私で3日間のアシスタントにMEGとIWASHI、補助にM代さん。2日目だけ野々下さんと殿下に入ってもらった。3日目は県からの担当者2名にも参加してもらった。
会場はコミュニティーセンター小さくもステージがあるフラットな床にカーペット敷きのホール。

3日間のプログラム
◯軽運動(深呼吸や柔軟体操・導入のシアターゲーム)
◯のぞみ苑オリジナルフルーツバスケット
◯喫茶店即興劇
◯クールダウン
ざっくりとくくるとこんな内容。
それぞれの中身は、1日目から2日目3日目と足したり引いたり難易度を変えたり。

一日目の様子は三日前に書いたように、ワークショップ開始直後の深呼吸や軽運動では半分ぐらいの方が表情が強張っていて、動きも小さかった。
しかし、自由に歩いて目が会ったら挨拶しながら両手タッチとか、動物になって歩き回って挨拶がわりのボディタッチ、輪になって隣の人にボールを回すとかゲームをやっている内に全体の雰囲気が和んできた。
フルーツバスケットに入ると、これはみんなで輪になって椅子に座り、真ん中に一人リーダーが出て指示をするという形なのだけど、一回の説明でリーダーに挑戦したいという方が出てきたのはびっくりした。楽しみながらスムーズに進行できた。
喫茶店即興劇は、長テーブルとパイプ椅子を使い、台所カウンターとお客様のテーブルとしただけのセッティングに、茶碗・皿・コップ・ハシ・ナイフ・フォーク・スプーン5セットを用意、アシスタントが喫茶店マスターになり、コックと配膳係を募集して開店させた。お客様役は、様子を見ながら私やアシスタントが参加者を促し一緒に行ってみるという形。一日目は仕方なくお客さんになってみるという感じだったかなぁー。
クールダウンでは、床に輪になって座ってゆったり静かに感想を聞いた。それで、三日前にこれも書いたけど、時間が5分余って終わりにしても良かったんだけど、あと5分あるけどどうしようかと聞いてみたら、何かやりたいという声がでたので、拍手回しを取り入れた。本当は拍手回しはプログラムに入れていなかった、拍手回しは受け入れない方がいるとしらけてしまう可能性があったからなのだけど。そこまでの様子でこのメンバーでならいけそうだなと判断。一周目、5人ぐらいが参加出来なかったが、気にせずに2周3周続け5周する内に3人まで参加するようになった。そこまでで時間にもなったし、拍手がテンポ良く繋がってほど良く盛り上がったので、そこで終わりにした。
帰り際の表情は、とても明るい柔らかな顔に変化していて、こちらも無事楽しんでもらえたのではないだろうかとホッとして一日目を終了する事ができた。

2日目、会場に入ってくる参加者の表情は明るい。中には1日目とは性格が変わったかのように積極的に話しかけてくれる方もいて、リラックスしてきてくれたことがよく感じられた。
軽運動は、前日とほぼ同じ内容柔軟体操を行って、ゲームは前日に少しアレンジしたものと新たなものをいれたが、素直に受け入れ楽しんでくれたし、反応が前日とは変ってパワフルになってきた。
フルーツバスケットも説明する前からリーダーに数名の立候補の手が上がったりしていた。
勢いのままに、フルーツバスケットのあとに輪になったままで、見立て遊びを取り入れた。輪の中にいくつかの物を用意し、その物を使って本来の使用用途とは違った物に見立てて見せるというゲーム。例えば、掃除機を散歩ヒモにつながれた犬に見立てたり、庭箒をギターに見立てたり。これは、説明もうまくできていなかったか、見本でアシスタントにいくつかやってっもらうが、ちょっと盛り上がりにかけたかな。
それで、気持ちも新たに喫茶店即興劇へ。こちらは昨日の様子を見ていて、楽しみ方がわかったようで、かなり積極的に参加してくれた。本当は何も書いていないメニュー表がわりのバインダーをみながら、それぞれが好きな物を注文し、ウエイトレスはコックの一押しメニューをおすすめしてみたり、思いもよらないメニューが注文されたり。だいぶ慣れてきたようなので、お店を変えて新しいレストランでまたコックとウエイター募集して開店させると、1日目と1回目は観客でいた方もレストランのお客さんに参加してくれた。むふふ、楽しいなぁー。
クールダウンではまた輪になって床に座り、ゆったり静かに感想を聞く。そして、最後にまた拍手回しをしてみた。前日は拍手を完全拒否していた方が参加してくれたり、5周目にはテンポが崩れながらも全員拍手を繋げてくれるようなので、一旦止めて、仕切り直し反対周りにしたら、綺麗に拍手がテンポ良く繋がった!!これはとっても嬉しかったなぁ。

3日目、すっかりお馴染みのよう。
軽運動、柔軟体操後のゲームはまた少しアレンジが入るもお手の物、チャレンジ精神みなぎっている様子で、さらにパワーアップして参加してくれている。
オリジナルフルーツバスケットは本来名前の通りフルーツをお題に使うが、今日は乗り物。オリジナルフルーツバスケットのネタはのぞみ苑さんからお借りしていたのだけど、いろいろなネタの中から借りていていたのはフルーツと乗り物だったのだ。で、3日目乗り物ネタでも動じることなく、楽しんでくれていた。
見立ては前日を踏まえ、とにかく私やアシスタントでまずは次々見立てて場を盛り上げ、その流れで模倣でも出てきてくれることを狙ってみた。すると、見立てた物を当てて叫んで教えてくれる方が出てきたり、模倣で自信満々に出てきてくれる方がいたりと、全体で盛り上がることができた。
喫茶店即興劇は、二日間フラットな床面でセッティングしていたが、だいぶ積極的なので思い切ってステージ上にお店をセッティングしてみた。見る見られるという形がはっきりするけど、それでもみんなはもう楽しめるだろうし、ステージに上がるだけでも自信に繋がって行くのではないかと思って。
クールダウンでは、また床に座ってゆったり静かに感想を聞き、また職員の方やアシスタントからも感想を話し、終了した。保護者の方から楽しかったようだとずいぶん報告があったようで、うちに帰ってもワークショップの感想を伝えるくらい楽しんでくれたのだと嬉しかった。
帰り際、職員の方に、何名かの日常では見られない姿(できないと思っていたことをやっている姿など)がこのワークショップで見られたことが面白かったと言われた。

1日目から2日目、2日目から3日目、徐々に変化してパワーアップしてくれたように、チャレンジ精神をみなぎらせてくれたように、このワークショップをきっかけに、少しでも日常で豊かな生活に繋がっていってくれたらいいなと願う。


この演劇ワークショップが開催できたことを感謝します。
県の担当の方、10-BOX、アシスタントで入ってくれた皆様、このワークショップを受け入れてくれた施設の皆様、参加してくれた皆様、ありがとうございました。
また、機会をつくって、楽しくやりましょうね。
これからもよろしくお願いします。