K モロウ

 

コミュニカティブ アプローチ (1984)

オーディオリンガルメソッドの反省からできた

 

目から学習するのではなく、
出来るだけ現実に近い形で言語活動を体験させることで、

学習者のモチベーションアップとコミュニケーション能力のアップを狙った

 

5つの原則

原則① クラス活動では、今‘何を’しているかを知っていなければならない
 教師も学習者も、今行っているクラス活動は、実際の(クラスの外での)

 コミュニケーション活動でどんな場合に役立つかを知っていることであり、

 ある課を勉強したら、語彙や文法の知識が増えただけでなく、

 新たに‘何が’できるようになったのかを考えることである。
これが、実質的なコミュニケーション能力を養成するために大いに役立つものである。

原則② 言語の部分を学習するだけでなく全体にも目を向けなければならない
 実際のコミュニケーションでは、やりとりされる‘文’が次々に飛び交って、

 互いに支え合いながら、意志の交流が進められていくものである。
 文脈‘全体’の‘流れ’の中の要素としての‘文’の意味を把握できるようにならなければならない。

原則③ コミュニケーションでは、伝達過程は言語形式と同じ位重要である
 学習者のコミュニカティブな言語伝達能力を育成するためには、

 できるだけ実際のコミュニケーションの過程(伝達過程)をまねて

 練習させることが大切で、そうすることによって、

 場面に即した目標言語の伝達パターンが習得できるからである。 
a. インフォメーションギャップ
 実際のコミュニケーションでは、ある情報を知っている人と知らない人との間で、

 その情報の差、つまりインフォメーションギャップを埋めるための

 ‘やりとり’が行われることが多い

  一方が知っていることを他方が知らない (ゲーム、タスクワーク、ロールプレイ)

b. 自由な選択
 実際のコミュニケーションでは、それぞれの話し手は、

 自分が何をどう言うかについて選択できる(しなければならない)。

 参加者が自分が何を言うかどうかを選択する自由

c. フィードバック 対話
 実際のコミュニケーションでは、参加者はそれぞれに、

 会話に参加する‘目的’があるはずである。

 クローズド クエスチョン (Yes, No)

 オープン クエスチョン (なぜ?どのように?)

 ディスプレイ クエスチョン (聞く側が答えを知っている)

原則④ 言語を学ぶには経験することが大切である
 言語の伝達能力が強化されれば、インフォメーションギャップを埋めたり、

 相手からの情報入力に対して自分の選択を行ったり、

 相手の発話を評価してそれに対して自分の発話を調整したりすることができるようになるが、

 そうした伝達能力の強化のためには、実践に近いコミュニケーションを多く経験することが大切である。

原則⑤ 学習者の犯す誤りは必ずしも誤りではない
 コミュニカティブ・アプローチに対する、主たる批判の一つは、

 コミュニケーションの成立を重視するために、学習者の誤りを見過ごしていて、

 誤りを増加させている、ということであるが、

 学習者が誤りを犯すのは二つのケースがあると言える。
 

 

キーワード

オーディオリンガルメソッド

第二言語習得

ジョンソン