アメリカは訴訟大国と言われています。

そんな背景もあって、弁護士と話をする機会が多いです。

 

僕もこれまでの経験で、訴訟を提訴されたり、

弁護士からのクレームレターを受けたり等々、

法的な案件の対応を迫られた経験が多くあります。

 

そのような経験を通じて学んだのは、

「経済合理性」と言う考え方です。

 

もちろん、きちんと道理に適った訴訟やクレームはあります。

その一方で、どう見てもお金目当ての言いがかりが

多いのが実情です。

 

例えば、契約不履行により取引を解消された相手が、

腹いせに逸失利益を求めて訴訟を提起したり。

就業規則違反で懲戒解雇された元従業員が、

弁護士を雇って、就業期間中の慣行に

クレームを付けてきたり。

 

最初の頃は、言われもない訴訟を提起されたり、

クレームを付けられると、「正しいものが勝つ」との

認識で、正義感を持って対応していました。

 

しかし、訴訟や法的なクレームへの対応は、

こちらも弁護士を使う必要があり、費用がかかります。

下手したら、クレームが不当だとしても、

請求されている金額以上の弁護士費用を要する時もあります。

仮に訴訟を起こされ、仮に自社側が勝ったとしても、

相手側からは訴訟対応費用の補償を受けられないことも

あります。そうなると全額が自社の持ち出しです。

また、訴訟となれば、弁護士との打合せ、出頭等、

何かと拘束されるので、時間コストも考慮する必要があります。

 

つまり、正義感だけで対応していると、出費ばかりが嵩み、

それが経営の大きな負担になり得ます。

 

となると、言われのない理不尽な内容の訴訟やクレーム提起だと、

内容次第では、さっさと請求額を支払い、権利放棄書に署名を

取り付けて、クローズする方が効率的な場合が少なくありません。

 

私も初めてこのような判断に迫られた時は、腑に落ちず、

釈然としませんでした。

 

「なんで言われもいちゃもんをつけられて、

こっちが金を払わないといけないんだ!」

 

と。

 

でも、会社にとっての経済合理性を考えると、仕方ありません。

 

企業がこのような対応を取るため、そこに漬け込んで、

とりあえずお金目当てでクレームする人達や

成功報酬制でそれを煽る弁護士が出てくるのも事実です。

自分達の判断が社会に何らかの悪影響を与える一因に

なっているとも言えます。

これを考えると複雑な思いでしたが、自社を守るために、

このような判断も必要だと自分に言い聞かせました。

 

日本と比べると、アメリカではこのようなケースに

遭遇する確率は高いです。

読者の方が、アメリカでのビジネスに関与する際は、

頭の片隅に置いておいて下さい。

アメリカでの就労と滞在が長くなって来ると、

日本では当たり前だと思っていたことでも、

違和感を感じることが出て来るようになりました。

 

その一つが、

 

「管理職」

 

と、言う呼び方です。

 

僕はアメリカで立ち上げた子会社で社長に就き、

しばらくは中間管理職は無しのフラットな組織でした。

最初は、フラットな方が運営しやすかったためです。

しかし、職務グループをや従業員数が増えると、

フラット組織の限界を感じたので、各グループに

管理職を置きました。

 

管理職の人たちと仕事をしていてふと感じたのが、

 

「自分は管理職に何を期待しているのだろう?」

 

と、言うことです。

 

もちろん、指導もして欲しいですが、

それよりも期待するのはリードすることだと感じました。

 

例えば、

 

・会社の方針に沿って、職務グループをリードする

 

・部下を適切にリードして、育成する

 

と、言ったことです。

 

そう考えると、「管理職」と言う呼び方に違和感を

感じるようになりました。

また、適切に職務グループや部下をリードしてもらうには、

ある程度の裁量が必要なので、権限移譲を進めました。

そうすると、最初の頃は、日本の親会社から

 

「管理職にそこまでの権限を移譲する必要あるの?」

 

と、疑問を呈されました。

 

やはり、「管理職=管理する人」と言う考え方が

根強いのだと感じました。

長年のビジネスカルチャーの影響だから、仕方ないんでしょね。

 

でも、「管理」が最重要の職責だとしたら、

恐ろしいことになり兼ねません。

 

方針・戦略は経営層の責任として、戦術の実践は管理職の

責任だと思います。もし、ここで、「管理職」が

 

間違えた戦術を敷き、

間違えたプロセスを

正しく管理したら、

 

その職務グループの行く末はどうなってしまうのでしょう?

残念ながら、高確率で失敗です。

 

やはり、職務グループを率いる以上は、正しい管理の前に、

正しい統率が優先されるべきです。

 

となると、「管理職」と言う呼び名は不適切ですし、

その職務を担っている人にも失礼にあたるのかも知れません。

 

「正しく率いる」ことが何よりも重要なので、

まだ「リーダー職」、「統率職」のような呼称にした方が

実際の職務を適切に表していると思います。

また、その地位に就く人も、自分の職責を理解しやすいはずです。

 

皆さんは、「管理職」と言う呼び方についてどう思われますか?

 

僕自身は、組織を率いる立場にある限りは、

「管理する人」ではなく「正しくリードする人」で

常にありたいと思います。

ES、CSと車のモデル名のような感じですが、

車の話しではありません。

 

Employee Satisfaction(従業員満足)と

Customer Satisfaction(顧客満足)の

どちらを優先すべきかと言う話しです。

 

もちろん、どちらも重要です。

でも、あえて優先順位をつけるとすると、

どちらがより重要なんでしょう?

 

ある時、僕が以前に経営していた会社で、

アメリカ人スタッフから、

 

「あんたは顧客満足が重要だと言うが、

自分達は処遇に満足していない。

そんなので顧客を満足させられる訳ないので、

まず従業員満足を優先すべきではないか?」

 

と、指摘を受けました。

さすがアメリカ人です。

痛いところをはっきりと突いてくれます。

重たい内容だと受け止め、考えさせられました。

 

確かに自分が満足していないのに、

率先して他人を満足させられないかも・・・

 

でも、給与額=従業員満足とするならば、

ない袖は振れないし・・・

 

等々、いろんなことを考えました。

 

でも、行き着いた結論は、やはり

「顧客満足優先」で間違いないと言うことでした。

 

顧客満足を追求すれば、必ず業績は伸びるはずです。

業績が伸びれば、みんなも達成感による満足を得られます。

また、昇給・賞与も原資も増えるから、金銭的満足も増える、

と言う理解で、間違いないと確信しました。

 

そして、金銭が最も大きな満足度のモノサシと

思われるようなカルチャーしか作れていなかった

自分の責任を痛感しました。

 

そのため、押し付けがましいと思われることを覚悟で、

価値観についての啓蒙活動を始めました。

金銭も重要ですが、それだけではなく、最も重要なのは、

仕事を通じた自己実現であることを分かって欲しかった。

他者への貢献を通じ、自己を実現して、その結果として、

金銭も付いてくるのだと。

これは、エンドレスの取り組みでしたが、少しずつ

賛同者は増えて行ったと思います。

 

一方で、ない袖は振れないしものの、

従業員満足の向上にも取り組みました。

従業員満足は、金銭だけに限定されないはずです。

頑張りを認めてあげることも、重要です。

誰も自分を認めてくれない上司の下で、

働きたくないでしょうから。

 

更に、働きやすい職場環境を整えることでも、

満足度の向上に繋がることもあります。

形式だけで意味のないルーティンは廃止にしたり、

不用な会議、残業をなくしたり。

これだけでも、満足度のを上げることは可能です。

 

また、産前産後は、時間限定で働けるようにしたり、

子供の都合・行事等がある時、遠慮なく、

有給休暇を取れるようにしたり。

 

育児等、それぞれのライフステージがあるので、

全員一様の就業ルールで縛ることに無理があると思います。

 

いろいろと思考錯誤して、

働きやすさを良くすることによって、

従業員満足を高める方法は、

思ったより色々とあることに気づきました。

 

従業員満足と顧客満足で悩むことは多いと思います。

でも、絶対に優先されるべきは、顧客満足です。

 

従業員満足を優先すると、内向き思考の組織になる

恐れが高いです。

 

顧客満足を優先しながら、金銭面以外でも、

従業員満足を高める方法はたくさんあります。

 

まず、従業員を認めて、仕事には熱心

取り組んでもらいつつ、リーダーとして

働きやすい環境構築に注力するのが得策だと思います。

 

 

 

 

 

もちろん、アメリカの会社にも就業規則はあります。

詳細な内容が網羅されており、記憶不可能です。

何かあれば、訴訟を提起される国なので、

疑義を防ぐために、細かくなるのだと思います。

 

その一方で、職場の雰囲気は自由闊達なところが

多いと思います。

スーツにネクタイの服装よりも、ビジネスカジュアル

もしくはカジュアルのところが圧倒的に多いですし。

また、僕がトップを務めていた会社でも、オフィス内は

ラジオが流れていたりで、日本と比べても

自由でリラックスした環境でした。

 

でも、みんなきちんとやることはやっています。

要は、やることをやって、結果を出していれば、

細かいことはゴチャゴチャ言わない、

と言うことです。

職場とは、大の大人の集まりなので、

僕はやることをやっておけば高い自由度を

残しておくのがあるべき姿だと思います。

 

一方、日本の場合は、「とりあえず◯◯」が

多いような気がします。

 

例えば、

 

社外の人と会う予定がないのに、

とりあえずネクタイとスーツを着用しておく。

 

とりあえず書類にハンコを押しておく。

 

やること終わって、終業時間になったけど、

とりあえずまだ机に座っておく

 

なんとなく本質よりも、体裁を整えるためとか、

今までそうだったから、

と言う理由で「とりあえず」が多いのでは

ないでしょうか?

 

もちろん、職場の秩序を保つためには、

規則や決まりごとは必要です。

ただ、それが行き過ぎたり、本質から

外れている決まりごとであれば、

意味がないと思います。

 

要はバランスの問題で、

 

みんなが気持ちよく働け、

生産性が高まり、

社外の人にも不快感を与えない。

 

が、守られていれば僕はOKだと思います。

 

皆さんは規則と自由についてどのように

思われますか?

 

 

 

この木曜日、アメリカは感謝祭で、木曜日〜日曜日は

四連休のところが一般的です。

 

「そもそも感謝祭ってなに?」と言う方は、

以下のリンクをご参照下さい。

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/感謝祭

 

今では、感謝祭の日も営業している小売店が

増えましたが、一昔前はどこも定休日でした。

アメリカ人にとっての一般的な感謝祭の過ごし方は、

家族で集い、食事をすることです。

感謝祭前日は、移動なので高速道路も混みますが、

当日は車も少ないです。

家で過ごすことが多いので、一年で一番静かな時だと

思います。

 

感謝祭は、アメリカ人にとって、もっとも大きく重要な

祝日のひとつです。

11月の第4木曜日と定められており、記述の通り、

木〜日曜日を4連休にするところが多いです。

 

一方、アメリカでは会計年度をカレンダーイヤーで

運営する企業が多いです。

となると、感謝祭連休の11月後半は、会計年度末

近くでもあり、忙しい場合もあり得ます。

 

でも、上記の通り、感謝祭はアメリカ人にとって、

もっとも大きな祝日のひとつです。

また、日本と比べても連休が圧倒的に少ないため、

こちらの人とっては貴重な連休です。

 

と言う訳で、間違えても、

休日出勤を依頼・指示しないようにしましょう。

かなりの顰蹙ものでしょうし、場合によっては、

彼らの文化を尊重していないと誤解されるかも知れません。

 

「自分だけが働くのであればいいだろう?」と

思われるかも知れませんが、これも従業員に

あまりバレないように気をつけて下さい。

やはり、彼等の文化を尊重していないと思われるかも

知れません。

 

自分が現地の文化を尊重して、実践していること。

また、祝日はしっかり休み満喫することを身を以て

示すことも重要だと思います。

 

現地のカルチャーも尊重しつつ、

ON、OFFの切り替え上手を目指しましょう!

 

会社勤めをしていると、関連会社の社長に

就く機会はあり得ることです。

 

このような機会を見据えて、経理・財務の知識は

早めに習得しておいた方が良いと思います。

損益計算書、バランスシートの構成もさることながら、

実際のお金の動きを表すキャッシュフローについて、

特に理解をしておいて下さい。

 

僕はアメリカの子会社の社長職に就いて、

立ち上げにあたりました。

この時、財務会計の知識はほぼゼロです。

通信教育で簿記をやっていた程度です。

 

立ち上げ当初の小さい規模であれば、

何とかなります。経理ソフトウェアがあるので、

入力方法さえ覚えれば、帳簿付けや

財務諸表作成は可能です。

 

チャレンジになってくるのは、売上が立ち続け、

成長ステージに入った段階です。

僕はこの時に痛い目を見ました。

 

成長ステージに入り、損益計算書の上では、

毎月売上も増えて、きちんと利益が

出るようになりました。

月次決算ごとに当期累計の利益が増えるんだから、

それはもう快感でした。

(以前は累積赤字が増える一方だったので。)

成長モードを加速すべく、イケイケどんどんでした。

 

そんなある時、懇意にして下さっていた

銀行の担当者から電話があり、

 

「残高が少なくなっていますが、大丈夫ですか?」

 

と。

 

僕は、その問い合わせに対して、

 

「おかげさまで、今は月次が黒字転換してるんで、

大丈夫です!!!」

 

と、自信満々の回答をしました。

 

銀行の方は、私の無能さを察したのか、出来るだけ早く

会いたいとのことだったので、その数日後に会いました。

 

財務諸表を見たいとのことでしたので、僕は自信満々に

損益計算書とバランスシートをお見せしました。

 

「やっぱり・・・」

 

と、銀行の担当者の方が。

 

主な指摘内容は、

 

・売上は増加しているが、売掛金回収が滞っている

 

・売上増加に伴い、在庫仕入れとその支払いが増えている

 

・増員中なのでパソコン等の固定資産購入が増えている

 

と言った感じでした。

 

それでもまだ僕は、

 

「今は黒字だから大丈夫でしょ?」

 

と、呑気なことを言っていましたが、

 

銀行の方からは、

 

「それは結構なことですが、残高が減る一方です。

今は手元に◯ヶ月分のキャッシュしかないですよ。」

 

と説明が。と言われても、よく分からない・・・。

 

「なんで利益出てるのに、お金がないの?」

 

と思わずにいられませんでした。

 

銀行の方が毎月の残高の推移を説明してくれました。

私は、その説明と、損益計算書の経費項目だけを

比べながら、

 

「この月は、経費項目の合計が50,000ドルなのに、

なんで残高が100,000ドル減ってるんですか?

これおかしいでしょ!」

 

とチンプンカンプンなことを言っていました・・・。

 

こんな僕にも銀行の人は、親切丁寧に解説してくれました。

 

売上・利益が増えても、損益計算書に現れない形で、

現金が動いて、減っていたのです。

 

・売上計上から代金回収のタイムラグ

・在庫仕入れ、支払いの増加

・資産の増加(事務機器など)

 

これらは、その金額の全てが損益計算書に出てきません。

 

売上が立っても、すぐにその代金は頂けません。

一方で、成長軌道になると、在庫が増えます。

たいていの場合、売掛金回収より、在庫支払いの方が

先になります。

売掛金が回収されるまでは、現金が出て行く一方です。

このギャップが源因で、利益が出ていても、現金はどんどん

減っていきます。

 

ビシネスに動きが出れば出るほど、損益計算書と

現金残高は連動しなくなります。

たまに、「黒字倒産」と聞きますが、こうやって

運転資金がショートすることが原因です。

 

僕は、自分が運転資金で痛い思いをして、

やっと理屈がわかりました。

 

初めて子会社の経営職等に就く場合は、

利益も重要ですが、現金の動きと手元現金の確保を

より重視すると良いと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ人との折衝では、自分の意思を

はっきり表示することが大切です。

嫌なら嫌と伝えた方が良いです。

 

はっきり断りにくいので、

 

「検討の上、回答します」

 

と、逃げの一手を打ってしまうと、

後から自分の首が締まることがあります。

 

また、その場を取り繕うため、

 

「前向きに検討して、回答します」

 

と言ってしまうと、更にドツボにはまってしまいます。

 

やはり、相手は「検討する」と伝えると、実現のために

考えてくれると期待するのでしょう。

それに対して、少し時間が経ったあとに「NO」を

突きつけることになる訳ですから。

場合によっては、「嘘つき」呼ばわりされること

だってあり得ます。

別に嘘をついていなくてもです。

 

個人差があるので、一概には言えませんが、

アメリカ人は日本人よりサバサバしている人が

多いと思います。あと、ダメもとで高い要求を

突きつけられることも少なくありません。

とても受け入れられない話なので、断ったり、

同意しにくいから反論しても、

 

「あっ、そう。分かった」

 

で、終わり、別にその後の関係に悪影響が

出ないことも多いですが。

 

僕も取引先の人との議論で、お互いに反論を

展開し合い、言い合いになったこともあります。

でも不思議と、そうやって本音でガチンコ勝負を

した人との方が、その後の信頼関係が

深まったことが多かったです。

 

一番ダメなのは、

 

「何を考えているのか分からない」

 

と映ってしまうことだと思います。

こうなると、信頼してもらえないばかりか、

バカにされることの方が多いです。

 

日本語と比べて、英語の語調は曖昧性が少ないので、

キツく聞こえることがあるのは事実です。

だからと言って、明確な意思表示を躊躇うと、

あまり得することはありません。

もちろん、言い方は気をつける必要がありますが、

自分の意思・考えははっきり伝えた方が良いです。

 

アメリカ人とやり取りする必要がある場合は、

頭に「I think」をつけて、意思・考えを

はっきり伝えることを心がけると良いと思います。

アメリカ人のチームを率いて感じたのは、

スピードの速さと推進力の高さです。

 

もちろん、組織・個人によって差はありますが、

スピードと推進力は、日本より上の傾向が強いです。

 

組織運営や部下操縦の方法も、

この強みを活かせるように設計すべきです。

承認プロセスが多過ぎたりすると、

この強みは活かしづらいと思います。

 

その上で、重要になってくるのは、以下の3点です。

 

  1. ゴールについての共通認識確立
  2. 投下可能リソースについての共通認識確立
  3. 権限移譲

 

1について、言うまでもないですね。

彼等が間違えたゴールを目指してしまうと、

その後のリカバリーが大変です。

何と言っても、スピードと推進力が高い訳ですから、

随分と遠くに行ってしまいます。しかも違う方向に。

こうならないよう気をつけましょう。

 

2について、目指すゴールには到達したが、

2倍の費用がかかってしまった・・・

と言うのは、あり得る話です。

使用可能なリソースについても、明確にしておきましょう。

 

3について、アメリカ人は日本人より自己裁量を

重視する傾向が強いです。従って、権限・裁量が

より大きくモチベーションに影響します。

権限規定等を見直し、日本式よりも移譲を徹底した方が

効率よくアメリカ人を動かせると思います。

 

コミュニケーションを密に取りながら、共通認識を構築して、

進捗をフォローすることが重要です。進捗フォローの際に、

マイクロマネジメントと映らないよう、注意は必要です。

あまりにフォローが細かすぎると、裁量がなかったり、

信用されてないと誤解されてしまう恐れがあります。

まぁ、そう言った誤解を防ぐのもコミュニケーションの

クオリティー次第です。

 

上述したような仕組みがうまく周り、ベクトルが揃った時、

アメリカ人のスピードと推進力は驚かされます。

このような気質は、アメリカのイノベーションの源泉の

ひとつだと思います。

 

この先、アメリカ人の組織を率いる可能性のある方は、

日本の組織の良さも意識しつつ、アメリカ人の長所を

活かせるスタイルを見出して下さい。

最初は試行錯誤が続くかも知れませんが、必ず良い方法が見つかります。

 

根気強く頑張っていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

前回のブログで、曖昧な目標設定が人事考課に

与えた影響について書きました。

 

曖昧な目標設定が招いた人事考課の悲劇:

http://ameblo.jp/ocshacho/entry-12221423281.html

 

営業やマーケティング業務は、売上げ、利益、新規取引件数、

ホームページヘの訪問者数等、数値指標が多いので、

まだ目標を明確にしやすいと思います。

 

一方で、バックオフィス部門の目標明確化は、方法を

結構悩みました。どうしても、「効率化」、「強化」等の

曖昧な言葉ばかりが脳裏をよぎっていました・・・。

 

そんな中、経営に詳しい他社の方に教わったのが、

 

「各部門目標を出来るだけ財務諸表の項目に連動させる」

 

と、言うことです。

 

その方曰く、

 

・会社にとって、財務結果は最大の目標(目的ではない)のひとつ。

 

・よって、どの部門の目標も財務項目と連動させるべき。

 

・さもないと、無意味な取り組みの羅列と解されても仕方ない。

 

とのことでした。

 

確かに、この説明には納得しました。

 

僕の頭の中では、、バックオフィス部門と財務項目がまったく

連動していませんでした。

今から考えれば、財務結果は、経営、営業、マーケの貢献が大きく、

バックオフィスはあまり関係ないと誤解していたと思います。

 

視点が変われば、アイデアも次々に出てくるようになりました。

 

経営者の自分の立場で考えれば、PL上の利益も重要ですが、

それよりも重要なのは手元のキャッシュの金額です。

赤字でもキャッシュがあれば、会社は潰れません。

でも、キャッシュがなくなればアウトです。

となると、手元のキャッシュを増やすため

「現金化速度の向上」と言うテーマが出てきました。

 

現金化速度は、

 

・売上債権回転日数

・棚卸資産回転日数

・買入債務回転日数

 

から求められます。

 

それぞれの回転日数を目標化することで、売掛金回収担当者、

仕入担当者、買掛金支払担当者を巻き込んだ立派な

組織目標になります。

 

また、受注から出荷までのリードタイムを減らせると、

それだけ早く請求書を起こせます。また、棚卸資産の回転日数の

改善も可能です。

従って、リードタイムの日数を目標化することにより、

ロジスティックス担当者も巻き込めます。

 

各部門目標の多くが財務諸表の数値と連動すると、

毎月のPDCAサイクル会議を効率的に回すために、

月次決算の迅速化も重要になってきます。

そうなると、「最終営業日後◯◯日以内に財務諸表完成」が

経理部門の重要目標の一つになります。

 

このように、出来るだけ財務諸表を起点に目標を設定するよう

改善していきました。必ずしも全ての目標が財務諸表と連動しない

かも知れませんが、各部門ともに財務連動目標が「ゼロ」と言うのは

あり得ないと思います。

 

こうすることにより、目標と達成基準を大幅に明確化出来ました。

前回のブログに書いたような上司と部下の間の解釈違いも

ほぼ撲滅出来ました。

 

更に副次的な効果が、各部門の責任者の経営への参画意識と

財務結果への意識が圧倒的に高まったことです。

それまでは、売上や利益の数字は経営、営業、マーケの責任と

言う風潮が強かったと思います。

これは、バックオフィス部門の責任者が悪いのではなく、

そのような組織風土や仕組みを築いた自分の責任でした。

 

しかし、目標設定方法を変えてからは、進捗確認・改善のための

毎月の部門長会議のクオリティーが圧倒的に高くなりました。

また、複数部門をまたぐ目標もあったので、ポジティブな意味での

部門間の議論も増えました。

 

もし、目標の明確化で悩んでいる方がいれば、

一度財務諸表で改善したい項目を洗い出し、

その項目と関連する部門の業務を照らし合わせて考えると、

良いきっかけになると思います。

 

僕にとっては、各組織目標と財務諸表項目の連動は、

大きなターニングポイントになりました。

 

当たり前に聞こえることですが、当たり前のことこそ、

着手して、継続するのが難しいものだと思います。

 

でも、やっぱり当たり前の徹底が重要なんです。

SMART目標の重要性と、

僕のアメリカの会社での最初の目標設定が

いかにひどかったかを前回のブログで書きました。

 

SMART目標:

http://ameblo.jp/ocshacho/entry-12221122165.html

 

曖昧な目標を設定の結果、組織の成果もさることながら、

困ったのは人事考課の対応です。

 

日本人でも上司と部下の間で、成果の解釈には

溝があると思います。

部下は自分の行動と成果を3割り増しぐらいで考えて、

上司は部下の成果を2割引きぐらいで捉えることが多いでしょう。

 

一方で、アメリカは自己主張に長けた人が多いです。

全員がそうではないですが、あくまでも一般的傾向として。

自分の行動と成果を5〜7割増しぐらいで自己評価する人も

珍しくありません。

 

以前のブログに書いたように、考課面談でギャップを埋めて、

部下に考課表に同意のサインをしてもらう必要があります。

また、考課に納得がいなければ、書面で具体的且つ詳細な

説明を求められることもあります。

 

これからアメリカで部下を持つ可能性のある方は、

この点は留意しておいた方が良いでしょう。

 

人事考課面談:

http://ameblo.jp/ocshacho/entry-12220457591.html

 

さて、このような背景の中で、

 

「業務フローの効率化」

 

と言った、非常に曖昧で具体性がない目標を

課せられたスタッフの考課はどうなるのでしょうか?

 

私がつけた評価は5段階評価(一番良いのが5)で2でした。

 

あまり効率したと見受けられないので、未達」

 

と言う所見付きで。

 

一方で、部下の自己評価は5でした。

 

すごく改善努力をして、色々と良くなったので、満点」

 

との所見でした。

 

もう、これは最悪の展開ですね。

 

このギャップを埋めるべき数値化された共通の

モノサシがないので、当たり前ですね。

双方の主張も「あまり」とか「すごく」とか

「色々」とか「見受けられない」等の

具体性のない主観的な言葉のオンパレードでした。

 

これは、「業務フローの効率化」を巡る評価の見解相違でした。

 

目標に具体性がないので、

 

「あなたが業務フローの効率化を目標に掲げたので、

私は取り組んで、改善させた!」

 

と、部下に言われれば、明確な論拠での反論は無理です。

不足点、改善点の指摘も難しいです・・・。

 

目標設定に具体性がないがばかりに、

 

・建設的な話にはならない

 

・部下の承認欲求を満たしてあげられない


・部下に不足点・改善点のアドバイスもできない

 

・上司への信頼低下

 

と、何も良いことはありません。

 

このような事態にならないよう、部下との間では、

SMARTの概念で具体的、且つ、明確な目標設定をしましょう。

 

Specific (詳細、具体的)

Measurable (計測可能)

Atteinable (達成可能)

Realistic (現実的)

Time Related (達成期限付き)

 

この失敗経験を糧に、目標設定要領のブラッシュアップに

着手しました。

 

その改善内容は次の機会に。

 

つづく