アメリカは訴訟大国と言われています。
そんな背景もあって、弁護士と話をする機会が多いです。
僕もこれまでの経験で、訴訟を提訴されたり、
弁護士からのクレームレターを受けたり等々、
法的な案件の対応を迫られた経験が多くあります。
そのような経験を通じて学んだのは、
「経済合理性」と言う考え方です。
もちろん、きちんと道理に適った訴訟やクレームはあります。
その一方で、どう見てもお金目当ての言いがかりが
多いのが実情です。
例えば、契約不履行により取引を解消された相手が、
腹いせに逸失利益を求めて訴訟を提起したり。
就業規則違反で懲戒解雇された元従業員が、
弁護士を雇って、就業期間中の慣行に
クレームを付けてきたり。
最初の頃は、言われもない訴訟を提起されたり、
クレームを付けられると、「正しいものが勝つ」との
認識で、正義感を持って対応していました。
しかし、訴訟や法的なクレームへの対応は、
こちらも弁護士を使う必要があり、費用がかかります。
下手したら、クレームが不当だとしても、
請求されている金額以上の弁護士費用を要する時もあります。
仮に訴訟を起こされ、仮に自社側が勝ったとしても、
相手側からは訴訟対応費用の補償を受けられないことも
あります。そうなると全額が自社の持ち出しです。
また、訴訟となれば、弁護士との打合せ、出頭等、
何かと拘束されるので、時間コストも考慮する必要があります。
つまり、正義感だけで対応していると、出費ばかりが嵩み、
それが経営の大きな負担になり得ます。
となると、言われのない理不尽な内容の訴訟やクレーム提起だと、
内容次第では、さっさと請求額を支払い、権利放棄書に署名を
取り付けて、クローズする方が効率的な場合が少なくありません。
私も初めてこのような判断に迫られた時は、腑に落ちず、
釈然としませんでした。
「なんで言われもいちゃもんをつけられて、
こっちが金を払わないといけないんだ!」
と。
でも、会社にとっての経済合理性を考えると、仕方ありません。
企業がこのような対応を取るため、そこに漬け込んで、
とりあえずお金目当てでクレームする人達や
成功報酬制でそれを煽る弁護士が出てくるのも事実です。
自分達の判断が社会に何らかの悪影響を与える一因に
なっているとも言えます。
これを考えると複雑な思いでしたが、自社を守るために、
このような判断も必要だと自分に言い聞かせました。
日本と比べると、アメリカではこのようなケースに
遭遇する確率は高いです。
読者の方が、アメリカでのビジネスに関与する際は、
頭の片隅に置いておいて下さい。