「お鉢が回る」
という言葉がある。

簡単に言えば

「順番が回って来る」

という意味だ。

今では
面倒なことや
厄介な役回りといった
イヤなことが回って来るといった
意味で使われることが多いが

本来は昔
多人数で食事を取る時に
お鉢=飯びつが
なかなか自分に回って来ないことから
もともとは

「やっと回って来た」

という逆のニュアンスで
「お鉢が回る」という言葉は
使われていたらしい。

いつからか
今の様に悪い意味合いで
使われるようになり

その原因は不明。

でも「お鉢が回る」は
今でもどちらに捉えるかは
「自由」な言葉ではないだろうか。

いまそんなお鉢ならぬ
バケツが回って来た場合の事が
話題となっている。

昨今話題の
「ALSアイスバケツチャレンジ」
である。

仕組みや
今日までの流れは
もはや省略。

しかしこのシステム

友達が娘しかいない僕にとって 
無縁な話である。笑

なぜならまずは4歳の娘を
誰かが指名しなければ
娘は僕を指名できず
さらに娘が僕を
指名するとも限らない。笑

実はそんな僕にも
数日前にお鉢ならぬ
バケツが回って来た。

どうしたかは後述するとして

しかし真面目な話

企画・プロデュースを
生業にしている自分にとって

今回の事が話題になり始め
まず初めに気になったのが

今回の企画自体を

チャリティーされている側の
当事者の方々
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の方々は
どう感じているか

であった。

元々ALSの方が思い付いて
始まったと聞いたが

企画やプロデュースなど
当事者不在で勝手に進むこと程
何て意味のない
何て無力な15の夜と
なりかねないからだ。

しかも本質とは少し離れた
お祭り騒ぎ的「ノリ」みたいな形に
変貌し始めているので

その辺りもどう感じているのかが
重要と感じた。

そこで僕なりにググると
当事者の方のインタビューがあり
今回の企画を

「例えお祭り騒ぎと言われても
ALSという難病を
知ってもらえるだけで嬉しい」

という記事を読んだ。

ならば
この企画はある種すでに目的を
達成しているのではないだろうか。

達成したのだったら
締めたらどうだろう。
企画は引き際も肝心。

御本人達が不快でなく
ありがたく感じたのであれば
一旦〆切日を作り
パッと終わらる。

そうすれば
一つの役目は果たした
のではないだろうか。

そして次なる問題に注目して
また新たな企画を立てればいい。

ここから
一瞬のブームにならない様にという
よくあるフレーズが
逆に入ってダラダラやり

一般の方々まで氷水をかぶり
Facebookにアップし始めると
収集つかなくなりそうだ。

この企画の性格上
ALSを世に知らせるのが
企画の根幹であり第一義である。

企画は目的以外を達成しようとすると
必ずおかしな事になる。

募金も目的の一つなのだが
アイスバケツをつけた瞬間に

これは公人だけにチャレンジさせる
プロモーション企画であり

一般の方々はそうなんだと
気づいた所で鮮やかに幕引き
できるかがプロデュース力。

誰がやってんのか知らんが
もう少し引っ張りたいとか欲を出さず

もう少し募金額を増やしたい
とか旗印を数字にせず

今回はアイスバケツのインパクトが
強過ぎたのでよしとしたらどうか。

しかし
「お鉢が回る」
という言葉が最初は
「やっと回って来た」から
「回って来てしまった」に
変化する様に

同じ現象や企画も
人により受け止め方は十人十色。

どう考えるかは

「自由」なのだ。

指名されて
氷水をかぶり動画や写真を
SNSにアップするのも自由

募金するのも自由

両方やるのも自由

そして指名されて
何もやらないのも自由。

自由最高。

そこに強制権はない。
法律もない。
見てるだけなら踊るでしょ
という方はかぶればいいし
動画をYouTubeや
SNSにアップすればいい。

そんな中数日前
僕にも娘以外の
ある親しくさせていただいている
ある経営者の方から
御指名の御連絡をいただいた。

メールで
「アイスバケツチャレンジが
回って来ました。
次に御指名させていただいても
大丈夫ですか?」
という内容だった。

そうだよね。

突然指名が面白いのかも知れないが
こうして指名の許可を予めするのが
普通なのではないだろうか。

僕は僕なりに何事も
自分タイミングでやるのが
好きなタイプなので
申し訳ないですがと

御指名いただく前の段階で
御指名しないでいただく様に
お願いした。

自分の想いと気づきと自分の企画と
自分タイミングで行動に移すのが
チャリティーだと思ってるので

実際指名前の時点で
お断りしている方が
多いのではないだろうか。

しつこいが

僕がそう考えることも「自由」であり
御指名を受けることも「自由」である。

「お祭り騒ぎでも構わないから
ALSの存在を知ってもらえれば嬉しい」

という当事者の方の
言葉が刺さりながら

一方で日本は
広島の大雨土砂災害という
水害の最中に笑顔で水かぶる
タイミングの悪さもあり。

今も賛否両論らしいが

こればっかりは

賛否両論というか

「自由」でいい。

やった人もやらなかった人も
なんでもいい。自由でいい。
だから誰も誰の事を言わないでいい。

あの服おかしいから
着替えさせろ
などしないのと一緒。

ガガを誰も着替えさせない。笑

子育てもチャリティーも
十人十色の自由でいい。

流されず。
興奮せず。

自由で。

しかしこれを企画し拡散させたいと
仕掛けた側の方だけの目線で言えば

賛否両論

が起こった時点で
これも目的達成された部分は大きい
のではないだろうか。

仕掛ける方としては
無視が一番怖いからね。

ある日
「お鉢が回る」の様に
「バケツが回る」が
どういう意味の言葉になるかは
時間が答えを出す気がする。

そしてその意味は
時代により変化もするかも知れない。

おちまさと

しかし
それにしても
今年は
「アナ雪」から「アイスバケツ」まで
氷絡みが話題になるなぁ

やはり地球は温暖化か。

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