かつて
山口百恵さん主演の
「赤い運命」という
連ドラがあった。

昭和34年の
伊勢湾台風の中
赤ちゃんが取り違えられ
全く真逆の運命に翻弄される
話だった。

昨日のニュースで
そのドラマの様なことが報道され
今日は取り違えられた当人の一人が
会見をされていた。

年齢60歳。

しかも取り違えられて育った家庭は
2歳の時に父親が他界して
母親は生活保護を受けながら
3人の子供を育て
その取り違えられた当人は
末っ子として
中学から働き自分のお金で
定時制高校まで行き
現在はトラック運転手。

もう一人の取り違えられた男性は
裕福な家庭の長男として育ち
私立高校から大学を経て
東証一部上場企業に就職し
今は不動産会社社長。

これが本当は逆の運命。

きっかけは
裕福な家庭の取り違えられた男性の
弟三人が昨年兄への違和感から
DNA検査をしたところ99.9%別人。

そこで60年前に生まれた
産婦人科に調査へ向かう。
潰れてたらそこで終了。

無事現在もあり
産婦人科で掴んだ資料を元に
本当の兄を探して三千里か。

ついに巡り逢えた訳だ。

そこでこの取り違えられ
貧しく生きて来た彼は
取り違えた産婦人科を告訴。

裁判所も取り違えを認める
判決をしたのだ。

ここまでは
単なる事実確認。

しかし
いくら3800万円の損害賠償を
してもらっても
もう時間は返って来ない。

本当の御両親は
もう他界されているようだ。

真実を知らせることもできず
どんな人生だったか話すことも
できない。

ましてや
60年でもちろん日常と化した
取り違えされた方の性格や環境は
今からなかなかなしにはできない。

それが証拠に
取り違えされた方は
今も間違いの方の兄のリハビリを
続けてあげているらしい。

さらに
この事件が重いのが
取り違えなので
運命に弄ばれた男性がもう一人
いることだ。

本来は
生活保護の母親と二人の兄弟と
慎ましやかな生活をしなければならず
大学には行けず
もしかしたら現在
不動産会社社長ではなかったかも
知れない。

そして今兄のリハビリを
しなければならないかも知れない。

その現実を
どう咀嚼して
どう飲み込んでいくのだろうか。

戦後までは
家で出産が多く

その後
産婦人科で生むことが多くなり
同時に取り違えも増えた時期が
あるらしいのだが

病院が故意にやる訳は考えにくく
そう考えれば
一人の仕事のできない
適当な担当スタッフが
こっちだろみたいな
最低最悪の行動をしただけ
の様な気がしてならない。

その一瞬の
適当仕事が
人の運命を翻弄することも
あるということだ。

いい加減仕事は
他人の運命も変える。

彼が過ごした
家族での夕飯
小学生の頃の夏休み
入学式
家族旅行
など何気ない思い出さえ
全て本当は違ってたんだという
フィルターがかかる辛さは
怒りのやり場もない。

やり場があるとすれば
その60年前に取り違えた
スタッフ本人にぶつけるしかない。

何とも心を鷲掴みにされるような
事件であった。

おちまさと

別に綺麗事でも
下手な慰めでもないが

この運命は
この先まだまだわからない。

この取り違えられたことによって
取り違えが判明したことによって

物凄く
未来に光が射しているかも知れない。

運命とは命を運ぶことであり
運勢とは運に勢いをつけること。

そんなことは他人がとやかく
言うことではないが
もしかしたら
取り違えられなければ
命を運ぶことができず
何かあったかも知れない。

それを回避する為に
神様が…

そうでも考えなければ…

改めて
家族や時間や生きることを
考えさせられた。

今回の原告
現在60歳に
これからの人生に
強烈な運勢と幸あれ。


iPhoneからの投稿