橋下大阪維新の会の

圧勝で幕を閉じた

大阪府知事市長W選挙。


プロデューサー目線で見れば

あまりにも予想通りの勝利である。


ここからは

そんなプロデューサー目線で

今回の大阪W選挙について

書いてみたい。


まず

橋下さんの選挙術を見ていると

誰もが思い出すのが

小泉旋風である。


選挙の戦い方

という点で見れば

2人はとても多くの共通点を持つ。


まず大きく言えば

どちらも


「現代の戦は選挙である」


ということに焦点をしぼった

コンセプトの風呂敷に包んで

まさに戦を展開している。


そして


橋下さんは

「大阪市役所をぶち壊す!」

と言い


小泉さんは

「自民党をぶち壊す!」

と言った。


しかし


橋下さんは

今まさにそのぶち壊すと言った

トップの大阪市長に立候補し

その選挙を戦い始め


小泉さんも

今まさにそのぶち壊すと言った

トップの自民党総裁に立候補し

その選挙を戦い始めて


いたのである。


実際は

その本体がぶち壊されてしまっては

自分の立ち位置がなくなるのだから

本当にぶち壊されてしまっては

意味がなく

その勢いがあるという


まさに

クジラの口から突入し

そのどてっ腹から外に

突き破ってやるという

男気のようなことを

イメージさせている言葉が


この


「ぶち壊してやる!」


ということなのではないだろうか。


しかし

こうして

小泉旋風

橋下旋風と

二回「ぶち壊し宣言」が

選挙に有効だった訳なので


「選挙の戦い方のプロデュース」


という点では

これから選挙に出る人は

参考にせざるを得ない。


しかも

しつこいようだが


“今から自らが入り長となる場所を

ぶち壊す”


という点が

重要ポイントである。


これが

関係ないものを

ぶち壊すと言っていたのでは

役に立たないのも

立証されている。


ここで有効なのは


まずは


“仮想敵国をハッキリ作る”


というところだ。


小泉さんであれば

郵政民営化に反対する人間は

全て抵抗勢力と仮想敵国を

ハッキリと打ち出し


橋本さんは

大阪都構想を掲げ

大阪府と合理的な

融合に反対する

大阪市役所の人間は

全員市役所を去ってもらうと

ハッキリと打ち出す。


ここからさらに

プロデューサー的見方をする。


このあと


橋下さんは


あらゆるメディアに

家族のことなどで

バッシング報道が開始される。


一般的に見れば

「大変だなぁ橋下さん」

「これで負けちゃうんではないか」

と思われたかもしれないが


プロデューサー目線で言えば


あのバッシング報道は

さらなる勝機を呼び込んだと

思ったのではないだろうか。


なぜなら

敵は強ければ強い程

プロデュースや演出が利く。


さらに

既成政党が

最後は共産党までもが

平松さんについた時に


これまた誰もが


「うわー厳しいなぁ橋下さん」


と思ったかも知れないが


これはあくまでも例えばだが

僕が橋下さんの

プロデューサーなら

ある種のガッツポーズを

取ったに違いない。


なぜなら

これでさらに

振り幅は利いて来る。


ある種の

飛んで火に入る夏の虫状態。


市民に対して

ひとりぼっち

孤軍奮闘が

伝えることができ

放っておけば

寝ていた浮動票も起こしてくれる

橋下さんからすれば

いい作用となり

平松さんからすれば

既成政党やメディアが

見方につけばつくほど

反作用となる。


橋下さんにとっては

敵は膨れ上がる

ガミラス艦隊。


自分は

傷付いた

宇宙戦艦ヤマト

という構図が出来上がる。


ウルトラマンは

怪獣と闘いながら

意外と多くのビルや家屋を

結果ぶち壊していく。


でも

ウルトラマンが

いなければ

もっとビルや家屋が

ぶち壊されていくのだから

それを考えれば

怪獣を倒すために

ぶち壊されていく

ビルや家屋は仕方ないのだ

ということを

総合的に考えながら


ウルトラマンVSj怪獣


の闘いを子供ながらに

見ていく。


だから


「ぶち壊す!」


のは正当な理由があり


今こそぶち壊さなければ

もっとぶち壊れることになる


ということの裏メッセージが

ウルトラマンがビルや家屋を

ぶち壊すのは仕方ないのだ

ということが視聴者に伝わってるように

国民・市民に伝わっている。


「現代の戦は選挙である!」


と橋下さんは言い


その闘いを

ウルトラマンVS怪獣軍団

という構図に見せるプロデュースが

橋下さんと小泉さんは

本当にすごい。


さらに

そこからがすごいのは


笑いを交えた演説と

歯が綺麗な笑顔で

選挙戦を乗り切ることでは

ないだろうか。


ここも

小泉さん橋下さんの

ピンチを

笑顔と笑いに変化する演説が

オーバーラップする。


後に年金未払いを

追及された小泉さんは


「人生いろいろ!」


と言い放ち

国民を納得させ


橋本さんは

共産党までもが

敵陣営についたときに


「結構毛だらけだ!」


と言い放ち

市民を納得させていく。


日本人は


「柔よく剛を制す」


とか


映画『ランボー』的な

一人で大群を倒す

ということが好きであり


その美学には乗る。


今現在

選挙において


「ぶち壊す!」


というキーワード


しかも


今から

自分がそのトップに行こうとしている

組織を「ぶち壊す!」というのは



かなりの必勝法なのでは

ないだろうか。


そこで

これを読んでいる

小中高生で


生徒会長に立候補していて


しかも

どうしても勝ちたい

と思っている学生がいたとしたら


「今の生徒会をぶち壊す!」


ということをマニフェストに掲げ

その具体例をあげたら

どうだろうか。


そして

それは

あえて

教師やアホな先輩や

校内の新聞に叩かれるぐらいの

ことを言いきって


仮想敵国をハッキリと打ち出し


自分は孤軍奮闘する

傷付いたヤマトを演出する。


そこからが

大事なのが

その状況を笑いを交えた演説を

歯を見せた笑顔でし続けること。


かなり

勝てる可能性が広がるのでは

ないだろうか。


ただ

それが

あまりにも

わざとらしいと

かえって逆効果になることも

つけくわえておこう。


橋下さんや小泉さんには

そういう自分プロデュース力と共に

同時に本気でぶち壊してやろうという

両方を兼ね備えているところがある。


だからこそ

突破する。


だから

もしも

生徒会長になりたいのであれば

その両面を持ち合わせなければならないし


その両面を持ち合わせていれば

今はかなり実現への距離は

近くなるのかも知れない。


おちまさと


しかし


既成政党は

全部平松さんについたにも拘らず

結果が出た瞬間に

手のひらを返したように

橋下さんにつき始めている。


これ

平松さんにとってみたら

どんな気持ちだろうか。


「えーーーーーー。。。」


じゃないだろうか。


こんなに


「勝てば官軍」


でいいのだろうか。


せめて

1週間ぐらい

「私たちは間違っていなかった」

ぐらい言う気概はないのだろうか。


「負け?あ、そう。勝った人が偉い」


そんな感じでいいのだろうか。


大体

自民も民主も共産党も

有名な議員は応援に行かなかった。


しかも

石原都知事は橋下さんの応援に行き

息子さんは自民党幹事長。


こうなって来ると

今まで以上に

橋下さん大阪維新の会を中心に

日本は回り始めるのは確かだし

それをまるで

既成政党が

敵対するところが

拍車を掛けるが如く

結果一番の演出をしたような

感じである。


橋下さんは

選挙戦最後にかけて

「厳しい」

を連呼していた。


これも空想だが

自分が有利に動いていることは

わかっていたはず。


しかし

最後まで

厳しいを連呼することが

傷付いたヤマトを演出するには

本当に正解である。


正直言えば


ガラ系VSスマホ


の選挙だったような気がする。


当時の小泉さん同様だが

橋下さんは

全部わかってるのでは

ないだろうか。


しかし

時を経て

今思い起こせば

一体何だったんだという

小泉旋風。


時を経て

5年後10年後

今回の旋風が

意味を持つことを

願いたい。



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