「今日の走るコースは

どこにしようか」


それを考えている時の

高揚感は子供の頃の

夏休みの朝に似ている。


同じ景色の連続が

人生においても

仕事においても

あまり得意ではないので

どうしても早朝ランニングの

コースもいろいろ変えたくなる。


そのコースを考えることは

とても好きな時間だ。


地図が好き

建物が好き

ビルから街を

眺めるのが好き

というところも

僕にとっては

マラソンを飽きさせない

大きな要素となっている。


あるビルからあるビルを眺め

今度はその時見たビルから

逆に眺めるなど

視点を変えることで

立ち姿や街として機能している

様式美みたいなものに

グッとくる。


ビル萌えか。


だから

工場萌えというのを聞くが

僕もあの工場の灯りを

見ながら一杯やりたいぐらいだ。


今日

大阪では

第一回大阪マラソン。

大阪の名所を巡るコースらしい。


ならば僕はそれに一人で対抗して

対抗する訳ではないが


『ひとり東京マラソン』


にすることにした。


まずは

港区内にある

先祖が眠っている

うちのお墓がある

お寺に向かい

走る。


遠足は家に着くまでが遠足


などと言うが

お墓詣りは

お墓に着くまでも

いろいろな考えを巡らせる

ことができ

いい時間となる。


同様にお墓を離れてからも

その帰路いろいろ考えるだろう。


それは

その人の死生観か。


僕は意味なく

子供の頃から死生観が

強かった。


しかし

自分の足で

お寺に向かい走るのは

いつも以上に

死生観と向き合うことが

できる。


しかし

朝からランニングをしている

人たちは多い。


お寺までの道のり

早朝ランニングする

ダウン症の子供や

身障者の子供とすれ違った。

力強く速い。

負けてられない。


そう思いながらも

自分のペースは崩さずに走る


これがマラソンは重要である。


お寺に到着し

お墓に今日は

お花もお線香も買わず

お墓に直行。


おじいちゃんに挨拶だけして

お寺を出る。


なぜおじいちゃんかと言えば

ここに眠る先祖で

リアルに知ってるのは

おじいちゃんしかいないからだ。


次なる今日の行先は

増上寺。


お寺からお寺への

早朝ランニングである。


しかし

東京都はイチョウがイメージ

ということで

走っていると

歩道に延々といちょうが

植えられていることに気づく。


悪くないのだが

ランナーにとっては

落ちて潰された銀杏を

避けるのが大変だ。


気づけば

東京タワーが

見る見る大きくなって来る。


桜田通りから

赤羽橋へ向かう時の

東京タワーは嫌いじゃない。


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しかも

ここは

『もう一つの東京タワー』

とも言われる場所。


どういうことかと言えば

桜田通りから赤羽橋交差点の

三つ又が東京タワーと

合わせ鏡のようになっている。


だから

東京タワー展望台から

夜この道を見ると

車列のヘッドライトで道が

電飾の点いた東京タワー

のように見える。

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Y字がまさに

東京タワーの足許から

伸びているのがおわかりか。


そんな

寺だ東京タワーだと

ある種


『ブラまさと

の要素も含みながら

時速10kmで増上寺へ進む。


増上寺の鳥居の前で

かるく一礼して賽銭箱へ駆け上がる。


しかし

朝から人が多い。

観光客だろうか。


増上寺からの

東京タワーは

歴史と現代が交錯し

場所によって

その顔も変える。


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二代将軍秀忠から

家宣・家継・家重・家慶・家茂も

まさか自分が永眠する場所から

こんな景色が見えることとなり

観光客が来て

しかもランニングされるとは

思っても見なかっただろう。

増上寺を後にし

ザ・プリンス・パークタワー東京

と増上寺の間の

新しい公園を抜けて

ここから最も

迫力があるかと思われる


『とうふ屋うかい』前を

を通過し


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10Kmのランニングは終了した。


いつもは食べて飲む場所の

『とうふ屋うかい』さん。

また近々夜

食べて飲みに来ます。


関係ないが

ずっと近年

ソフトモヒカンにしているが

大好きな『宇宙兄弟』の日々人の

髪型に近いと勝手に喜んでいる。

六太には幸せになって欲しい。


しかし

今日は肌寒かったが

走っていると一瞬にして

体が温まってくる。


子供の時に

寒ければ走る遊びをして

体をすぐ温めるということを

自然としていたことを

思い出す。


本来人間は

そうできているのだろう。


そして

走れば食欲もわく。


街の中を走っている中

様々なお店から

食欲を刺激する香りが

流れてくる。


その中で最も

脳を直撃するのが

必ず同じジャンルのお店だ。


ラーメン屋さんだ。


ラーメンの麺を

茹でているあの

何とも言えない香り。


あれが

一番誘惑する。


炭水化物をあまり食べず

ラーメンも食べなくなって

かなりの年月が経つから

というのもあるが


美味そうだ。


時速10kmで

きっちり1時間走る。


走る時

いつも聴いている

安室さんのアルバムが

今日はちょうど最後の曲で

終わった。


走っている景色に

『BEST FICTION』が

力強く溶け込んで行く。


この景色たちも

FICTIONかも知れない。


レースに出る時も

日常のランニングも

iPodから流れてくる

このアルバムに

かなり助けられている。


このことは

またゆっくり書きたい。


ランニングコースは

無限大に考えれる。


その中から

チョイスして

組み立てて

実現化する。


まるで

アイデアの構築

プロデュースの建築法と

同じではないか。


また

無限大の可能性から

コースを導き出してみよう。


そこには

また気づきがある

に違いない。


おちまさと


ランニングしなくても

気づくことはできる。


11月に上梓する


『「気づく」技術』

(ダイアモンド社)

には満員電車だろうが


コンビニだろうが

どこだろうが

気づく術をまとめた。


僕にとって

走ることのように

人それぞれそういう何かが

あるのではないだろうか。