業界用語の一つとして


『前パブ』

『後パブ』


という言葉がある。


「パブ」とは

この場合

「パブリシティ」の略で


簡単に言えば


“商品やイベントなどを

マスメディアを通じて広報する”


ということである。


(関係ないが

飲み屋の「パブ」は

大衆酒場の大衆の

「パブリック」のことだろう。)


じゃあ

『前パブ』

『後パブ』

とは何かを

掻い摘んで言えば


その情報を

例えば発売される前や

イベントが開催される前に

マスメディアを通じて告知することが

『前パブ』であり


事後報告として

発売されました

そういうイベントが行われました

と結果を広報するのが

『後パブ』である。


その商品やイベントなどの

特性によって

『前パブ』だけの場合もあれば

『後パブ』だけの場合もあり

『両方』という場合もある。


例えば

『地デジ開始』などは

開始した後

「今日から地デジ開始しました」

という『後パブ』も大事だが

どちらかと言えば

徹底した『前パブ』をしなければ

テレビの買い替え準備ができないので

長期間『前パブ』が重要となる。


また

人気タレントが来るイベントで

あまりに人が集まり過ぎるのは

避けたいのだが

情報だけは多くの人に知らせたい

場合などは

「今日こんなイベントが行われました」

という『後パブ』だけになったりする。


ところで

昨日行われた

都知事選を始め


「なぜ選挙は『後パブ』なのか」


選挙前になると

まるで選挙があることを

知られたくないぐらいの勢いで

ピタリとマスメディアから

その情報は消え


さらに

ブログやツイッターをはじめとする

ネット上での選挙活動は禁止され

こちらからも消える。


唯一と言ってもいいぐらいの

オープンされている情報(?)は

投票所前の笑顔のポスターか。


通常選挙でも

「前パブ」<「後パブ」

なのだが


特に今回の

都知事選は

震災の報道中心になるから

なかなか表に出てこない

という理由はわからないでもないが


あまりに

前パブが全くないに等しかった。


その割に

今必要のないニュースに

テレビ報道は時間を割いている

ようにも観えたが。


東京都知事選は

税金を使った

大イベントである。


逆に言えば

今回は

震災そして原発問題と

大きな問題がある中で

延期もせず

あえて実行する都知事選な訳で

いつも以上に重要と言っても

過言ではない。


それにも関わらず

前パブなし。


強引に予定通り

実行をしておきながら

告知をしないで


全ては


「今日都知事選が行われました」


と「後パブ」だけするのは

首を傾げざるを得ない。


今回に限らず

何でもっと日本は

選挙を前パブで盛り上げないのか。


いつの時代も

20代30代40代は

選挙への関心が低い。


今回も

その世代の投票率は

低かった。


しかし

今回投票率が高かった

50代60代70代も

30年前は

投票に行かなかった人も

多いかも知れない。


だから

50代以上が

「なぜ若い世代は選挙に行かない」

と言うのも説得力に実は欠ける

ような気がする。


アメリカ大統領選など

日本の選挙に比べれば

圧倒的な


「前パブ選挙」


なのではないだろうか。


何年もかけて

まずは

同じ党の中から戦い代表を決めて

そこから

大統領選本番突入という

大河ドラマ。


しかも

前回のオバマさんの時は

YouTubeあり

もちろんテレビCMあり。


国政選挙の時は

日本もテレビCMとかやるが


知事選とか

選挙が終わった後に

「候補たちはこんなマニフェストを

掲げて街頭演説していました」

などと言うならば

なぜ選挙前にガンガンやらないのか。


百歩譲って

テレビはやらないのならば

ネットでの選挙活動は

ブログ・ツイッター含め

当日投票中だって

やりつづけさせ

マニフェストを伝え続けさせれば

いいではないか。


一体何に問題があるというのか。


当日になって

「今日選挙行こう」

って人だって少なくないはず。

そこから候補者の方針を調べても

なかなか出てこないようでは

行く心が折れる人だっているはず。


大体選挙期間中

一切都知事選を扱わないで

選挙当日20時になった瞬間に

全てが解禁され

しかも最初の報道が

当確発表では

逆に不気味じゃないか。


これから

東京は区議会議員選挙

がある。


これから看板に

写真が貼られるようだが


看板の笑顔だけでは

選択できないし


今年ぐらい

あの看板にかける税金は

全て被災地への義援金に

まわしたらどうだったのだろうか。


「老人や年配者は

あれが頼りなんですよ」説


という議論は

もういい加減

飽きないか。


「年配者にとって

ネットは難しいんですよ」


的議論をした瞬間に

全ての時間は

ストップしてしないか。


もうこの先の未来に

進んだ方が

いいのではないか。


これら全てを含め


「前パブ選挙」


に今後は移行したら

どうだろうか。


20代30代40代が

これからの日本を

支えて行かなければならない。


しかし

いつの時代も

この世代は選挙に行かない

というのであれば

行くようになる


選挙自体の構造改革


をすればいい。


「選挙に行くのが

おしゃれになれば投票に行く」


というのならば

おしゃれにすればいい。


プライオリティは

別のところにある。


だからこそ

あの薄暗い投票所や

アナログな選挙システムを

若い世代は一度でも体験して

おかなければならない。


それとも

若者がガンガン選挙にいくことを

嫌がる人でもいるのであろうか。


そうだとしたら

日本沈没はリアルに近付く。


おちまさと


石原都知事は

パチンコと自動販売機を

節電のやり玉に挙げているが


一回

一人で

夜の東京を

自転車で走ってもらったらどうか。


自転車で塾通いの小学生

駅まで自転車のOL


などの気持ちも

体験したらいいのではないか。


ここ30年

そんな体験

ないだろうし。

もしかしたら

生まれてからないのか。

夜も『太陽の季節』か。


一度コンビニの電飾に

慣れてしまった都会人を

そう一気に変化は

50代以上が変化より維持を

望むと同じように

一夜にして変えれるものでは

なさそうだ。


それ以上に

基本キープできない電力の


『夜中の節電には

本当に意味があるのか』


という議論も

もっとした方が

いいのではないか。


「東京都民は

貧しくても生きていける」


と会見したが

”豊かさを生み出すのが政治”

じゃないのだろうか。


豊かさを求めた上での

痛みを伴う生活はありだが

一方的な粛清では

現代の日本の国難は

乗り越えられない気がする。


都民全員が石原家ではないし

昭和の父親的

引き算と我慢の強要だけでは

新銀行東京や

東京オリンピック招致失敗

のように都民もなかなか

ついて行かないのでは

ないだろうか。


しかし

その一方で

多分


過去体験したことのない

電気の少ない夏


が日本にやって来るはずだ。


意外と思い出せば

10月初旬ぐらいまで

暑い。


熱帯夜になれば

深夜の節電は

絶対に必要となる。


その為の深夜の節電訓練

ならば今からの深夜の節電も

わかる。


どちらにせよ

この間の

東京都の水道水摂取制限

じゃないが

いきなりでなく

それこそ防災訓練を

様々な角度から

今一度やり直し

それこそ


『天災の前パブ』


をしておくべきでは

ないだろうか。


今日

震災一ケ月にして

今目の前に広がる夜景は

東京タワー以外

ビルの明かりが

少し力を取り戻しているように

見える。


未だライフラインが復旧しない

被災地の一ケ月という

長く重い時間の流れを思うと

胸が締め付けられる。


一日も早い復興のために

3.10までと変わらず僕は

めちゃめちゃ働く。