北欧の旅のレポート8回目最終回です。

最終回は垣間見たスウェーデンの暮らしと

教育について触れたいと思います。

 

 

正食千葉教室おちこちの 向後 安希子です。

自宅でマクロビオティックの料理教室をしています。

自然に添う暮らしをつなぎながら、日々の小さな気づきを綴っています。

 

 

<家庭の生ごみがバスを動かす>

 

民泊でお世話になった街はゆったりとした街並みでした。

各家の敷地が広く、隣の家の物音や声などは全く聞こえません。

空が広く感じられますね。

電線も埋設されているのでしょう。

もっと上流の家になると玄関までのアプローチが長くなるのだと、

トモコさんが話してくれました。

 

 

集合住宅の場合もやはり広々しています。

2軒で一棟の住宅で、子育て中などに住みやすそうです。

 

 

それらの各家の前に、大きなダストボックスが2つずつ置かれていました。

生ごみと紙ごみを入れるボックスです。

1週間に1回回収が来るそうです。

そのほかのごみは拠点の収集場所にもっていくそう。

 

 

生ごみは市から配布される専用の袋に入れてからダストボックスに入れます。

そしてそれをバイオ燃料にし、

市内の全てのバスはなんとそのバイオ燃料で動いているのだそうです。

 

バスは2連結の大きなバスです。

これは車内の写真ですが、このような連結バスがたくさん走っています。

 

 

それらが全て生ごみからのバイオ燃料とは!

計画性をもって仕組みを作れば実現できるのだということを教えられます。

 

 

<森の実りはみんなのもの>

 

住宅街から少し歩き森に行きました。

森の中のものは誰でも自由に収穫できます。

 

 

樹木の下にスギナが育っていました。

日本のスギナよりも細やかな葉をつけたスギナです。

お茶にするために摘みました。

 

 

ブルーベリーも実っています。

丈の低い木で粒は小さめですが野生の味の濃いブルーベリーです。

 

 

森では、夏にはベリー類、秋にはキノコが手に入ります。

 

森だけでなく公園や道路の脇など公共の場のものも同じです。

チェリーが食べ頃でした。

りんごも間もなく採り時です。

 

 

 

<教育費無償受験なし、スウェーデンの教育>

 

この写真は小学校です。

 

 

学校は規模が小さく、どこもこじんまりしているそうです。

フェンスもなく開放的です。

 

小学校は6年間。

加えて、保育園の年長さんは就学前の1年間を小学校で過ごすそうです。

この建物の一画に年長さんが過ごすスペースがあるということです。

就学への移行がスムーズにできることでしょうね。

 

保育園はお迎えは5時には完了し誰もいないそうです。

スウェーデンの家庭は基本共働きですが、

時差出勤で両親が手分けして、早い時間の迎えが可能になるのだそうです。

 

 

小学校に隣接する敷地は公園になっていて、自由に行き来できるようでした。

 

 

小学校6年間

中学校3年間

高校3年間

大学4年間

これは日本と同じです。

 

塾はなし

受験もなし

これには日本とは大違いです。

 

高校は中学3年生の時の内申で決まるそうです。

内申というのはテストの結果。

そのテストは全て筆記試験で、採点後は各教科とも一人一人面接があるとのこと。

どのように考えてそう書いたのかとか、

こういう内容を書き込めれば配点は上がったとか、

一人一人に面接でフィードバックがあるのだそうです。

全教科毎回。

そして担任と各教科担当は会議を持ち、一人一人の生徒のことを伝え合います。

トモコさんが学校にお勤めだったため、そのような状況を詳しく伺うことができました。

 

こういう経過のテストであり、内申書であり、

それが次の学校への進学基準になっていくということです。

 

高校進学時は中学3年生の1年間分ですが、

大学進学時は高校3年間の内申書の結果が反映されるとのこと。

全て記述ということで、学び考え判断する力が問われますね。

生活面での自由度は高く、

しかし勉強は日常的にしっかりするということが根付いているようです。

 

そして、大学まで全ての学校の教育費は無償。

本人の実力と希望で進路を選んでいけるということになります。

 

ちなみに医療費は、初めに2万円程度だけ必要と聞きましたが、

あとはすべて無料。

税金は高額所得者は5割、一般家庭は3割。

用途が明確なことで納得の納税なのでしょう。

 

 

<世界に先駆けた子どもを守る法律の制定>

 

スウェーデンの子どもたちはとても落ち着いているように見えました。

 

スウェーデンは世界で初めて育児手段としての暴力を禁じた国です。

 

子どもへのあらゆる形態の暴力的な扱いや

心理的虐待に当たる扱いを禁じる法律を制定したのは1979年。

すでに44年が経過しています。

子どもたちが安心して過ごせる環境の中で、

信頼関係のベースが出来上がっているように思います。

 

悪いことをした時はしっかり目を見て繰り返し話し伝える、

そういうことの蓄積が、人を、社会を育てていくのですね。

スウェーデンの40数年の蓄積を肌で感じたように思いました。

 

 

ペットたちも大事にされています。

電車にも乗れます。

そしてペットたちも落ち着いている..

 

 

 

現地に行ってみたからこそ感じられる空気感の中で

感じたこと考えたことはたくさんありました。

 

旅の後半からは体調を崩し帰国後はしばらく不調でした。

体力不足や順応力の不足を痛切に感じましたけれど、

ともかく現地に行ってこられたことはよかったと思っています。

 

私にとっては40数年ぶりのヨーロッパ、

思い返せばスウェーデンはあの頃からこの法律を定めていたのですね。

 

日本が好きです。

外に出てみればますますそう思います。

加えて外国に学ぶことを学び、

これからの自分の生活を楽しみ味わっていきたいと思う夏です。

 

 

8回に渡り長い文章にお付き合いくださいまして、どうもありがとうございました。

 

次回からはいつものブログにもどります^^

引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

 

今日もお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

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