4月5日~6日の話のまとめです。

毎年、この時期のルーティーンとして、金剛山の気になる花を巡っています。
なので、ビックリするような特別な花は出て来ませんが、安定の花巡りになっています。
 
早速ですが、今まで気が付かなかったところに、ハルトラノオが咲いていました。
写真を撮っていたら、そこへ向こうから女性の方が来られて、何て花ですか~って聞かれたので、ちょっとお話をしました。
横からの写真を撮ろうと思っていましたが、歳ですね~それで、すっかり忘れてしまい、上からの写真だけです。😆
咲き始めはちょうどこの花の様に赤紫の葯(やく)が見られますが、その後、取れてしまうそうです。

 

 

そして、カタクリです。

花びらは桜と違って6枚ですが、中の模様が桜の花びらみたいですよね~♪

天気が良いと、花びらを反らせてこの模様、蜜標(ハニーガイド)で昆虫たちに蜜があることをアピールして、受粉の確率を上げようと言う戦略の様です。

 

 

陽の光を受けて淡い色合いがとてもエレガントで、しかも可愛いですよね~♪

 

 

ふと下を見下ろすと、福寿草が残っていました。

咲き始めとは、また違う味わいがあります。

 

 

目線を上げると、再びカタクリ~♪ニコニコ

 

 

そして、個人的にお気に入りのキクザキイチゲのエリアです。

 

 

三脚を立てて写真を丁寧に撮っている方や、下から登って来た登山者などが周りにいるので、色んな音がします。

ちょっとマスキングしようと音楽を入れてみました。

効果音みたいですが、ウグイスの鳴き声は自然のものです。

 

 
白いキクザキイチゲもピュアな感じで良いですね。

 

 

淡くて少し複雑な青紫の色合いのキクザキイチゲも大好きです~♪

 

 

ヤマルリソウも咲いています。

 

 

学名は、Omphalodes japonicaと言うそうで、japonicaと言うくらいですから日本固有種です。

Omphalodes は、ギリシャ語の"omphalos(臍)"+"eidos(~の形)"で『ヘソの形をした』と言う意味なんですね。

そんなに言われると、花の中心がヘソにしか見えなくなって来ましたが・・・

 

 

学名の元になっているのは、こちら、タコの吸盤かドーナツの様な形状の実からなんだそうです。爆笑


色々な色の花があると思ったら、咲き始めはピンクで、やがてブルーへと変わって行くんですね。

 

 

まだ咲いていませんが、ユキザサの蕾が出て来ていました。

 

 

こちらは、たぶんヨゴレネコノメで間違いないと思います。

 

 

 

 

こちらは、ネコノメソウの中では一番可愛い?他のネコノメソウたちと見た目がだいぶ違うシロバナネコノメソウですね。

 

 

こちらには、今回、個人的に新しい発見があったチャルメルソウが咲いていました。

 

漢字では、哨吶草 

哨吶は、楽器のこと、夜泣きソバでは懐かしいあのチャルメラです。

以前に住んでいたマンションでは、冬の夜に、軽トラで回って来る中華ソバの屋台が来ていました。

拡声器からの音でしたが、独特の物悲しくも哀愁を帯びて鳴り響くチャルメラの音がするとなぜか食べたくなる、花の姿がそんな楽器のチャルメラに似ているからなんですね。爆笑

 

そして、左下の方にチラッと葉っぱが写っていますが、ちょっと大きくて、先が尖っています。

これが特徴のひとつ、あまり真剣に見たことがありませんでしたが、こちらは2009年に新種として発表されたヤマトチャルメルソウなんです。

 

 

以前は、オオチャルメルソウと言われていましたが、金剛山など近畿地方のチャルメルソウたちは、新種としてヤマトチャルメルソウと言う名が付けられていたんですね。

 

 

旧版では大チャルメルソウとありましたが、新版になった新しい『金剛山の野草と木の花ハンドブック』にもヤマトチャルメルソウとして出ています。

どのように違うのか具体的には出ていなくて、良く分かりませんが、オオチャルメルソウとは、花の匂いや、誘引する虫が異なるそうです。

 

 

良く分かりませんが、この時、たまたま、キノコバエ科の昆虫が留まっているみたいでした。

 

 

気になるので、少し調べてみたところ

国立科学博物館植物研究部・筑波実験植物園の奥山雄大氏の第13回 日本植物分類学会奨励賞 受賞記念論文 日本産チャルメルソウ属および近縁種(ユキノシタ科)の自然史と言う論文に、

『・ヤマトチャルメルソウ Mitella sp. 2  従来近畿地方に分布するオオチャルメルソウとされてきたものだが,著者による分子系統 解析と交配実験の結果,四国,九州のオオチャルメルソウとは全く異なる種であることが明 らかとなった(Okuyama and Kato 2009).近畿の大和地方が分布の中心であるため,この 和名を与えた.雌性両全性異株.なお,開花期であれば形態でも花序あたりの花数,花弁の 分裂数,雌蕊の形状などでオオチャルメルソウとは比較的容易に区別できる.また本種はオ オチャルメルソウと異なり,ミカドシギキノコバエの訪花を受けない点で生態的にも異なっ ている.また花には鼻で感じられるにおいがほとんど無く,ライラックアルデヒドも放出し ない.しばしば同所的に生育するチャルメルソウはミカドシギキノコバエにのみ送粉される ため,両種間で花粉が移動することは滅多に無いと考えられるが,数例雑種が見つかってい る.これは,両種ともに低頻度ではキノコバエ以外の昆虫の訪花も受けるためだと考えられ る』と言う記述がありました。

研究者の奥山雄大氏 ヤマトチャルメルソウと言う命名をしたお一人なんですね。

(虫媒花の)植物の受粉についての昆虫の役割と言うか、超簡単に言えば、受粉について特定の植物ごとに、特定の昆虫が関わっていることに着目しての研究みたいなことをされている様です。

 

それにしても不思議な花ですよね~いつ見ても脳みその神経細胞、樹状突起と細胞体などからなるニューロンみたいって思います。

本物のニューロンは見たことがありませんが・・・笑い泣き

 

 

不思議と言えば、こちらも不思議なタマゴケ 少しずつ玉が出来始めて来ましたね。ニコニコ

 

 

セントウソウも咲いていました。

左の葉はカテンソウ? 違う植物のものみたいですが、小さな白い花はセントウソウですね。

 

 

こちらの小さな花は、スズシロソウです。

 

 

そして、今年も可愛いトウゴクサバノオが咲いてくれていました。お願い

 

 

もう一度、シロバナネコノメソウ・・・

 

 

そして、こちらには、シロバナネコノメソウと、トウゴクサバノオの奇跡のコラボレーションですよ~♪ラブ

 

 

可愛い色の、可愛い花ですよね。

 

 

そして、こちらはサイゴクサバノオ。

サイゴクサバノオと、トウゴクサバノオが同じ山で見られる金剛山は、割と貴重な存在だと聞きました。

 

 

昨年は、時期が悪かったのかも知れませんが、どちらも何だかだいぶ少なくなったなと思いました。

しかし、今年は、割とたくさん姿を見せてくれている様な気がします。

 

 

裏側は、サンインシロカネソウなどと同じ様な模様がありますね。

 

 

花に近づいて見ます。

白い花びら、花弁の様に見えるのは、ご多分に漏れず萼片で、オレンジ色の部分が花弁なんですよね。

これは、もちろん、サイゴクもトウゴクも同じです。

 

 

この子は、たくさんの花が咲いていますよね~♪爆笑

 

 

そして、また、違う場所に移動して来ました。

 

 

裏側の紫色っぽい模様も何故か好きなんですよね。

 

 

 

 

やはり、こちらの場所も今年は、割と多く咲いているように感じます。

 

 

サバノオと言う名前の由来は、花の後に出来る二つに開いた実を鯖の尾に見立てたのは、ご存知の事と思います。

 

 

また、来年も逢いましょうね。お願い

 

 

今回はこれにてお仕舞いです。

お付き合い頂きましてありがとうございました。ニコニコ