2014年のドイツ、そこで目を覚ましたのはなぜか本物のアドルフ・ヒトラー
彼は70年のブランクを乗り越えドイツの、この世界の現状、メディア、人々が欲するものを察し
最初は”そっくりさん”として笑われながら人々の前に現れるものの
やがては変えようがない大きな流れを再び、21世紀に巻き起こそうとするのです。
どうもアケオメってやつです。
んーどうにもこの手の新年挨拶を自発的にするのは今だに慣れませんね。
久しぶりに強烈な印象を受けた映画の感想を。
セリフは去年公開、最近ビデオリリースが始まった「帰ってきたヒトラー」より
ヒトラーが微笑みながら登場人物に言い放つ言葉です。
最初はコメディかと思って借りたんです、しかしこの映画はホラーと言っても過言では無いですね。
印象に残るのがドイツの街中、ベルリンやその他の大都市でゲリラ的にヒトラー役の人物が
軍服を着てドイツ国民と話している場面、これ大半は仕込みではなく実際のドイツ国民
そしてその国民が思っている意見だという事。
21世紀のドイツ国民が歴史上の豪腕指導者に何を求めているか
どんな率直な感情を持っているかがひと目で分かる
そしてドイツの人々の関心の示し方を知ると、この作品の真髄は
決してコメディなんかではない事が分かり、寒気すら走ります。
貧困問題、移民、差別。
綺麗事で片付かないドイツの現実、これを70年後に目覚めたヒトラーはどう扱うのか
そして70年前の歴史から学んでるはずの人々はどう彼を迎えるのか。
新年一発目から非常に重たい、というか逃れられないテーマの映画を観てしまった気がします。
日々の暮らしに不満が溜まれば溜まる程、思考は単純になり、目の前の大きな流れに
身を任せる習性が人にはあるのではないでしょうか?
希望だけを根拠なく増幅させ、思考を止め、とにかく打開してくれそうな何かにすがりたい、と。
1940年代のヒトラー目線で見た2010年代のTV、ネット、民衆の欲求
時代は変われど、民衆の不満と何を求めているかは結局第二次世界大戦と同じく
歴史上最も悲劇を起こした時代と変わらないのでは、という表現にドキリとさせられました。
映画の感想としては、この世界が永遠の楽園になるって思ってる人には
何も響かない映画だと思います、超自然的な存在がそんなことは絶対にさせないって
思ってるでしょうからコメディとして楽しめるかもしれませんね。
けれども、70年前には実際に大事件が起きたことを歴史が証明しています。
隠し様のない実話、悲劇として実際に世界を大混乱を起こし
枯れ草に落とされた一本のマッチの火のような存在、実在の人物だったヒトラー。
そして火が瞬く間に燃え広がるのに十分な環境に
21世紀の現代は戻っているのではという問題提起。
ヒトラーが帰って来たのではない。
ヒトラーじゃなくても火が点きそうな危険な世界に、今は再び戻りつつあるのだ。
そう劇中で語られてるような気がしてなりません。
個人的に思っている事として、いずれこの世界はまた大きな戦争を起こすと思います。
JWという人の絆を悪用するような組織が生き長らえてるくらいですからね。
人の心の中の真っ黒い部分はいずれ、大なり小なり火が付き
沢山の犠牲者を出すと思います。
それは規模としてWW2のリピートなのかもしれません、それよりもっとおぞましい事かもしれません。
もう2017年です。
去年発表された終末時計は冷戦の時と同じ「3分前」に戻されました。
偽預言者の言う終わりは来ませんが、厳しい現実は容赦なく襲ってくるでしょう。
戦争は起きない、明るい未来を信じる、なんて綺麗事を言う気は無いです。
ただ、結果がどうあれ、この世の中が進んでいる方向に対して
自分の意思は隠すことなく示すべきだとは思いましたね。