「認知症になった蛭子さん」(蛭子能収)「85歳のひとり暮らし」(田村セツコ) | 図書館読書日記

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「認知症になった蛭子さん」(蛭子能収)


妻の告白(蛭子さんとの出会いから離婚危機、そして介護へ、「死んでしまおう」とまで思った日々の事)、妻によるゆるゆる介護相談、マネージャーの告白、担当記者の告白と続く。TV番組内で認知症が発覚したと思っていたけど、「主治医が見つかる診療所」前に既に発症していて、公表の場として当番組を選んだそう。

後半は「蛭子さんのぼけぼけ人生相談」。

相談中、脱線してマネージャーに「回答して下さい」と注意されたり、「あれ?そうだっけ?」と記憶を正されながらの回答、周囲の人は大変だろうけど面白い。相変わらずゆるゆるながらも、ゆるいがゆえに気が楽になる回答。相談者は意外にもスッキリしているかもと思う。

「仕事は意気込みなど不要。どうせ仕事ですから。金が稼げているのならそれで良し。生き生きしてやるなんてバカらしいし、悩みを持つなんて無駄。」

「仕事は死ぬ気になってやる事ではなくて、死んだふりをしてやるもの。死体になったつもりで働けば、嫌な事も受け流せるし、適当に笑う事なんてそんなに難しい事ではありません。」

「辛い事に耐える必要はないと思っています。いじめは逃げた方がいいし、無理して学校へ行ったり友達と付き合ったりする必要もないと思っています。」




「85歳のひとり暮らし」(田村セツコ)


「無理に若さを求めない、老いを楽しむ事が一番だから無敵です」という姿勢が良く、色々と参考にしたい話がたくさんありました。

新聞を、世間を教えてくれる家庭教師だと思っていること。

歩ける事、水道が出る事、普段当たり前だと思っている事に気付いて毎日喜ぶこと。

面白いと思ったのは、役所の人が保険証を使わなすぎると家に調べに来たというエピソード。そこで健康法を聞かれて、あまり病院に近づかない事と答えたそう。また、75歳の時に交通事故にあい、脳の状態が50とか40歳位と言われ、「そんなに年を取っているんですか」と聞いたら「普通は喜ぶところだ」と言われたり。「見た目の若さは体の若さ」は本当だなと思った。

「一番すごいのは人間の身体だと思っているの。目が見えたり、耳が聞こえたり、匂いを嗅いだり、そういう事が出来るのが億万長者だと本当に思います。」「お年寄りには既に情報がぎっしり入っているから、それ以上は入りきれなくて削除する必要があるから忘れるんだって思ってます。」

気に入ったという曽野綾子の病気との付き合い方の言葉。「あまり熱心にしつこく付き合うと病気は出て行ってくれないけど、あっさり付き合うと離れてくれる。」