「高砂コンビニ奮闘記」「ひとりになっても、夢中になれることをお持ちなさい」 | 図書館読書日記

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「高砂コンビニ奮闘記」(森雅裕)


東京芸大を卒業し、「モーツァルトは子守唄を歌わない」で第31回江戸川乱歩賞を受賞、約30冊の刊行を経て、今は日本刀関連の金具制作や彫刻をやっているという著者。一見輝かしい経歴だが、これは10年近く出版界から干され、ここ数年ホームレス同然の生活の末、深夜コンビニバイトを閉店をもって終わるまで1年1ヶ月経験した著者が、ワーキングプアから見たコンビニの実態を描いた体験記である。

本書ではコンビニでの仕事が事細かに記されていて、仕事上のコツや職場の人間関係、客層の悪い店ならではのタチの悪いクレーマーの話など、臨場感いっぱいで楽しく読めた。

最終章では、作家からの失業により手のひらを返したような人々の仕打ちやみじめなワーキングプアの実態が描かれている。ここは読んでいてこちらまで辛くなった。出版界から干された理由については、編集者から嫌われたとしか描かれてておらず、詳しいことは分からないけど、乱歩賞全集に一人だけ収録されなかったとかよっぽどかと思うのでこのいきさつだけでも本が書けるのではと思った。

ワーキングプアについては、今こんな人がいっぱいいるのは事実だし決して他人ごとではなく明日は我が身と心して読みました。




「ひとりになっても、夢中になれることをお持ちなさい」(三星静子)


92歳の時それまでの趣味の古ぎれコラージュの個展を開催し、99歳になってもなお一人暮らしをして創作に励むスーパーおばあちゃんの本。ところどころ作品の写真が載っているのも楽しい。

私は年寄りの苦労話や説教が嫌いではないので、普通の主婦としてのこれまでの話も面白く読めた。普通の主婦といっても、息子3人は皆一流大に現役進学し一流企業で活躍したそうだし、娘は「草乃しずか」という日本刺繍作家さんなのだそうで、私からしたらもう普通ではないですけどね。お年を召してからの健康、生活の工夫の話も、見習いたい年の取り方をした人だけに参考になります。