2018.10月 ファミリーキャンプ
釣り堀も開催されていて、釣った魚は買い取りとなり、その場で炭火焼にできる。
さらに、おでんと焼鳥を食べているところで、
茨城県城里町 ふれあいの里
家族3人で向かいます。
10月の最初の3連休。
直前の電話で、なんとか滑り込みの予約をしたのは城里町ふれあいの里キャンプ場。
でも、第1サイトの木々は心地よく太陽を遮ってくれたし、そよ風は気持ちよく木々の合間を通り抜けていった。
そのせいか、遅めのお昼となったカップ麺は、予想以上の美味さだった。
たまらずにビールで一服の後に、ようやく設営完了。
「なんだか、予想以上に気持ちいいな」と親子で言いながら、設営後の休憩。
「オリオンビールってフルーツぽい味なんだね。あたし、もういいや。あとはあげる」と差し出してきた。
「これは発泡酒だね。本当のオリオンはすっきりしていて、とても飲みやすくて、ついつい何本も空けちゃうくらいうまいんだ。今度はちゃんとオリオンビールを買ってみたらいいよ」と山猫は答えてみた。
妻は苦虫を噛み潰したような顔のまま、山猫のほうに目も向けなかった。
今更そんなことを言われても、どうしようもないのだ。
薄味だからクイクイ飲めちゃうんだ。だからね、買うなら3本は買った方がいいよ。それくらい飲んで初めて、オリオンビールって旨いね、って分かると思うんだ。と山猫は心の中で続きを口にしてみた。
でも言うのはやめておいた。
人は、思ったことをなんでも言えばいい、というものでもないはずだ。
普段、あまり空気を読まない山猫でも、それくらいのことは分かる。
設営の間に、キャンプ場をひと回りして来たという娘に、キャンプ場見学ガイドを頼む。
ノボリも立ち、賑やかなバーベキュー広場。
新たに作られたという広場サイトもしっかりと見学した。
林間サイトも気持ちいいが、やはり空が見えるのは大きな魅力だ。
ただし、25℃近い気温で快晴のこの日、直射日光の当たるこのサイトは、当然ながら暑い。
逆に、乾燥撤収にこだわりたい冬ならば、このサイトはとても魅力的だ。
この時間は誰も釣りをしていなかったので、時間が決まっているのかも知れない。
説明の看板を読みながら、
「ほぅ、そういう仕組みなんだねー」という娘は、やってみたいとは言わなかった。
もちろん山猫も、やってみようか、などと誘うこともない。
この辺は、親子の阿吽の呼吸というものだ。
今回で4回目の訪問になるふれあいの里だが、山猫が訪れたのは、いつも冬だった。
それでこのキャンプ場には、少し寂れた印象もあったのだけれど、こうして暖かいシーズンに来てみると、とても居心地がいい場所で、山猫のイメージは一変していた。
「ここはきっと、キャンプが大好きな人が作ったんだと、パパは思うよ。とても気持ちがいい」
「きっとそうに違いないね」
娘とそんな会話を交わしながら。
サイトに戻り、しばらくすると日も暮れる。
今回はキャンプでのんびりおでんを食べて、熱燗を呑む、と山猫は心に決めて来た。
テーマは"おでんキャンプ"なのだ。
本当はこの3連休に、妻はアルバイト先のお店の社員の皆様と、高尾山に行く企画がある、と言っていた。
娘も連れて行くという話しだったので、
「それは俺に、3連休もひとりでずっと仕事をしていろということかな。それとも俺に、ひとりきりののんびりした休みをくれて、自分たちはアルバイト先の人たちと高尾山に行きたい、という意味かな」と、夫婦間で多少のバトルが繰り広げられた。
「.もちろんパパが休みなら、家族でどこかに行こうよ」という妻の大人な対応で、この事件は一件落着した訳だが、
「山登りの方がいい!あたしはもうキャンプ飽きた!」と娘は最後まで抵抗していた。
娘も、もう6年生なのだ。
そろそろキャンプを卒業する時期が近づいたのだろう(そう言えば息子もこの時期に、キャンプを嫌がりだした。ちなみにこの日は部活の合宿で不参加だ)。
子供たちはきっと、キャンプがつまらないのではない。
家族のレジャーが、キャンプばかりだということに反抗しているのだ。
そんな娘を慮り、
「いいよ、パパはひとりでキャンプして来るから。ママと山登りして来な」と言っていた山猫だったが、10月頭の激しい台風のせいで、山猫の平日ソロキャンプはお流れになってしまった。
そして10月に山猫がキャンプに行けるのは、もうこの連休しかなかったし、連休にソロキャンパーの居場所を見つけるのは容易いことではない。
以上から、おでんキャンプはソロから急遽、ファミリーへと変更された訳だ。
キャンプ以外のレジャーもしたい、という娘には悪いが、山猫が父である以上、家族のレジャーはキャンプとなる。うむ、それは仕方ない。
でも、この日のキャンプ場は、本当に気持ちよく、娘の機嫌はとても良かった。
「本日の天文台は20時半から開始致します」
と、場内放送があった。
どうやら天気は良い方に変わり、空には星が出ているようだ。
「よし!今日は星を見に行こう!その前に、少し仮眠を取ろう」
時刻は20時。
すっかりおでんでお腹いっぱいになり、熱燗でほろ酔いになった山猫は、これ以上起きていられる自信がなかったのだ。
開始直後は混むから21時に天文台に行く、と段取りを決めて、山猫がテントの中に横たわったところで、つづく…