2018年9月  ソロキャンプ
埼玉県嵐山町  月川荘


秋になりました。
日中の最高気温も30℃を下回り、朝方の最低気温は20℃を下回るようになって来ました。

そして、この気温を待っていました。

「こんな日が来るんだねー」と妻と言い合って、ようやくホッとしています。

さて、夜は焚火も心地よいでしょう。
フィールドへ向かいます。






9月のキャンプのテーマは、まったり静かに、自然に溶け込み、とことん焚火をするキャンプ。




選んだのは、お馴染みの月川荘さんだ。

ちなみに家族は誰も、今回のテーマに賛同してくれず、山猫はソロキャンプとなった。

家族はキャンプにレジャーやエンターテイメントをまだ求めているのだろう。

山猫とは少しだけ違う。少しだけ。



今回も橋を渡ったバンガローゾーンに潜入。


平日なのに、そこでは前日から入っていたソロの方と、バンガロー泊の学生グループがいらした。

管理棟で聞くと、この日で皆さんお帰りになるそうだ。



設営完了。


撤収されるソロの方に場所を譲ってもらった。

空が見えるサイト。やっぱりいい。



ビールを空けて一服した後、ふらふらと川へ降りる。


河原の砂利に腰をおろし、透明な水の流れを眺め、渓谷の木々を眺めてみた。


もちろんビールを片手に持参し、アイコス を吹かしながら。


さあ、自然の中に溶け込んでみよう。

山猫は、自分が川の流れの水になり、渓谷の崖に根を張る木々になったというイメージを持ってみた。

川の水は、「わたしは水ですからぁ…川の流れですからぁ…」と、それだけを繰り返し、悠々と目の前を流れて行った。

渓谷の木は、「俺、木だし」とだけ語り、あとは固く口を閉ざし、そこに毅然として立ち続けていた。


わたしは水ですからぁ…

だって俺、木だし…


そこには一切のノイズが感じられなかった。
このままでは山猫は、禅でいう無の境地に入ってしまうのではないか、とさえ思った。

でもビールを片手に煙草を咥えながら、悟りはひらけないんじゃないか。
それに山猫は、ここに悟りをひらくための修行に来たのではない。何を隠そうキャンプに来ているのだ。



すっきりしたので、立ち上がることにする。



サイトに戻り、刺身用のスルメイカをツマミにしながら、やきとりを開始。




今回は東松山駅前の「ひびき」さんで、豚のカシラを仕入れて来た。


東松山は、噂には聞いていたがやきとりのカシラで有名らしく、今回のキャンプで初めて駅前に立ち寄って来た。

炭火で温め直したのでジューシーさが失われたのかもしれないが、臭みもなく、十分な歯応えだった。



やがてバンガロー泊だった学生グループもお帰りになり、そろそろ日暮れ。


このゾーンには山猫だけになり、鈴虫たちはここぞとばかり、一斉に鳴き始めていた。


屋根下の炉を覗いてみると、すべての場所に炭の灰が積もっている。


きっと夏の間に、それだけ多くの訪問客があったという名残だろう。



川の近くの岩場などには飲みかけのビール瓶やタバコの吸い殻が落ちていたし、トイレには大型の蜘蛛が頑丈な糸を張り巡らせていた。

すべてが夏の爪痕のように見える。


まだまだ蚊も多く、トイレにはとても肥え太った大きな蚊が大量に飛んでいた。
きっと学生グループの女の子たちは、控えめに言って、かなりのストレスを感じたのではないか。



でも、そんな狂ったような季節もようやく終わったのだ。

月川荘さんにもお疲れ様でした、と言いたいところだ。
※でも、いつかトイレ棟を新しくしてくれたら嬉しいですw



夕飯のメインはパスタで。


イカとトマトペーストで和えて、白ワインで頂く。


う〜ん。デキはイマイチ。





さて、今回のキャンプにはもうひとつミッションがある。


息子の工作遊び用にとってあったという、みかん箱いっぱいの材木を燃やす予定なのだ。

今や息子は高校生だから、この材木は10年近く自宅のベランダにあったのではないかと推測される。

妻に言いたい事は、もちろんたくさんあったが、山猫は黙ってこの段ボール箱を受け取ってきた。



さあ、我家の断捨離に協力だ。


材木は思った以上によく燃えたし、ほとんど爆ぜることもなかった。

長い年月で、じゅうぶんに乾燥していたのだろうw


2時間ほどかけて、すべて燃焼。


とてもすっきりした気分で、ワインと焚火でウトウトしかけていた山猫だったが、ふいに誰かの足音で目を覚ます。

咄嗟に足音の方に振り向くと、タープの横を歩いていく若者と目が合った。
そして彼は無言のまま足早に立ち去って行った。

バンガローゾーンにはこの夜、山猫しか居ない筈だった。

一服して気持ちを落ち着けてから、何処かに侵入者がいるのかと思い、山猫は焚火用のシャベルを手にして、辺りを軽く捜索した(ビビり過ぎでしょうか?w)


でも既に、人の姿は見当たらなかった。
翌朝の散歩の時になってようやく、夕方から入ってきたキャンパーのひとりだと分かった。

場内は暗いので、トイレにでも行く途中で少し道を外れてしまったのかも知れない。
それにしても夜中に人のサイトに接近する際には、挨拶くらいはしようか?(^^;)

控えめに言って、とても怖いじゃないか‼️(そしてビビったおじさんに攻撃されるかも知れないから危ないですよ)


この夜は、ビビりながらも就寝。



朝は晴れ間の見える曇り。


わたしは雲であ〜る…
今のところ雲をやってお〜る…





持って来た薪で、再び朝焚火。


あちこち疲れて、強張っていた身体も軽くなっている事を確認する。
キャンプのフィールドマジックも、ちゃんと健在のようだ。

そして同時に、山猫のノイズ(雑念)もかなりクリアになっているような気がした。

「俺、山猫だし…」

独りごとを言ってみるおっさん。。。



この朝の結露は激しく、テントの中やマットの下まで湿っていた。こんなのは初めてだ。


でも、早めの撤収を開始する。
次の休みにでも、乾燥デイキャンに出かければいい。

そして山猫はこの日、午後から仕事に戻ることを決めていた。
なんだかとても、元気になっていたのだ。

そんな9月のソロキャンプだった。



追記


週末の休みに、暇そうな娘を連れて乾燥デイキャン実行。

サルスベリが綺麗だった。



おわり…