2018.6月  ソロキャンプ 
群馬県渋川市  くりの木キャンプ場


続きです。
うたた寝の後、軽く場内を散歩します。


キャンプ場内の道を歩いていてもこんな景色が見られます。

そして、この景色が夜には輝き出します。




コールマン ツーリングドームSTの中でうたた寝から目覚めると、時刻は17時を過ぎていた。

まだ空は明るいが、そろそろ夕飯の準備をしなければならない。


テントから這い出て周りを見回してみるが、メマトイはもう山猫に襲いかかっては来なかった。
(※メマトイ 人の目を目掛けて大群で特攻してくる小さなハエ?)

虫たちもきっと、活動する時間が決まっているのだろう。

〜メマトイは夕方には居なくなる〜

とりあえず山猫は仮説を立てておいた。



さて、水場へ行こう。夕飯を作らなければならない。


スモールサイトからは西の炊事場が近いと説明を受けていた。

マップではスモールサイトから左に伸びる点線を進むと車道に出て、そこから炊事場に行けるはずだ。

そしてこの点線の道も、かなりの斜面だった。
しかもこちらは一直線の坂道だ。


ずるずると、たまに滑りそうになりながらも小股で登り、山猫は何とか転倒する事なく車道に出た。

「スモールサイトは上級者向けです」と公式HPに謳われていたし、斜面に作られた場所だという事も事前に分かっていた。

コンビニに行くような気楽な格好のまま、クロックスのサンダルで能天気にやって来た山猫が、全くもって迂闊だったのだ。

次回は必ずスニーカーを履いてこよう…(^^;)






振り向くと雄大な景色が広がっていて、思わず、おーっ…と唸ってしまう。

ここからは車道の勾配も比較的急になり、砂利で滑りやすいからなのか4WD専用ゾーンとされている。




その4WD専用サイトのひとつ、W1。

広さはファミリーキャンプの装備を展開するのに充分で、やはり木々の間から街を見下ろす事が出来る。

くりの木キャンプ場では中央のCゾーン以外、殆どのサイトで夜景を見れるように工夫がされているようだ。


素晴らしい。いつか家族でも来て見たい。





炊事場もオーナーさんの手作りだろうか。
ウッディな設備はシンクもトイレもとても綺麗に清掃されていた。

そして看板がひとつひとつどれもかわいい。


シンクは洗顔ゾーンと皿洗いゾーンの2つにきちんと分けて造られている。

確かにキャンプの朝、人が食器を洗っている横で歯を磨くのがちょっと気まずい時があるものだ。




こちらもおそらく手造りの遊具設備。
お子さんたちが楽しめる配慮も忘れていない。


このキャンプ場では、大人3人以上で集まることは禁止で、もし偶然知り合いと集まったという事でも、それはキャンセル扱いとなる。

夜の8時以降は静寂時間とし、炊事場は夜10時で自動消灯される。


細やかな心配りをするのと同時に、優しそうに見えるオーナーさんが作ったとは思えない厳しいルールもあるのだ。

それでも今や、なかなか予約が取れないと言われるほど、ここは人気のキャンプ場になっている。


オーナーさんにはいつか、NHKの「プロフェッショナル」に出て欲しいものだ(山猫もいつか出たいw)。




手洗い・食器濯ぎ用の水も確保してサイトに戻る。


余談だが、ずっと使って来た我家のジャグがついに壊れたので、今回からこのタンクを使用する。

¥1,000もしない値段だったが「重さ 丁度いい!」という文字に魅かれた。

そして驚くべきことに、確かにちょうどいい。





せっかく素敵な石炉があるのだから、夕飯はすべて炭と薪でやってみる事とする。

お湯を沸かすだけでも時間はかかるが、今日はソロキャンプ なのだ。


時間は自分だけのもの


思いっきり贅沢に時間をつかうのだ。




メニューはまたまた永井食堂さんのもつっこ。
ピリ辛のモツ煮はアルコールとの相性も抜群だ。

もつを煮こむ間にハムステーキエッグをつまみにして、炭水化物にはおいなりさん。

ぶぅ〜んという大型昆虫の羽音はたまに聴こえるが、飲み物や食べ物に突進してくるような虫は幸いにもいなかった。





ようやく日も暮れてランタン点灯。

そしていよいよ夜景が始まる。










スマホで引きで撮った画像だと夜景は小さく見えるが、チェアに座って眺める山猫の実際の視野では↓の感じだ。


この大きさで夜景が視界に広がっている。

スマホの画像ではもちろん伝わらないし、言葉で何と説明すればいいのかも分からない。

そんな光景だった。


モツ煮も旨かったが、今回のキャンプの最高のご馳走は、やはりこの夜景だ。





夜景の邪魔になるといけないので、相棒の286Aは今回、虫集めの役割を担ってもらった。


「山猫さん、いろんな虫が私に特攻してきます!いったい私は何かしたのでしょうか? どうして虫たちは私に…バチッ バチッ…  山猫さん…」


286Aの悲痛な叫びが聞こえたような気がしたが、山猫はそっと目を背けた。

今日は耐えてくれ!  286Aよw





夜景とモツ煮で満腹になり、持ってきたバーボンまでは辿り着けなかった。

あまりにも食べ過ぎて満腹なので、再びテントの中で横たわって休憩していると、妻と娘からおやすみコールがある。


「どんな感じ?」と妻が聞いてくる。

「何もかも完璧だよ。素晴らしい」


山猫はそう妻に報告して、寝る前のトイレへ向かった。


ランタンの灯だけで再び崖(斜面ですw)を登りトイレに行く。

場内は夜景と星空を楽しんでもらうために最低限の灯りにしているそうで、ほろ酔いのおっさんにはなかなかハードなトイレへの道のりだったが、そこにもご褒美のような夜景が広がっていた。


本当に、ご馳走さまでした…






朝は6時頃に起床。




薪だけでお湯を沸かして珈琲をいれ、昨晩食べ切れなかったモツ煮を再び朝食に頂く。


そして、朝食を終えて食器まで拭きあげてみたが、時刻はまだ8時前だった。

すべての作業をゆっくりとやっているのに、時間はまるでいくらでも有り余っているかのように流れていた。



その後、中央サイトや管理棟まで散歩に行ってみたりする。

どのゾーンも魅力的なサイトだったが、ジャズが静かに流れているという噂の東炊事場を見るのをうっかり忘れてしまった。

また次回のお楽しみだ。




チェックアウトは11時だが、早めの撤収で動いた。

たったひとりのソロキャンパーがファミリーキャンパーさんのチェックアウトを妨げるのは烏滸がましい。

ソロキャンパーは密かに侵入し、そっと退散するのだ…w


さて、荷物を運ぶソロキャンプをする度に思うのだが、どうしたら運搬回数を減らせるだろうか?

後日のため、荷物をザッとまとめて画像に残してみる。

燃料や炭などは置いていけるだろうが、その他はなかなか削れない気がする。


最近読んだ人気ブロガーでもあるミニマリストの"おふみ"さんの本によると、

モノの適量は人それぞれ。
自分にとってモノの適量がどれくらいなのか探りながら暮らし、モノが少ない方が心地いいと感じる人のことを、私はミニマリストと定義している。

それは不便をしてまで、少ないモノで暮らすこととは違う。

というような事が書かれていた。
とても共感してしまって、現在自宅でも少しずつ断捨離中だ。


そしてキャンプにおいても、ひとつひとつの道具を見るとどれも必要な物だと思えるのだが、トータルで見るとどうもモノが多い気がする。

適量ではない、と感じる。



いいさ。
俺はゆっくりゆっくりとやっていけばいいんだ。

そう思いながら、山猫はまた6回程往復して荷物を運んだ。


モノが少なくなると暮らしも、人生も身軽になります。
そして運気も良くなると感じています。

とおふみさんは書いていた。

うむ。望むところだ。
そしてキャンプでももっと身軽に動けるようになるだろうw




さて、撤収も終えて積込みも終わるが、この辺の山ではベリー(山葡萄?)が多くなるようで、


ひと晩でこれだけのベリーが車に落下していた(^^;)

「こんな状態ですけど…私のせいじゃないですよね?」という困惑したエクストレイルの声が聞こえた気がしたが、山猫はここでもそっと目を背けたw



「特に何もなければ、管理棟には寄らずにそのままお帰り頂いて結構です」と受付の時、オーナーさんに言われていたので、山猫は10時過ぎにキャンプ場を出た。

最後に、お世話になりましたとひとこと言ってから帰りたい気もしたが、オーナーさんは忙しいのだ。
邪魔をしてはいけない。




こうして久々のソロキャンプも終了。

帰り道のコンビニで、車に付着したベリーを拭き取りながら、山猫は何故かニヤニヤと微笑んでいた。

きっと今回はそんなキャンプだったのだ。



おわり…