クリスマスのカフェ | ほうれん草とビール

ほうれん草とビール

日々のつれづれ、読んだ本、聴いた音

テレビもつけず、本を読むか眠っているかだったので日付の感覚が無かった。

今日はクリスマスイブだった。

焼肉でおなかがいっぱいになってからまともに食事をとっていなかった。サプリだけは飲んでいたが。

近くのショッピングモールへ野菜ジュースと豆乳を買出しに行って今日がイブなことに気づいた。アイスクリーム屋のお姉さんが可愛らしいサンタコスチュームでケーキあと5個!と言って必死で売っていた。

それほど素晴らしい店構えとはいえないが、結構気に入っているカフェがあって、そこに行って本を読んだ。珈琲がなかなかいけるし、なんというか経営している人の意志が伝わってくる店なのだ。

で、僕もひとのことは言えないのだが、その店にクリスマスなのに疲れた様子の親子連れが居て気になった。

何が気になったのかというと、まだ若くて綺麗なお母さんがくたびれた様子でタバコをふかしていて、連れの小さな女の子に煙をふきかけている。

ちょっとまずいんじゃないのかなあと思って眺めていた。女の子はうれしそうに何かデザートを食べている。とても可愛い女の子だ。お母さんもとても綺麗なのだが、ファッションはラフで、ちょっと汚れたズックと、あっさりとしたダッフルコート。イブのこんな時間なら家でごちそうの準備でもしてるのが普通じゃないかなあと思った。

とにかくこのタバコは良くないなと思ったけど、そのお母さんの表情を見ていたらそれもしょうがないんだろうと思った。タバコをふかすことで何らかの面倒な状況を乗り越えて、この女の子がひとり立ちするまで守ってあげられるのなら、いくらでもタバコ吸ってもらってもいいんじゃないかと思い直した。

僕の親父もヘビースモーカーだった。昔は土曜も半日働くのが普通だったが、僕は土曜の夕方になると親父にパチンコ屋に連れて行かれた。まずパチンコ屋に行く前に本屋に行って何かの文庫本を買ってもらっていた。親父がタバコをふかしながらパチンコしている間に僕はその本を読む。パチンコ屋で読んだ本で印象に残っているのは、北杜夫の「船乗りクプクプの冒険」だったと思う。

今、僕はタバコなんてとても吸えないし、臭いも我慢できない(昔ちょっとだけ吸った時期はある)。

たまにパチンコ屋の前を通りがかってドアが開き、中のモワーとした空気がやってくると本当に「うえー」という感じだが、小学生のころの僕はそんな店の中で呑気に読書し、読書に飽きるとその辺に転がっている玉を集めて打っていた。あのころのパワーが今でも残っていればなあと思うくらいだ。

そういえば、退屈していると、ときどき知らないおじさんがチョコレートなんかくれたりした。そういうのもちょっと嬉しい。

あの女の子も、お母さんのタバコはちょっと大変だと思うが、それでお母さんが日々を乗り切っていければなあと思う。親が子を守ることがなかなかできない時代だから。