平成24年10月1日に診断士登録して、2年と1ヶ月。
3年生としての今年は趣味・特技であるスポーツを診断士目線で思考・行動していきたいと思います。

差し当たり身近なところでサッカーネタ。サッカー
JリーグのHPには試合日程や成績・記録だけでなく様々な情報が掲載されていて、研究対象としても面白い。

例えば、Jリーグには「理念」「活動方針」があり、そして「百年構想」がある。
これは企業経営における「経営理念」「経営行動基準」「経営ビジョン」にあたるものであり、組織運営上不可欠なものである。(因みに、日本プロ野球のHPにはこれらが見当たらない。不可欠なものが欠落しているのか、存在するけどHPに掲載していないのか。どちらだろう?)
こんな大所高所的情報から、Jリーグの定款、規約、倫理規定から旅費規程に至る細部の情報まで公開がなされている。

そんな中で、手始めにJ1各クラブの経営状況について見てみる。
ソースはこちら。
↓↓↓
2013年度(平成25年度) Jクラブ個別情報開示資料(J1)

1) 営業収益
上位3チーム、J1平均、下位3チームを並べてみる。(単位:百万円)
1.浦和  5,786
2.横浜FM 4,315
3.名古屋 4,226

平均   3,078
16.甲府  1,481
17.大分  1,406 
18.湘南  1,191


我が浦和が堂々のリーグトップ。圧倒的なサポーターがいることから入場料収入が21億円と2位の横浜FMの倍以上を稼ぎ、またスポンサー企業等からの広告料収入が23億円と名古屋に次ぎ多い。この2本柱に加え、放映権料やライセンス料といったその他収入も10億円を超えており、バランスよく稼いでいるのが分かる。参考までに世界一収入の多いサッカークラブ(2014年8月時点)はレアル・マドリードで675百万米ドル、1米ドル=100円換算で675億円ビックリマークと浦和の実に12倍弱。
一方、最下位の湘南はJ1平均の約1/3、浦和の約1/5ほどに留まっている。
なお、横浜FMやFC東京はアカデミー関連収入で4億円ほど稼いでいる。これはユースチームの運営・興行から得られる収入であり、人材面のみならず収益面でも今後Jクラブチームが着目すべきところではないかと考えらえる。

2) 経常利益
同じく上位3チーム、J1平均、下位3チームを並べてみる。(単位:百万円)
1.大分  222
2.浦和  161
3.広島  147

平均     31
16.清水  ▲ 39
17.名古屋 ▲ 58 
18.鳥栖  ▲297

なんと、営業収益17位の大分が浦和超えの2億円強でトップ、そして営業収益3位の名古屋が3億円弱の赤字でぶっちぎりの最下位叫び
大分はチーム人件費5.5億円(浦和の約1/4)、試合関連費用7500万円(浦和の約1/7)、その他費用も軒並み切り詰めたの要因。債務超過解消への道筋をつけるもののJ2に転落し厳しい経営状況は続くものと見られる。
逆に、名古屋はリーグトップとなる23億円の高人件費が響いた。営業収入に対するチーム人件費の割合は55%を占めている。チーム人件費と成績順位との相関関係が大きいというが、この年は11位に終わり、今年も今日現在12位に低迷している現状を見ると抜本的な見直しの必要に迫られるだろう。
なお、前出のレアル・マドリードは営業利益ベース(経常利益ではない)でも世界一で日本円にして約175億円とJリーグのクラブとは比較にならない。脱線ついでにプロスポーツクラブで営業利益世界一はアメリカンフットボールのダラス・カウボーイズの246億円。これは本拠地スタジアムの命名権契約をAT&Tと12億ドル(約1,200億円)で締結したことが主要因と考えられる。

今回は、Jリーグ各チームの収益や費用の規模感を掴みながら気ままに追いかけてみました。次回以降も興味あるところからグリグリ調べて、スポーツビジネスを少しずつ理解していこうと思いますグッド!