イヌがコタツの中で丸くなる理由 ハウス、クレートトレーニングのヒント? 3 | わんこも、そして飼い主さんも

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この冬、多くのご家庭で起こっているであろう「イヌは喜び庭駆け回らず、イヌはコタツで丸くなる」現象。
ここから、「イヌにとってのメリット」「褒めることの本質」について、お話をしています。

イヌがコタツで丸くなっている現象が起こっているとき、まず、前提として「部屋が寒い」という状況があります。
毛皮を着ているとは言っても、イヌも寒いもんは寒いということがあるでしょうね。
ところがある日、「コタツの中は温かい」ということを、イヌが経験しました。
すると、なんということでしょう。
あれほど家の中をウロウロとしていたイヌが、匠の用意したコタツの中でじっとしているではありませんか。
これには飼い主さんもびっくりです。
まさに劇的びふぉーあふたー的な展開が訪れるわけです。

「部屋が寒い」という状況にあって、「温かい」というのは大きなメリットでしょう。
だからこそ、「教えたわけでもないのに、勝手にコタツの中でじっとしている」なんてことが起こるんですね。
特に褒める必要もないわけです。
メリットは、コタツが用意してくれているわけですから。
つまり、「イヌにとって心地よい場所」であれば、イヌはその場所でじっとするわけです。

このコタツの話、ハウストレーニングやクレートトレーニングに応用できそうですよね?
ハウスやクレートでじっとできない、大人しくできないのはなぜか?
それは、ハウスやクレートが、「心地よい場所ではない」からです。
ハウスやクレートに入っても、「大したメリットがない」からです。
ゆっくりと、安心して気持ちよく過ごせる場所ではないからです。

だったら?
そう、「ハウスやクレート=心地よくで、メリットがたくさんある場所」にしてあげればいいわけです。

「メリットがあれば、進んでやるようになる」

これは、行動の原理、原則です。
「行動の科学」あるいは、心理学の中にある「行動分析学(応用行動分析)」で確立された原理、原則でもあります。
一般的には「強化の原理」なんて言われ方もしていますね。
学問的な話が出てくると、途端に難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、いたってシンプルな話なんです。
何も難しく考える必要はありません。
要は「なんかいいことがあるから、何回もやっちゃうんだよね」という話です。
そして、この「いいこと」「メリット」は、常に相手が決めること。

このあたりの話は、以前の「トイレを急に失敗するようになった事例」でも、詳しく書きました。
当たり前すぎて、うっかり忘れてしまう大事な考え方です。
だからこそ、何度も何度もお伝えする必要があると思っています。

どんなときであっても、どんな場面であっても、この基本原則、原理は忘れないでいただきたいなと思います。
ここさえきちんと押さえていれば、色んなことが「できる」ようになっていきます