「犬のリーダーになる」という考え方について 5 | わんこも、そして飼い主さんも

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「犬のリーダーになる」という考え方について色々書いてきたこのシリーズ記事も、今回で最後となります。

これまでの記事はコチラ       

まだ未読の方は、↑を読んでからお読み下さいませ。


理由6 時代にそぐわなくなってきている

これまでは「リーダーになる」という考え方の科学的、あるいは論理的な部分にスポットを当てて書いてきましたが、今回はちょっと違った視点から書いてみます。

「ペットの犬」との関わり方や、その位置づけは、この10年ほどの間で随分と変わってきました。
いわゆる「番犬」から、今日では「パートナー」「家族」といった存在になってきています。
あなたもきっと「犬は、もはや人間の家族、あるいはパートナーと呼べる存在です」といった言葉を、見たり聞いたりしたことがあるかと思います。
でも、いざ「しつけをしましょう」という話になると、何故か「飼い主がリーダー(またはボス)であることを、教えないといけない」とか、「主従関係をはっきりさせないといけない」という風に言われます。
これは、何だか矛盾していると思いませんか?
片方では「家族ですよ。パートナーですよ」と言われ、もう一方では「あなたがリーダーだと教えて、主従関係をつけましょう」と言われる。
いわゆる「ダブルスタンダード」というやつですね。

「家族やパートナーと言っても、犬にはリーダーが必要なんですよ」という反論もあるかもしれませんが、それについては1と2で疑問を書きました。

 参考記事
  「犬のリーダーになる」という考え方について 1
  「犬のリーダーになる」という考え方について 2

参考記事にもあるように、そもそも「犬にはリーダーが必要なんだ」という考え方自体に、疑問や批判が示されてきているわけです。
そして「ペットの犬」の位置づけも、時代と共に変わってきています。
だったら、そういった考え方はもうやめて、何か別の考え方を持つべきなのではないでしょうか?

実際、色々な飼い主さんからのご相談に乗っていて思うことは「多くの飼い主さんが『リーダーにならないといけない』と、変に追い詰められている」というものです。
ある飼い主さんは「リーダーにならなくちゃいけないから」と、「噛まれるかもしれない」と思いながら、犬を仰向けにしたり、後ろから羽交い絞めにしたりしています。
またある飼い主さんは「チャイム吠えは、飼い主がリーダーになれていないから」と言われ、チャイム吠えのトレーニングはそっちのけで、ひたすら服従訓練ばかりを毎日繰り返しています。
その間にも、犬の頭の中では「チャイム→吠える」という学習が蓄積されています。

「犬のリーダーになる」という考え方は、とても分かりやすく、非常によく出来た考え方だと思います。
でも、それによって、とてもしんどい毎日を送っている飼い主さんがいらっしゃることも事実です。

昔のスポーツ選手は、「練習中は水を飲んではいけない」と言われていました。
「水を飲むとバテるから」というのが、その根拠です。
しかし、今時そんなことを言う指導者は居ません。
とっくに時代は変わっているのに、考え方は一向に変わらない方が、おかしいと思いませんか?

「リーダーになる必要なんてない」

これが、このシリーズ記事を通して、あなたに伝えたかったことです。

それでは最後に、これを読んでいるあなたに質問を書いて、このシリーズの締めとします。



あなたがあなたの犬を飼った時…

あなたはその犬のリーダーになりたかったですか?

それとも、家族になりたかったですか?