あるヨギの成功の黄金律』を聴いたら読み返したくなった、この本。

 

西洋にヨーガを広めたヨーガ聖者、ヨガナンダの自叙伝です。

 

スティーブ・ジョブズのiPadに唯一ダウンロードされていたのがこの本だったとか。そこに興味を惹かれて読んだひとがいるなら、どういう感想を持つのかちょっと聞いてみたい気もします。

 

ヨーガ聖者がばんばん登場して彼らの超能力、彼らの超能力が起こした超常現象(奇蹟、恩寵)が書かれています。いうまでもないことですけど、それだけの本じゃないです。ヨーガの大切なことが伝わってくる本です。

 

初めて読んだときは、ヨーガの素晴らしさに感動するのと同時に、ヨーガはオカルトチックなものだと薄々感づいていたけれど、まさかここまでだったとは……ムーもビックリ! なんてことを思ったものです。いまはこんな罰当たりな感想は持ちません……といいながら、この感想の終わりのほう、「余談」でオカルト的なことを少しだけ取り上げています。ヨーガに興味はない、オカルトに興味があるのだ、というひとは「余談」まですっ飛ばしてください。

 

この本を読むとクリヤヨーガに興味を惹かれます。クリヤヨーガは師から弟子へ伝えられるものなので、この本に具体的なことは書かれていません。けれども(ヨガナンダが伝えたクリヤヨーガ〈SRF〉とおなじなのかはともかく)クリヤヨーガの具体的な方法は別の本などから知ることができます。適当なことをいうとダンテス・ダイジ『ニルヴァーナのプロセスとテクニック』に書かれているクンダリニーヨーガも似ているところがあるんじゃないかと思っています。

 

クリヤヨーガは能力がある先生に指導してもらうのが安心安全ですけど、もし自分で取り組むならまずはハタヨーガ、呼吸法、マントラ、自己観察、瞑想、ヨーガ哲学を充分にやってからでいいんじゃないかなと思ってます。

 

もともと師から弟子に伝えられる技法です。それはなにもすごい技法だから我々の秘密にしておこうとかそういうことじゃなくて、少なからず危険があるからだと思うんです。『ニルヴァーナのプロセスとテクニック』の最初のページには「自己流でやって心身に異常をきたしても自己責任な!」みたいな注意書きがあります。

 

いろいろなひとがいるのでそれまでヨーガに縁がなかったひとがクリヤヨーガを始めて数ヵ月でスムーズにクンダリニー覚醒しましたってひともいるのかもしれませんけど、熱心にヨーガや気功をやっていたひとが数日、数ヵ月、後遺症みたいなものがありましたってひともいるので、準備を整えるのに越したことはないと思うんです。

 

それに大事なのは、なんのためのクリヤヨーガなのか、ということだと思うのですよ。体験があるのは素敵なことだけど、体験そのものは本質とはちがうと思うのですよ。クンダリニー覚醒したひとが事あるごとに他人を蔑むなんてこともあるかもしれないし、クンダリニーに無縁なひとが常に他人や自分のなかに個人を超えたものや因果、カルマを見るなんてこともあるだろうし。

 

この本を書いたヨーガ聖者、ヨガナンダの映像はYouTubeで観ることができます。初めて動くヨガナンダの映像を観たとき、びっくりしました。山脈を見たときのような感覚。それにあの目! 輝き、目力のすごさよ。

 

『自身を軽薄な自我(エゴ)と同一視し、人は考え、愛し、感じ、食物を消化し、自分を生かしているのが自身であることを当然だと思い、僅かな時間でも瞑想すれば分かること、即ち、通常の生活における自分はカルマと自然環境の操り人形にすぎないことを決して認めない。それぞれの人の知的な反応、感情、気分そして癖は、今世であれ過去生であれ、過去の原因から来る影響の中に閉じ込められている。しかしそうした影響の遥か高い処に自身の堂々たる魂がある。』

 

このことを知的理解だけではなく、実感(体感)できるのがヨーガ。

 

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余談

この本はこんな読み方をするものではないので、こんな取り上げ方をするのはどうかと思うんですけど、オカルト的には「第43章 スリ・ユクテスワの復活」に書かれていることが興味深いです。亡くなったヨガナンダのお師匠さまが、ヨガナンダのまえに物質化して現れ、死後の世界を具体的に語っています。

 

それと個人的に注目したのは「第19章 カルカッタの師がセランポールに姿を現す」。遠く離れた場所にいるヨガナンダのお師匠さまが、ヨガナンダのまえに物質化して現れたあと、閃光のなかに溶けるように消えていきます。そのとき『奇妙なゴロゴロという音(肉体の原子が脱物質化する際の特徴的な音)が聞こえた。』と説明しています。

 

本当にこんな罰当たりな読み方をする本じゃないんですけど、思いついたことをついでにいうと、古い怪談とかでふしぎなことが起きるときに「稲妻が光って雷が鳴る」という現象が起きているものがありますよね。幽霊が現れるときだったり、神が現れるときだったり。「雷と稲妻」と「ゴロゴロという音と閃光」。似てます。「ひゅ~どろどろ~」も思い浮かんできました。「どろどろ」と「ごろごろ」。

 

……思いついたことを適当にいってるだけなので読み流してください。マーヤー(幻影)と戯れているのです。

 

 

今回、翻訳・ヴァースデーヴァを読みました。現在(2024.4.6)kindle Unlimited対象ですが、kindle版はおすすめしません。フォントの大きさを変えることができず文字が小さく読みにくいです。