近畿地方のある場所について』と似た感じと教えてもらった本。

 

モキュメンタリ的ホラー小説。こわくはなかったです。どちらかというと不気味。ホラー的。怪談的なこわさを期待するとちょっとちがうと思います。

 

内容を簡単に説明すると、ネットに流布する怪談のなかに「ある特定の人物の名前」が登場する話がある。引用したそれらの話を読んでいくと……という感じですかね。

 

仕掛けがある本なので感想を伝えるのがとても難しいです。どうしてもそこに触れたくなってしまうし、そこに触れないと特にいうこともないんです。とはいえ、その仕掛けが明らかになっても「あぁ、そうですか」という感想しか出てこなくて、驚きとか恐怖はなかったです。このへんは好みでしょうね。

 

内容を楽しむというより仕掛けを楽しむ本だとわたしは思いました。仕掛けメイン。

 

 

この本には「呪い」めいたものが登場します。ということで、この本からは離れるけれど「呪い」について思うことを少し。

 

のろいはめんどい」で触れているように、基本的に、呪うことで「呪い」の影響を受けるのは、呪っているひとだと思っているんです。「呪い」が返ってくるというよりも、そんな「呪う想い」を自分のなかで発生(しかも集中)させているから、確実にダイレクトにその影響を受けることになるんじゃないかと。

 

結界張ろうが他人に代行してもらおうが、「呪う想い」を発生させているなら、発生させているひとがその影響を受けることになるんじゃないですかね。きっと。というか、呪いだけじゃなくてどんなことだって、自分が発生させたものは自分に返ってくる(影響を受ける)ことになるんじゃないですかね。きっと。

 

オカルト的な余談をすると、的確に祝福を与えられるようなひとは、的確に呪うこともできる、とオカルトなわたしは思っていたりもしますけども。