









・特別展「アート オブ ブルガリ」(9月8日~11月29日)
・特別展「始皇帝と大兵馬俑」(10月27日~2月21日)
・特集「一遍と歩く一遍聖絵にみる聖地と信仰」(11月3日~12月13日)
・特集「伊能忠敬の日本図」(10月14日~12月23日)
特に、「ブルガリ」は、広告の写真がかなりきれいに写っているにもかかわらず、本物との違いに驚き、感動した。宝石の輝きは、現代のテクノロジーでさえも画像として捉える限界があるのを知った。本物はとにかく美しいし、感動を与える。「兵馬俑」を見に行くたくさんの人達が、「ブルガリ」展の入り口を素通りしていくのを見ながら、「勿体ないなあ」と思った。
オンライン刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』に登場する刀剣が展示されており、たくさんの若い女性達が訪れている。GWのような行列こそできていないが、いつもよりずっと多い。今回は、立派な刀身だけではなく、黒漆塗りの立派な鞘も見ることができる。
展示スケジュール
国宝 太刀 三日月宗近(名物 三日月宗近)<展示終了>
2015年5月12日〜2015年7月20日
国宝 短刀 粟田口吉光(名物 厚藤四郎)<展示終了>
2015年7月22日〜2015年9月23日
重文 太刀 大和物(号 獅子王)
2015年10月14日〜2015年12月23日
さらに、平成館の考古展示室がリニューアルオープンした。教科書に載っているような考古学の文化財は大抵、ここで見ることができる。世界最古、一万年以上前の日本の土器から時系列に展示していたり、圧巻の江田船山古墳の出土物のコーナー、猪や犬などの珍しいのを含んだ埴輪は素晴らしかった。奈良のお気に入りの神社、石上神宮伝来の2枚の鉄製盾の内、1枚はトーハクにあるのだ。
今回は、特集「一遍と歩く一遍聖絵にみる聖地と信仰」を楽しむことを一番の目的で行った。既に藤沢市の遊行寺で12巻の主な場面を見たが、関連作品も展示されるのも興味があった。
まず、トーハク本の第7巻を全段見ることができたのがうれしかった。第7巻については、模写と写しを混ぜて2巻に別れており、遊行寺で展示されているのは、詞書第1~3段と絵の写しからなる一巻で、全てのオリジナルの絵と詞書第4段からなるもう一巻は、東京国立博物館にある。この巻には、一遍上人が「踊り念仏」をする場面があって、それを取り巻く人々も生きいきと描かれていて、華やかである。トーハク本の最初の詞書第1段が写しで、この巻物の絵がオリジナルなのは、元の所有者を欺いて自分のものにするためではないだろうかと、トーハク本を見ながら思った。江戸時代に、「修理の参考にするため」という理由で借りた人がいて、そのまま返されずに持ち主が次々に変わり、最終的にトーハクに来たという。元の持ち主に返されたのは、大半が模写にすり替わった方である。巻物を広げて最初に目に飛び込む詞書第1段がオリジナルで、その先がどうなっているかすぐには分からない。長い巻物を全部広げないと、本物と写しが混ざっているのが確認できないのだ。
既に、藤沢で本物の絵巻を見たにもかかわらず、トーハクの展示は興味深く、楽しかった。というのは、第7巻以外については、江戸時代に狩野派の絵師達が描いた模本で主要場面を見て、多くの発見があったからである。原本は、描かれた人々の表情が豊かで完成度が高いが、絹に描かれたせいか、或いは風化のせいか、見にくくて分かりにくい部分が少なくない。一方で、模本は紙に細かく書かれていて、時代が新しいのではっきりと細かい部分まで分かる。原本では分かりにくかった部分がよく見える。これからもう一度、原本を見るにあたって、大きな参考になると思う。
スタンプ・ラリーを楽しみながら、じっくりと絵巻を楽しもうと思う。
藤沢の遊行寺での展示については、以前記事に書いた。
http://blogs.yahoo.co.jp/nypky810/70766711.html
*東京国立博物館の展示のみ、フラッシュなしでの撮影が可能。
写真:
∥7巻トーハク本の詞書第1段は江戸時代の写し。
第7巻トーハク本の第3段の絵は鎌倉時代に描かれたオリジナルで、大きな見どころになっている。雲居寺と六波羅密寺を参詣後、踊り念仏の先駆者である空也上人の遺跡市屋に道場を作って踊り念仏厳修をしている場面。
B7巻トーハク本の第3段から。一遍上人の遊行の様子だけではなく、当時の人々の暮らしが詳しく描かれていて、年代もはっきりしているのがこの絵巻の特色である。貧しい暮らしをしている人々まで描かれている。
ぢ7巻トーハク本の詞書第4段はオリジナル。
ヂ2巻第3段模写から、四天王寺で初めて賦算(お札を配ること)する場面。
β3巻第1段模写から熊野三山参詣の絵の中には3匹の猪が疾走しているのが描かれているのが、写しではよく分かる。これは、熊野本宮・熊野新宮・那智大社、三所権現を象徴しているという。
第3巻第1段模写に描かれた那智滝の左横に描かれた白馬は、『今昔物語』にも書かれているように、観音の化身であり、那智滝が千手千眼観音菩薩の本地であることを物語っているという。
第4巻第5段模写。信濃国小田切里で初めて踊り念仏をした。一遍上人は真っ黒に日焼けして、左で鉦鼓を叩いている。
第12巻第3段模写から、最後の部分。在家の人々によって火葬される場面、オリジナルでは煙がよく分からないが、写しではよく分かる。五輪の塔の隣には御影堂が建てられて、一遍上人そっくりの木像が安置されたという。