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フルトヴェングラーのライブで音が良い状態で全プログラムが楽しめる録音の中には、「ベルリンフィル創立70周記念演奏会」を兼ねた定期演奏会がある。次のようなプログラムだった。残念ながら、プログラムの4曲がそれぞれ別々のレコードで発売されたため、この充実したプログラムを一回で楽しもうと思う人は少ないであろう。

●1952年2月8, 9 & 10日 ベルリンフィル ティタニア・パラスト
・ベートーヴェン:大フーガ(ワインガルトナー編)
・オネゲル:交響的断章第3番
・シューベルト:交響曲第8番『未完成』
・ブラームス:交響曲第1番

定期演奏会らしく、オーケストラの実力を試すべく、当時の現代曲であるオネゲルの作品が含まれている。3日間のコンサートの内、初日が録音された。レコード会社は、このような特別な演奏会であっても、演奏会を一つの塊として捉えず、一曲ごとにばらばらにレコード化したのは、きっとLPの収録可能時間の都合だけではなく、まだレコードが高価だった時代には、これらのような名演をばらばらにして単価を安くしてレコードを販売することがレコード会社にとって好都合だったのであろう。オネゲル以外は、DGGによってレコード化された。オネゲルは、一般にはまだ斬新すぎて、売り上げに影響すると判断されて販売を見送ったのであろう。SFB(自由ベルリン放送)による収録で、RIASのようにまとめてCDやLPで発売されていないので、ばらばらのままになっている。

DGGに関して、本国ドイツでは、ベートーヴェンの「大フーガ」は、最初、『エグモント』序曲と『レオノーレ』序曲第2番と共にLPM-18859で出た後、交響曲第4番と一緒にDGG-2535 810で出た。何れも、オール・ベートーヴェン・アルバムである。シューベルトは、グルックの『アルチェステ』序曲、シューベルトの『ロザムンデ』序曲と一緒にDGG-2535 804で出た。ブラームスは、単独でDGG-2535 162で出た後、DGG-2530 744で出た。オネゲルは、伊CetraからFE-15として、フランスの作品を集めたアルバムで出た。要するに、この記念すべき演奏会をLPで聴くには、4枚のLPが必要なのである。

先ほどのオネゲルのLPは、日本で特典盤として出たのを除けば、CetraのFE-15しかない。このシリーズの音質については、当たり外れがあるが、このオネゲルに関してはDGGに負けない音の良さで楽しめるので、DGGのLPがあれば、演奏会全体を再現しながら楽しむことが出来る。DGG-2535規格のLPは、ドイツ・プレスの音が圧倒的に良い。4枚の中で、一番入手が難しいと考えられる。

これらの4曲は、楽員のモチベーションも高かったのか、何れも素晴らしい演奏である。例えば、ブラームスの交響曲第1番については、現存する全曲録音としては、録音の良さと演奏の良さで残されたこの作品の録音の中でベストということは、既に述べた通りである。フルトヴェングラーが繰り返し演奏したシューベルトの『未完成』交響曲についても同様に、ベルリンフィルの演奏としてはベストの一つではないだろうか。

シューベルトの『未完成』交響曲には次の録音が残っている。

1943年5月12日 ウィーンフィル (ストックホルムでのライブ(スウェーデン放送収録))第1楽章のみ
1944年12月12日 ベルリンフィル (ベルリン アドミラル・パラストでのライブ(RRG収録))第1楽章のみ
1948年10月24日 ベルリンフィル (ベルリン ティタニア・パラストでのライブ(RIAS収録))
1950年1月19~21日 ウィーンフィル (ウィーン楽友協会 (HMVスタジオ録音))
1952年2月10日 ベルリンフィル (ベルリン ティタニア・パラストでのライブ(SFB収録))
1952年3月11日 トリノ・イタリア放送交響楽団 (トリノ イタリア放送協会でのライブ(RAI収録))
1953年9月15日 ベルリンフィル (ベルリン ティタニア・パラストでのライブ(RIAS収録))
1954年5月4日 ベルリンフィル (パリ オペラ座でのライブ(ORTF収録))

*1949年10月1日 ウィーンフィルとのBBCによる放送スタジオ録音が残されたと言われているが、未発売のままである。
*1951年12月? ベルリンフィル 第1楽章冒頭部のリハーサル映像がある。


シューベルトの『未完成』交響曲のウィーンフィルの演奏は特別な魅力があるが、意外なことに全曲録音としては、1950年のHMVスタジオ録音しか残っていない。それに対して、ベルリンフィルとのライブは1948年と1952年、1953年、1954年、合計4つも素晴らしい演奏が良い録音で残っている。現在でも、プロの楽員達は、デリケートなこの交響曲の演奏に対して、相当な神経を使って演奏している。そのような中でも、全体としては素晴らしい出来のパリでのライブは、第2楽章でクラリネット奏者がブレスに失敗して、ソロの大きなフレーズを作るのを失敗してしまった。音自体は、一つも欠けていないものの、マエストロの意に沿わないばかりか、本人も大切なソロで満足できない出来になってしまって相当凹んだに違いない。それでも4つの録音は甲乙付けがたいほど素晴らしい。

例えば、1953年のライブは、この交響曲と一緒にauditeのセットに入っている、その日に演奏された『グレイト』と一緒に聴けば、一つの演奏会を楽しんだ充実感を得ることが出来る。お薦めの楽しみ方である。美しくはかないこの傑作は、本気で聴くなら、この曲の後に別の曲との組み合わせで聴きたい。なぜなら、演奏が立派なので、作品の内容に影響されて、気持ちがブルーなままになってしまうからである。巨匠が選んだプログラムの作品を組み合わせて聴くのが良いと思う。



写真:
この記念すべき演奏会を聴くには、次の4枚のLPが必要
‘DGG LPM-18859はベートーヴェンの力強い作品ばかりを集めている。
・ベートーヴェン:『エグモント』序曲(1947/5/27 ベルリンフィル Haus des Rundfunks Berlin ライブ録音)
・ベートーヴェン:『レオノーレ』序曲第2番(1947/6/9 ベルリンフィル ゲマインデハウス 放送録音)
・ベートーヴェン:大フーガ(1952/2/10 ベルリンフィル ティタニア・パラスト ライブ録音)
▲侫薀鵐垢虜酩覆鮟犬瓩唇Cetra FE-15
・オネゲル:交響的断章第3番(1952/2/10ベルリンフィル ティタニア・パラスト ライブ録音)
・ドビュッシー:夜想曲より「雲」と「祭り」 (1951/5/1 ベルリンフィル ローマ ライブ録音)
・ラヴェル:スペイン狂詩曲 (1951/10/22 ウィーンフィル シュトゥットガルト ライブ録音)
FDGG 2535 804は、1953年9月15日のシューベルト・プログラムを聴く上でも欠かせられない。
・シューベルト:交響曲第8番『未完成』(1952/2/10 ベルリンフィル ティタニア・パラスト ライブ録音)
・シューベルト:『ロザムンデ』序曲(1953/9/15 ベルリンフィル ティタニア・パラスト ライブ録音)
・グルック:歌劇『アルチェステ』序曲(1951/9/15 ベルリンフィル シラー劇場 ライブ録音)
てDGG 2535 162
・ブラームス:交響曲第1番(1952/2/10 ベルリンフィル ティタニア・パラスト ライブ録音)
ァ銑1952年2月8, 9 & 10日「ベルリンフィル創立70周記念演奏会」を兼ねた定期演奏会のプログラムから