











門の前で上を見上げるとスケールの大きさを感じることができるが、静岡のように二階から見下ろす別の方向からは門の上下の大きさがほぼ均一化するため、全体の美しさを感じることができる。上野のブロンズの左右には、『アダム』(1880年作)と『エヴァ』(1881年)が展示されていて、『地獄の門』にも通じるような、彫刻家が創造力を結晶化させたような作品を間近で観る事ができる。まるで、人類の誕生と最後を表しているのかのようだ。
静岡には、興味深い小さな習作も展示されている。『地獄の門』の習作を見ると、真ん中の十字架が強い印象に残る。後の大きなヴァージョンで梁のように見える枠は、実は十字架を表しているのが分かる。中心になっている『考える人』は、見る者へ何かを問いかけているのだろうか。十字架からこぼれ落ちる人、人間の誕生、愛欲、しがみつく人、痩せ衰えた人、ドクロ、悶え苦しむ人、近づいてみると、うごめく老若男女が迫り来るような、立体的な彫刻ならではの凄さを感じる。
写真:
´Л┃静岡県立美術館所蔵『地獄の門』
↓き国立西洋美術館所蔵『地獄の門』
ス駑西洋美術館所蔵『アダム』
国立西洋美術館所蔵『エヴァ』
静岡県立美術館所蔵『地獄の門』の習作