家へ帰ろう・・・・・。 | おっちゃん日和 -皆殺しじゃぁ-

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毎日が8月31日です。

久々の更新です。
先月、父親が亡くなりました。
前日まではとても元気に生活していたそうです。
朝早く起床した父親は、トイレに行き、そこで倒れ、
あわてて起きた母親達の手によって、
手配された救急車で病院に運ばれましたが
まもなく帰らぬ人となりました。
私は、未だに父親が亡くなったという実感が沸いてきません。
あまりにも急すぎたためでしょうか・・・。
ただ、この件以来、私の心の中には何か薄暗い雲のような物が、
広がっていて、生きるために必要な事全てにおいて集中することができません。
また、ここ数年来の心の謎?のような物が一つ解決しました。
高校を卒業してすぐ上京のために実家を出た私は、
都内及び近郊都市を転々として、数年前に生まれ故郷の街へ、
帰郷しましたが、今現在、その街から少し離れた街に住み着いています。
そんな生活の中で、いつの間にか私の心の中には疑問がわきました。
“オレは将来、どこに帰るのだろう?”
今住んでいるアパートは、あくまでも仮宿。
そんなことは当然です。
20代前半を過ごした、東京阿佐ヶ谷の街。
理想には近い感じがしますが、決定的ではありません。
私は、これからどこへ向かっていき、何をして、何を考え・・・・・。
解らないのです。
でも、親父が死んで、久しぶりに実家で数日を過ごしていて、
思ったのは、
“この家は、俺の帰る家ではない。”
このことがハッキリと解りました。
じゃあ、私はどこへ向かって行けばいいのか?
それは解りません。
今私の思いつく限りでは、どこへ行っても同じような気がします。
完全に私は今、迷子になってしまいました。
これからどこで生きよう。誰のために生きよう。
何を求め、何をし、何を見、何を何を何を・・・・・。
私は今、人生最大の課題を背負ってしまいました。
ただ、なんとなく・・・。
そんな人生だけは送りたくないので・・・。


先日、上京しました。
ある資格試験のためです。
昼休み試験会場である、某大学の中庭にあるベンチで
午後の試験科目のテキストを読んでいました。
ふと前を見ると、初老にさしかかろうかという、年代の、
カップルがベンチに座って談笑していました。
ご主人は白人男性です。婦人は日本人です。
二人ともとてもラフなスタイルでいらしたので、
きっとこの近所にお住まいなのでしょう。
私の座るところからは何を話しているのかは聞き取れませんが、
二人の表情からは、とても楽しそうな話題であることが解ります。
婦人がバックから小さな袋を出して、その袋の中から、
マフィンを取り出し2つに割り、その片方をご主人に渡しました。
仲良く、美味しそうにマフィンを頬張りながら、楽しそうに談笑してしています。
その2人の姿はとても羨ましい姿でした。


試験も終わり、帰宅しようと地下鉄の駅に向かって歩き出しましたが、
空を見上げるととてもとても綺麗な青空です。
地下鉄に乗っても、私が向かいたいターミナル駅までは2駅。
私はターミナル駅まで歩くことにしました。
ゆっくり歩きました。
時々、裏通りに入って、人の臭いを感じたりしました。
私は、この街“東京”が好きなんだと感じました。


私は今まで生きてきた人生、後悔も反省もしたことがありません。
でも、その中で、一つだけのミスがあります。
それは“東京の街”を出たことです。
東京に住んでいた頃は、若かったせいもあるでしょうが、
どんなにつらいことも、悲しいことも、平気で乗り切りました。
独りきりでいても、寂しいと感じたことなどありませんでした。
1週間誰とも会話しなかった事もありましたが、平気でした。
東京という街が、私の背中を押してくれていたんだと思います。

私は年に数回程度、上京します。
映画を見に行ったり、買い物をしたり、
疲れたとき悲しいとき、折りに付け上京します。
なんとなく、傷んだ私の心と体に適度な栄養を与えてくれていると思います。

それでも、私の帰るべき場所ではないような気がします。
私の帰る場所はどこにあるのでしょうか?
私の体が朽ち果てる前に、その場所に帰り着ければいいのですが・・・・。