「台詞の言い回しと世界観が独特だからあなたにはプロデュース公演の仕事を頼みにくい」と言われたり、誰かとコラボした作品を観劇したお客様から「結局おぼんろ末原の世界だった」みたいなこと、たびたび言われて、僕はけっこう傷ついて、独特にならないよう、ならないようって、「人とやるときは、ほどほどに」みたいなこと一生懸命やってきたんだよなあ、ということ思い出し、ここにきて、え?お前バカ?と、自分を叱る。


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みんな、あなたに対して自分がアドバイスしやすいように、「ふつうの感じ」を求めてくる。あなたがふつう以上であった場合(実際には、上か下かなんて存在せず、あなたがあなたらしさという強さを持っているかそうでないか)、ふつうのひとは、あなたの見ている世界の素晴らしさを想像できない。くれぐれも、従いすぎないように、参考にしすぎないように。

そう、なんか、おもむろに人形劇創り始めてしまった。他に創らないといけないものたくさんあるのに。このまま創り続けたいのだけど別件の催促入り、断念。

絵も、立体も、物語も、いなかったものが、いるようになるの、不思議。やすやすと生み出すことへの恐怖もちゃんとある。責任感はあるけど、責任を果たすのは、だらしなさゆえに苦手。ちゃんと生んであげること、ちゃんと、最後まで面倒をみてあげること。里親にだすのがいいのかもな。物語に関しても、描いたのにもう何年も演ってあげてないものなどたくさんあり、申し訳ない。

ちなみに、当たり前だけど、手やテーブルは悲惨なことになった。この手でパソコンとスマホを触ってしまったのは大失敗だった。

夕立があった。雷もゴロゴロだった。あとから、空の上の上のほうは氷点下12度とかだったと聞いた。地上は30度とかだったらしい。暑さと寒さが触れ合うと狭間で大雨が降る。雨が降ると地面が固まるとも言うらしいよ。雨は、いいと思うよ。植物を育てるし。降りすぎてぜんぶを壊してしまわない限りは。

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久しぶりに山内さんがうちに来てくれた。リュズタン千秋楽を観に来てくれて以来だ。山内さんはとにかくやさしい。父の親友。


いろいろ話して、家の電気のことやらを母とともに相談し、そのあと一緒に、うちにあるギターをみてくれたりした。ギターを弾こうと心に決める今日この頃だ。けれど、父のものに触れるのが、こどもの頃から雑に雑に恐れ知らずにやってきていたはずなのに今更こわく、「練習用に自分で安いの買おうかな」と言ったら母に「おバカ」と言われた。父はさいごのほうひたすらに「アトリエに飾って。弾いて」とたくまに話した。母はそのとき「だめよ!」と言った。そりゃそうだ。ぜんぶ宝物レベルの上等なものだし、父にとってのギターという存在がどれほどのものかは我々も知ってる。それはなんか、もう、魔法使いにとっての魔法の杖というか、侍にとっての刀というか、いや、もっとだ、なんか、もっとなんだ。でも、母は「ここであんたが新しいギター買うって言ったらパパ怒るよ」と言った。そういうものか。やはり、ギターリストの息子だからギターに恵まれてるね、みたいのが、カッコ悪く思えてしまうのだと思う。だから、小さい頃には少しかじったとはいえ、ここまで真剣にやってこなかったのだと思う。いまさら、父の書いた教則本を、開いてみた。わかににくい部分を聞こうと普通に父を探し、途方に暮れる。まだちょっと早いかもだ。やっているうちに乗り越えられるのか、やらないうちには乗り越えられないのか、わからない。忙しくしていたい。まだ、我にかえりたくないみたいだ。

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突然なんだけど、ビョードロという作品にでてくれた鎌苅健太=けんちゃんが、ビリヤードのアマチュア公式戦に出るんだって。めちゃくちゃうまいんだってことは聞いてたけど、なんか、すごい。応援する気持ち。すごいなあ。芝居や物創り以外のことできるの、すごい。けんちゃん、すごい好き。父のことがあって、制作さんがおぼんろ関係者みんなに連絡してくれたのだけど、それを受けてすぐに電話くれて、ふたりで長電話した。救われた。すごく繊細なことや、命や世界のことについても話せる仲で、ちゃんと叱ってくれるし。優しいし。また一緒になんかやりたい。


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眠る準備に入りましょうか。


台風が来たと思ったらいなくなっちゃったり、秋のはずなのに夏めいていたり、夏の花はまだ咲いてたり、秋の虫はもう鳴いていたり、静かすぎるような、うるさすぎるような、不思議なような、当たり前すぎて退屈なような、1日のおしまいのような、明日の始まりの入り口のような、夜。


あわよくばあなたが元気でいますように。


おやすみなさい。


生き延びただけでも大手柄。あっぱれ。

えらいよ

すごいよ

はしゃごうよ

それが無理でも眠ろうよ


「あー、いい1日だった」


たとえほんとは嘘でも

おまじないみたいにそう唱えてみたりして


で、



なんか、これさえちゃんと言えばなんとかなる、なってきた、とばかり、締めくくりにいってやろう


「おゆすみなさい」


謎の命令形

誰に向けて?


誰かに向けて

もしくは自分に向けて


おやすみなさい