ともきとはなす。遠藤智林。智林とかいて、「ともき」。付き合いは古く、20代の前半から。最初は、青山円形劇場で演出を務めた時に美術家として紹介された。絵も音楽も映像もパフォーマンスもやってのける総合芸術家なもので、我々やたらと意気投合して、様々なことを一緒にやってきた。一年間毎月独り芝居をやる『ひとりじゃできねぇもん』、通称「ひとでき」にずっと付き合ってもらってたこともある。

 

で、ともきには、いつもおぼんろ のティザー動画を頼んでいる。

この男、いつの間にかAdobeが世界でほんのちょっとだけの人数選ぶ「こいつは一流アーティストです」みたいなメンバーに組み込まれていたり、気づけば世界を股にかけ、日本のすごいところで仕事をするようになっていて、うわあああああああ、ちょっとしたことを軽々しく頼みにくくなってきた。ま、頼んでるんだけど。どうして、周りの人間がこうも一流になっていくのだろう。嬉しいけど、みんなスケジュールぱんぱんになってきて、大変。今回も、むりくり、頼んだ。

 

先月、打ち合わせをした。7月末に納期を設定してた。ともきの創るティザーを楽しみにしていたのは、むしろ父。公演の全体のサントラよりも一足早く公演のテーマ曲だけ家のスタジオで作成して、それにともきが映像をつけてくれる。

 

今回、ともき、めちゃくちゃ大きい仕事を手掛けているところで、頼んだ時にはすでに過労死直前だったのだけれど、父の容態を話したら、引き受けてくれた。病床の父に見せて大喜びさせてやろうと二人で目論んだんだけど、ちょっと、間に合わなかった。まあ、肉体のある状態では見れなかったけれど、もっと、無限に自由に見れるようになってるんでしょ、さては、パパ、と、思ってる。ああ、もう。父の話は書かないようにと毎日思っているのに、描いてしまう。

今回の『瓶詰めリュズタン』のティザーは、ミクサの大きなビジョンで流れる。すごい、すごい嬉しい。父の音楽が、池袋の一等地で流れるんだ。すごい、嬉しい。一緒に見上げたかったな。

 

とにかく、とても素敵なティザー仕上がりつつあるので、乞うご期待、です。大好きな人たちと物を創ることが、幸せです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

他にも、一日中、スタッフたちと連絡を取り続ける。美術のなつこは、昨日の打ち合わせを経て更にブラッシュアップを図ってくれる。やりたいことがたくさん思いつくから、どこをとって、どこを捨てるか、だ。

 

衣装の永田さん、ヘアメイクの和枝さんからも素晴らしい画像がたくさん送られてくる。ヴィジュアル撮影は22日(多分・・・)だ。迫っている。楽しみ。応援してほしい。

 

・・・・・・・・・・・

 

街中で音楽を聴くたびに眩暈がする。いい雰囲気の曲を聞くと「よし、こんな音楽で新作を創ろう。メモしておいて、今度相談だ!」、と考える、癖。音楽が嫌いになるかけてる。絶対に、だめ。そのくらいわかってる。

 

・・・・・・・・・・

 

今日は色々あって以来、一番長く独りでいた。本当は夕方から稽古だったのだけれど、執筆できそうな気がしてきたのと、頭が散らかっていた(スノウドームをひっくり返した感じ)のとで、まずは自分の中にあるものを吐き出さねばと思い、謝りと共に、稽古中止の連絡を入れる。

 

こうちゃんは自転車で3時間くらいかけてくる途中だった。申し訳ない。

 

まだ本がまったく書けてない。台本を待つ俳優の気持ちがどれほどナーバスかを知っているのに、情けない。みんな、ひたすら応援してくれてる。応えたい。はやさよりも、良い物を求めてくれる仲間なことはわかってる。

 

執筆は、最終的には孤独との闘いになる。だから今日は、腹を据えて独りになってみたけど、やはり、まだ独りでいるのがあんまりうまくいかない状態で、参ってしまう。そんなこと言っても台本描かなければならないから、お酒でも飲んで気を紛らわせようとさえ企むけれど、なるべく明瞭な思考状態でもいたくて、がんじがらまった。

空がきれいだった。朝起きて、母と散歩をした。

セミたちを好きだ。とっても好きだ。そういうえば去年の12月、岡山で子供たちとやるためにセミの物語を描いた。素晴らしい出来だった。だけど、上演できなかったのだ。今年の夏も、それはできない。ああ、どうしよう。あの物語、どうなるのだろう。子供たちに会いたい。

クレヨンいただいたので、落書きをした。今日は、たくさん落書きをした。

この前共演した変人てっちゃんがTwitterで、難解なクイズを出してた。噂によると、てっちゃんはIQが高すぎて、希少な人間として認定されているらしい。お酒を飲みましょうね、と話したままだ。飲みたい。

 

今日、ミズキがメンバーのグループラインに素敵な花の写真を投げてくれて、嬉しかった。みんな、アトリエに遊びに来てほしい。

 

・・・・・・・・・・

 

『結び』の作業もやった。先週の稽古に行けなかったので、動画で送ってもらった通し稽古を見て、大量のチェックを送る。ルーマニア、本当に行けるんだろうか。ルーマニアにいる自分をそこまで明確に想像してない。ま、どんな国にあろうと劇場は劇場。物語が始まっちゃえば、一緒、って思ってる。

 

・・・・・・・・・

 

久しぶりに会っても全然久しぶりな感じがしない人というのがいる。久しぶりな感じがしなければしないほど、相手を好きな気がして、僕はどうやらそれがとっても嬉しい。僕は世界の解釈としてソウルメイトというものを信じてる。生まれ変わっても生まれ変わっても、近しい人間の魂同士は、毎回、出会う。そんな魂たちにとって、ちょっとやそっと、現世で離れたことなんて、なんでもないんだろうな。

 

・・・・・・・・・

 

なんだか、伸びきったゴムみたいな気の抜けた文章ばかり連ねてしまった気がしています。まだアトリエで作業しているところですが、ちょっと、今夜は帰って眠ろうかなと思ってます。ついうっかり「かちよりきたる」なもんで、小一時間歩くと思うのだけれど。

 

おやすみなさい。

 

あなたが幸せでありますように。

夢で、会いたい人に会えますように。

 

おやすみなさい。

 

まだ眠れないけど、眠る時は、目を閉じながら夜の空を想像して、星の数を想像して、そのそれぞれの星に時間が流れていることを想像して、宇宙の真っ暗な部分の真っ暗さを想像します。宇宙のこと考えながら、地球で眠ります、地球人らしく眠ります。

 

あれ、なんでだろう。今、ちょっと、アトリエにひとりでいるのが怖くなってきました。

 

 

おやすみなさい。