僕はよく物語タイトルや、作中の道具や都市などに名前をつけるときに、世界中のどこにもない言葉を創ります。
「パダラマ」とか「キャガプシー」とか「ドルグーミン」とか「ポリトゥス」とか「メル・リルル」とか。そもそも「おぼんろ」もです。
ネットで検索して、一件もヒットしない言葉を創り出して、公演を進めるうちにどんどんヒット数が上がっていくというのにときめきます。
そんな、聞いたことのない単語や文字の羅列を探し続けてきた僕でも、先日、母と、食料品売り場を歩いてるときに出くわした「ほんびのす」という音色には面食らいました。
みなさんがコメント欄に情報を載せてくださったり、プライベートで友人から連絡をもらったりして、判明しました。
ホンビノス貝ハ、ソコソコ有名ナノダ。
自分の人生に新しい単語が加わることに喜びを見出すタイプの僕です。これから、使います、ホンビノス貝という言葉。仲間が加わった思いです。
で、調べてみました。
北アメリカ出身の貝らしく、実は、英名では成長によって名前が変わっていく「出世貝」とのこと。そんなんあるんですね。
で気になるのは、「何語なの?!」てところですが、調べてみたらなるほどフムフム、
名前を漢字で記すと本美之主貝となるそうです。
本・美之主・貝。「美之主」てのは、びのす。
ローマ神話の、ビーナスが語源だったのです!
正式に輸入されて日本の海に放たれたわけではなくて、実のところ、なんで日本の海に住み始めたのかはよくわからないのですって。いまのところ生態系を乱してしまったりはしていないとのことだけど、不思議。
突然現れ出した当初は「邪魔者貝」とされていたのに、これがまあ、よく獲れるは美味しいわってことで、今では「浜の救世主」とまで呼ばれているとのこと。いや、そういう意味でも出世してるじゃん、という。
以上、食べたこともない貝を、誰のためにもならないのに勝手に紹介しました。ステマっぽいけど、違います。貝からお金をもらったりはしてません。
別に、みなさんに食べて欲しいとも思っていないのだけど、僕の世界に新しい存在が加わったことが嬉しくて。
どこかの海に、ホンビノスと言う名前の貝が生きてるんだな、そいつ、なに考えてるのかな、日本にいても外国の夢を見たりするのかな、ローマの夢を見るのかな、と、いまこの瞬間に想像してみるだけで、なんだか上等な心持ちになるのです。
本日もあなたやあなたの大切なひとが抜群に幸せでありますように。
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以下、Twitterアーカイブ。流れて姿を消していってしまう寂しさに恐れをなして。