4月10日

 

明け方に新しい脚本の第一稿が仕上がり、劇団員と金成さんに送る。小学校のときに「夜の9時以降はお友達の家に電話しちゃだめよ」と母に言われたが、言いつけを破る4時44分。時間が不吉な感じには目をつぶる。てか、4時はもう「9時以降」なのか「9時以前」なのかわからない。朝と夜がシフト交代のキスを交わすのを見て、仮眠につく。

 

目覚めて、脚本について打ち合わせ。もちろん直接は会っていない。ホリプロインターナショナルの金成さんが実はものすごく頼りになって、心の支えだったりする。キレ者だし、情熱がある。出会いに感謝だ。

 

そこから、さらに執筆。理由はまだ話せないけど、今度の変更で執筆はものすごく大変なのだ。あと、絵。新たに頼んだ音楽なども送られてくる。新たに宣伝、告知をしないといけないのでその準備も大変だ。

 

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夕方には劇団会議。テレビ電話だ。なんかもう、テレビ電話なんてSFなのだ。サイエンスフィクション的なものに、お茶の間ノンフィクションとして手を触れている自分たちにちょっと驚く。機械について疎い者ばかりの集まり。コンピューター詐欺のようなものがあるとしたらコロっと騙されそうだ。制作の凛子と音響のセイジさんがメカニカルな性分なのでお姫様抱っこをされるがごとくすべてを委ねてしまってる。感謝。

 

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ともよの誕生日だった。ほんとうは稽古場で、10ページ位のサプライズ台本を用意(いちばんベタなのは、稽古場で誰かが怒り出し空気が悪くなったところで、なぜかともよが槍玉に挙げられ、なぜ!?となったら電気が消えてケーキが運ばれ大合唱、というやつ。でも、もっとうまいものを描くつもりだった!)し、おいしすぎるケーキを用意(稽古場の場所は明かせないが、ケーキ激戦地区だ。念入りに選ぶつもりだった!菓子作りが得意な者は手作りのお菓子を持ち寄る)し、おつまみを用意(バトンのショウシはじめ、この座組は料理上手が多い。ショウシのインスタを覗いてみてほしい)し、お酒を用意(わかばやしめぐみ、高橋倫平、結樺レイナを筆頭に、飲ん兵衛も多い)し、すんごいパーティーをするつもりだった。

 

でも、我々は家族以外は誰とも会わぬ毎日を過ごしている。ともよにも会えない。だもんで、しかたがないので劇団員で結託して動画を送る。それぞれ、ともよのことを考える。ともよは・・・すごいやつだ。とかとか。

 

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例によって明け方まで作業。スタッフやムーヴメントアクターたちのやり取りも増えている。レイナさんの働きがすごい。父からは新たな音楽が送られてくる。美術家のなつこと照明のまさゆきにも、思わぬ仕事が増えた。急なことなのでみんな睡眠時間を削らせてしまって申し訳がない。演出助手のたずこさんから脚本の助けが来る。心から感謝しすぎてでんぐりがえる。映像のマオと電話を終えたのが明け方3時半。まだまだやれる。こんな状況でも、夢が止まらない自分にちょっと戸惑う。でも、見てしまった夢はこの世界に現実のものとして産み落としてやらねばならぬ。

 

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エレキバンドのライブができなくなったなら、アコースティックライブにする。アコースティックライブができなくなったら、アカペラのライブにする。

 

その都度、ほんきで訓練し準備しているので、もちろん「これ、みせたかった!」て気持ちになるが、べつに、エレキがアコースティックになることは劣化ではない。「こっちはこっちで超いい!」だ。100点であることには変わりない。

 

本当はこの話を、料理に例えてやりたかったのだけれど、料理のことがわからなさすぎて無理だった。要するに、焼き魚とお刺身、どっちが上かなんて誰にも言えないでしょ?て話だ。

 

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はろうはろう。お元気ですか。元気でなくてもかまいません。あんまり無理しないで過ごそうね。17日がとっても楽しみ。とっても楽しみです。僕らもみんな楽しみにしておるのです。心待ちにし合いましょう。いいなって思う。この待ち合わせは、どっちがどっちに何かを与えるわけでもなくて、お互いが与えあって、お互いが受け取り合ってる。ありがとう。