なつやすみ10日目。
なんだか退屈。

誰かぎ、村の真ん中にはえた大きな大きな木が悪い感じがすると言いました。

僕らはなんだかみるみるうちにそんなような気持ちになり、木のことがムカつきました。

だから、「この木のことをどうにかしよう」とみんなで話し合いました。


最初にA君が木を蹴り飛ばしました。みんなは、いいぞいいぞーと大盛り上がりをしました。夏休みが、楽しくなってきました。

次にB君が、ガスバーナーを持ってきて、木の表面をほんの少しだけ焼いてみました。それはなんだかとてもかっこよくてみんなはヤイヤイとはやし立てました。女の子の何人かは、「B君て好きな人とかいるのかなあ?」と話していました。

最後は僕です。僕は、お父さんの持っていた斧を持ってきて、大きく大きく振りかぶりトーントーントーンとその木を打ちました。

すると木は、グラリン、グラグラと揺れだして、ついにはギャァァァと言う音を立てて倒れてしまいました。いえ、もしかしたら、音などしなかったかもしれません。ただし、とっても、まぶしかったことは確かです。

するとその木の幹から、信じることができないような色の樹液がたくさん流れ出したものですから、そこにいた皆は尻餅ついておどろきました。


Dちゃんが、「なんということをしちゃったんだろう」と泣きだしたら、僕はDちゃんより大きな声を上げて泣きだしました。

なんだかとてもとても悲しかったのです。

見ると、倒した大きな樹には沢山の花の蕾がついていて、ああ、この花が開くところみたかったなとみんなは話しました。

僕は泣きすぎて死んでしまったので、みんなは僕の死体を、木が生えていた場所に埋めました。

死体になった僕は地面の下

木の種からニョミリニョミリと根っこは生えて、僕を突き破り、僕の体をゴクゴク吸い込みました。