おぼんろ第17回本公演について昨日の正午に情報公開をしました。

「情報公開をこの日この瞬間にします」と数日前に宣言してからの公開でした。

 

たかだか情報公開なのに、もったいぶってしまった理由はただ一つで、みんなで一緒に喜びたかったから。

 

 

『ビョードロ〜月色の森で抱きよせて〜』

 

 

再演という言葉はあんまり好きじゃない。「再び」なんて僕らの人生にはありえないことをとてもよく知っている。あの頃と変わってしまったこともあるし、変わっていないこともある。過去は美化されるというけれど、それを差し引いても残酷なくらいに美しい記憶に満ち溢れていて、もしあの場所がもう二度とは行けない場所なのだといたら僕はつらくて苦しくて膝をついてしまう。だから、「何年も経て、またこの物語りの続きをやることにした」って、そういう言い方をしたい。

 

 

僕は覚えてる。『ビョードロ』を初めてやった2013年、5年前の風景や空気を。千秋楽前夜にバラシの様子を想像して、「明日で二度とあの場所に行けなくなる」と夢の中で想像して、過呼吸になったのを覚えてる。訪れて応援の言葉をくれた人のことも本当によく覚えてる。ロビーで参加者と交わした会話まで覚えているし、ロビーに贈ってもらった花だとか、贈り物たちのことも覚えてる。

 

「あの頃は弱虫だった」と言いたいけれど、僕は未だに弱虫で、もしかしたら、前よりも臆病者になっている気がする。情報を公開することさえとっても怖かった。「どうでもいいよ」と言われることが怖かったのかも知れない。

 

だから昨日は幸せだった。ツイッターで情報公開をしたら、一日で200人以上が拡散に協力してくれた。すごいことだと思ってる。よその公演と比べたら大した数字ではないのかもしれないけれど、200人てのは、僕にとってただの数字じゃない。イイネやリツイートをしてくれたアカウントを眺めて、誰が応援してくれているのかを心に刻んだ。勇気が湧いてきた。

 

『パダラマ・ジュグラマ』の時に王子モンスターの楽屋で、「一度でいいから100リツイートを目指そうよ!」て劇団員で頑張って集合写真を撮ったことがあるのを覚えてる。もっと前は「リツイートされてる!」てこと自体が感動だった。

 

『ビョードロ』という物語を、時を経てこうして続演するに当たって、僕は血がたぎる想いでいる。これは、僕の遺作だ。終わった後でも生きて入られたらラッキーだと思うけれど、これで最後だとしても後悔しないものを僕は創ろうと思う。

 

新しい参加者に出会いたいともちろん思ってる。この物語を知る人が世界中に広がって欲しいと心から思っているから。

 

でも同時に、これまで会った人、応援してくれた人とまた会いたい。あの頃のように闇雲に甘えていい立場でも年齢でもないけれど、みんなに会いたくて仕方がない。本公演は、僕にとってそう言う意味を持つようになった。

 

そして、まだまだ成長したい。僕は今でもシアターコクーンでおぼんろの公演をする日のためにすべての活動をしてる。これは、みんなに約束し続けてきたことだから。取り下げるつもりなんてさらさらない。

 

2月。まだ先だけれど、そんなには先ではないです。どうか、あなたに会えますようにと祈っています。

 

公演のことを考えていたら、これまで本当にありがとうございました、とひたすらに思った。

 

もしよろしければ、これからもどうぞよろしくお願いします。と、思っています。