パンダからラムネをもらった。チョコももらった。

 

昨晩は深夜まで仕事をした。

第14回本公演についてプロットが大きく進展して、たまらなくワクワクしだした。そして、並行して作業なんかするつもりなかったのに、来年に脚本演出する『グレグレ』のほうもなぜか進展してしまったのである。キャホー!と思いきや、実は昨晩の自分にはぜんぜん別の締切があり、肝心のそっちの締切の方は結局がんばったけれど完成にいたらず、朝一番で自分の劇団の制作を手伝ってくれている小宮さんにごめんなさいメールを送るところから1日が開始。

 

で、しつこいようだけど咳が止まらず。

 

こりゃあ流石にいけねぇ、体力が持たねぇぞ、と思って、「病は気から」と言うくらいだからここはひとつ病院に行って「よし、これでもう治るぞ」と言う「気」になろうと言う殊勝な心がけで、なけなしの体力を雑巾のように絞り倒して自転車こぎこぎ駅前まで来たものの、あろうことかお金を持ってくるのを忘れると言うファインプレイをやっちまったわけで、呆然と立ち尽くしたけれど体力振り絞った後なのでもはや帰る気力も体力も見当たらず。ああ、この後、再び家と病院を往復するんだろうかこの数時間後に。と考えてみたけど、考えるのも疲れるので、問題は先送ることに。

 

なのにどういうわけかその足で文房具屋に行き、新しい色鉛筆を買おうかどうか数十分悩んだのだけれど、レジまで行ってお金を忘れたことを思い出し、途方に暮れる。忘れたことを忘れるなんて。マイナスとマイナスをかけるとプラスになるとならったけど、さもあらず、超マイナスな「気」になった。

 

八方ふさがりだぞどうすんべ?と思ったらポケットに「スタバカード」が入っていたので、スタバにはいることにする。

 

とんだタイムロスを仕出かしてしまったけれど、立て直そう。仕事をせねば。年内が忙しい。限りある時間を効率的に過ごさねばならないと思ってスケジュールを立てようと思うも、スケジュール帳が見つからず、仕方が無いから、持っていた落書き帳に手書きでカレンダーを書く。4ヶ月分書いたのだけれど、小さく書きすぎて意味がなく無駄に。あー、もう!ってなる。タイムロス。

 

資料やノートなんかを拡げるから、スタバではいつも大きな机が好きなのだけれど、その場合、正面に他人が座ることになる。で、さっきご年配の女性2人組に席を譲ったのだけれどうっかり仲良くなってしまった。上着を脱げば「わー!かわいいシャツ!外国!?」と独特なボキャブラリーでお褒め頂き、スコーンをお裾分け頂き、ああぁぁ。牧歌的な時間が流れる。素敵なのだけれど、ああ、ごめんなさい、仕事をしなければならないのです。落書き帳にイラストを描こうと思っていたのだけれど、描いたら絶対に新たな話題を始めることになる!と野生の勘が働き、自粛。すると、お姉さんのカバンからパンダのリンちゃんと言う方が現れた。はい、現れました。リンちゃん、横浜の中華街からきて池袋の西武の八階で買った服をきているらしいのだけれど話しかけるとオウム返しを繰り返す愉快なパンダなのです。歌番組が大好きで、いつも一緒に歌っているのだそうで。あ、お近づきの印、そして席を譲ってくれた御礼、とのことで、リンちゃんからラムネを頂きました。

{9A842050-6E05-4E1B-AA72-6AF1A8A5EFE3}
リンちゃんがお姉さんたちに促されて、「じゃましてごめんね!」と再三に渡って謝ってくるので、こっちも会話をし続ける。「ううん、ぜんぜんいいんだよ、ごめんね」と頭をなでるとリンちゃんも「ううん、ぜんぜんいいんだよ。ごめんね」と返してくる。そんでしばらく作業に戻るとまた「じゃましてごめんね!」と謝ってくる。ちなみに、ちょっと大きめの言葉で喋らないとリンちゃんには届かないらしく、スタバ内の注目がパンダと語る自分に注がれていることを感じつつも、ラムネの御礼であるとか、服装についての質問などを続ける。
{9D58C6B0-043C-46C8-8FC5-E22DD4C8AE79}

 

小一時間くらい話しただろうか。

「おにいさん、パンダチョコもあげないとだね?」と聞かれ、返事をするまでもなくリンちゃんは肩から下げた黄色いポシェットからパンダチョコを取り出し、くださったのでした。

{2CA4B1D3-BB0D-4357-8482-53C7868436B8}
そうして、お二人のお姉さんとともに、リンちゃんはどこかへと帰って行ったのでした。
 
大きいサイズのコーヒーを頼んだのに、なにひとつ仕事をなし得ぬままそれを飲み終えてしまった。そして、なんかこうしてブログを描いているのだから、何やってるんだ俺。と思いつつ、不思議な「気」になった。
 
さあ。がんばります。巻き返す。

 

 

おりあえず、コーヒーおかわりいってこよう。